BS-TBS「〜癒・笑・涙・夢〜夕焼け酒場」 毎週土曜よる6:00〜6:30 BS-TBS 2016/7/ 9放送 #105 てるや

人生の師と出会った下北沢で あえてリスクを背負って独立。味自慢の酒場は、今日も繁盛!
お客さんが“親を連れて来たい”と思う店

赤い暖簾をくぐって、地下に降りていく……。若者の街・下北沢で、しっとり落ち着いた雰囲気を守るこの店は、平成20年に創業した「菜香酒席 てるや」。店を切り盛りするのは、ご主人の龍野純さん。45歳とまだ若いご主人は、酒場の親父というよりも、文筆家のような繊細さを感じさせる風貌。まずは焼酎ハイボールで常連さんと乾杯し、早速おすすめ料理をいただくことに。カウンターの鉢を指し「このお豆腐を温めまして、上に肉みそをかけた肉みそ温ドーフはいかがですか?」とご主人。「これはただの豆腐じゃ、なさそうだよ!」と、期待を膨らませるきたろうさん。一口食べた西島さんは「美味しい! すごくシンプルで、スキッとしてる」と言う。実は、肉みそに入っている生姜が、その“スキッと”した感じを出しているのだという。

高校卒業後、知人の紹介の店で18年の修行を積み、下北沢にお店を開業したご主人。店の名前は、ご主人の義理の祖母で寿司屋をしていた「てる」さんからいただいた。「下北のここらへんって激選区でしょう?」と、きたろうさんが訊くと「お店が多いですから、厳しいですね。僕の場合はお客さんに支えられながら、なんとかやれてる状態で」と謙遜するが、常連さんの支持は厚い。「私、北海道出身なんですけど、93歳の母が年に1、2回東京に来るんです。するとココの料理が食べたいと言うんですよ」。「ココの常連は、親を連れてくる人が多いよね。私もそうだし」。酒飲みが親を連れてきたくなる。そんな最上級の評価を受けて照れるご主人が、次に出してくれたのは「鳥南蛮漬」。修行した店から受け継いだという人気メニューで、ご主人は「まるっと揚げて、タレに漬けて、カットした」と、ザックリした説明をするが、その味たるや天下一品。「これ美味しい、最高! 酸っぱすぎないし、柔らかい」と西島さん。さすが、親を連れて来たくなる店。その味は保証つきだ。

見た瞬間に“うまい”と分かる鯛そーめん

「次は、和風ねぎピザっていう、マヨネーズベースで長ネギと鰹節をのせた、ちょっとお好み焼き風のピザです」とご主人。これはご主人オリジナルの人気メニューで、西島さん曰く「ベーコンとマヨネーズのコンビは鉄板ですね。和風なんだけど、これがまた、飲んじゃう、飲んじゃう!」。このピザをはじめ、ご主人のオリジナルも絶品だが、この店の人気は、なんといってもご主人が修業先で覚えた料理の数々だ。

手に職をつけたいと飛び込んだ料理の世界で、ご主人が出会ったのが人生の師・中村登さん。「“料理は盗んで覚えろ”というような親方でしたが、人間的な部分を、色々教えていただきました。“人に感謝されながら、人を大切にしてがんばれよ”とか、自分の息子のように可愛がってもらいました」。そんな親方が脳梗塞で倒れ、お店を閉めたのは10年前のこと。「元気な時に“お前が引き継ぐんだったら、この店をあげる”とまで言われていたんですが、自分でリスクを背負わないと、苦労しないとダメかな、と思ってゼロから店を作りました」。その気持ちを理解した親方は、今もリハビリを続けながら「てるや」に顔を出すという。「親方がニコニコ、ニコニコして飲むんです。本当にうれしいです」。

最後のメニューは、親方から引き継いだ味「鯛そーめん」。この〆の一品を見て、西島さんが「鯛が乗ってるよ! おかしらが乗ってるよ!」と歓声をあげる。「まぁ贅沢な。料理って見た瞬間、うまいかどうか分かるよね」とは、きたろうさん。ゆずと、焼いた鯛の香りに、のどごしの良い麺。「見た目のインパクトもいいですけど、実にいい出汁が出てるぅ〜」と、西島さんの目が丸くなる。「これは大人の〆ですね。この料理は、親方も食べました? ニコニコしてました?」と西島さんが訊くと、ご主人が実にうれしそうに「そうですね」と微笑む。味を、心を、しっかり受け継ぎ、苦労は買ってでもする。そんな立派な弟子を持った、親方はきっと幸せに違いない。

てるやの流儀
その壱

暖かい豆腐にオリジナルの肉みそをのせた一品。生姜の入った、あと口の良い肉みそが絶品! 肉みそ温ドーフ580円(税別)
その弐

鳥唐揚げの甘酢漬けは、柔らかい肉と程よい酸味と甘味がベストマッチ。鳥南蛮漬680円(税別)
その参

マヨネーズ、ベーコン、ツナ、長ネギ、鰹節、チーズが乗ったピザ。ベーコンとマヨネーズという洋風の素材を、鰹節が和風にまとめ上げる。和風ねぎピザ980円(税別)
その四

塩焼きにして旨味を引き出した鯛のおかしらを、にゅうめんに乗せ、カツオと昆布でとった上品な出汁をかける。鯛そーめん980円(税別)
きたろうさんから、てるやへ贈る「愛の叫び」母を連れて来たくなる店 その後には、親方とてるちゃんあり。———きたろう
「菜香酒席 てるや」
住所

電話
営業時間
定休日
東京都世田谷区北沢2−1−8
サンコービルB1
03-3418-6011
18:00〜25:00
日曜日
  • ※ 掲載情報は番組放送時の内容となります。

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