BS-TBS「〜癒・笑・涙・夢〜夕焼け酒場」 毎週土曜よる6:00〜6:30 BS-TBS 2017/3/18放送 #136 立呑ひろし

立呑酒場のイメージを払拭!シャレた雰囲気の店で毎夜、人情溢れる会話が花開く
明朗会計、明朗夫婦の立呑み店

山手線の駒込駅を降りてすぐの、下町情緒あふれるさつき通りを歩くと、ひときわ目立つ立派な「立呑」と書かれた提灯。しかし、店はカフェかと思うような洒落た雰囲気で、酒場にしては珍しい自動ドアから入ると、カウンターではご主人の佐藤寛さんと晴美さん夫婦が笑顔で迎えてくれる。早速、焼酎ハイボールをお願いすると「こちら前金になっておりまして……」と、ご主人。この「立呑ひろし」はキャッシュオン方式で、注文ごとにお金を払うシステムなのだが、まずは常連さんと乾杯を交わさないと話は始まらない。会社帰りの男性から女性一人のお客まで、幅広い常連さんと杯を掲げ、最初の一品をお願いすることに。

「鬼平の玉子焼きなんてどうですかね」と、すすめられた一皿は、かつおだし、醤油、砂糖で味付けした玉子に、刻んだ青ネギを加え、素早くふわっと焼き上げたもの。「うん美味しいしね、愛があるね」「出汁が効いてる。バッチリです」と二人を唸らせた料理は、晴美さんの古くからの友達、貴戸こと子さんによるもの。彩り豊かな家庭料理が得意で“この味に惹かれて”というお客さんも多い。

夫妻がお店を始めたのは8年前。もともとご主人の寛さんはロカビリーバンドのベーシストで、50年前に晴美さんと結婚。その後、居酒屋などを経営する会社に勤めた後、ここ駒込に店を開いた。お互い60歳を超えてからの出発。特に客商売がほぼ初めてという晴美さんは、戸惑うことが多かったという。「団体でお客さんが来ると、計算なんてできないですよ。500円の方もいれば、250円の方もいる。だから“頭のいい方いらっしゃいませんか”って(笑)」。お客さんに支えられながらの船出だったという。

“馬鹿野郎!”は、愛の言葉?

続いてアツアツの「揚げ出し豆腐」を、ハフハフいただきながら、さらに店を始めた時の事を聞くと「まぁ、なんとかなるんじゃないかと思って……」と、ご主人。そこに“とんでもない!”といった勢いで晴美さんが割って入る。「もう(この人は)楽天家! なんとかなんてならないの、この世の中は。客は全然入らないし」。ここで、店の応援団を自負する常連さんが、当時を語ってくれた。「500円玉を渡して“一回来て!”って。店に入ってもらわないと、良さが分からないからさ。“ヤダったら、もうこなくていい”ってお客さんを入れたんだ」。きたろうさんが「そのお金は誰が?」と訊くと「私ですよ。応援団だもん」と、当然のように言う常連さん。これほど強い人情で結ばれた店は、そうは無い。

最後の一品は春の足音が聞こえて来そうな、山菜の天ぷら盛り合わせ。こごみにふきのとう、うどに菜の花。西島さんときたろうさんは「うーん、このちょっと苦味があるのがたまらんのよね」「大人しか食べられないよ」と、季節を慈しむように味わう。西島さんが、晴美さんへの感謝の気持ちを訊くと「もちろん、あります」と答える寛さん。しかし、店での夫婦喧嘩はしょっちゅうで、常連さんには周知のこと。「お客さんの前で暴言を吐くんですよ。“馬鹿野郎!”って、私に。8年の間に、泣いて三回帰りましたよ」と愚痴る晴美さん。そこで、きたろうさんが「“馬鹿野郎”を“愛してる”って置き換えればいいんじゃない?」とアドバイス。これに納得した晴美さんの顔が、パッと明るくなる。この人柄がまた、お客さんを惹きつけるのだろう。「常連さんに、いいお言葉をいただいたんです。“毎日(この店で)飽きないんですか?”って訊いたら、“僕にとって、ここはお仕事をした後のご褒美なんですよ”って。いいお客様に恵まれたって、重々感謝してます。この店を作ったのは、私たちじゃないんですよ、お客様が作ってくれたんです」。酒と同じく、人でも酔わせる。まさにそんな一軒だ。

立呑ひろしの流儀
その壱
キャッシュオンでいつもニコニコ現金払い
「立呑ひろし」は、注文ごとにお金を支払うキャッシュオン方式。支払い用の小さなカゴに、お金を入れておけば、そこから注文分を引いてくれる。
その弐
まずはお店自慢の鬼平の玉子焼きを食らうべし!
グルメで知られる池波正太郎は、作品中に料理を登場させ、実に美味しそうに表現することでも知られる。この玉子焼きは、代表作『鬼平犯科帳』より。鬼平の玉子焼き300円(税込)
その参
ご主人おすすめ揚げ出し豆腐を食らうべし!
熱々で出される一皿には、豆腐だけでなく彩り豊かな野菜も。揚げ出し豆腐400円(税込)
その四
春の山菜天ぷらを食らうべし!
こごみ、ふきのとう、うど、菜の花といった春を呼ぶ食材のほか、ナス、パプリカ、みょうが、春菊などボリュームも満点。春の山菜天ぷら450円(税込・季節限定)
きたろうさんから、立呑ひろしへ贈る「愛の叫び」妻の云うことは何んでも聞きます。ヒロシです。———きたろう
「立呑ひろし」
住所
電話
営業時間
定休日
東京都北区中里2-2-1 1F
16:00〜24:00
03-5394-5168
日曜・祝日
  • ※ 掲載情報は番組放送時の内容となります。

ページトップへ