BS-TBS「〜癒・笑・涙・夢〜夕焼け酒場」 毎週土曜よる6:00〜6:30 BS-TBS 2017/06/10放送 #147 五十蔵

素材の鮮度にこだわる甥と一緒に谷中の自宅を改装して隠れ家酒場を始めた女将
池袋で開いていた酒場を谷中で再開

台東区の谷中、三崎坂は三遊亭円朝の「怪談牡丹灯籠」の舞台にもなった坂。そこから路地裏に入り、たどり着いたのは普通の民家を改装した趣ある一軒「五十蔵」。“隠れ家酒場”という言葉が、これほど似合う店もそうない。谷中に店を開いて14年のこの酒場を切り盛りするのは、女将の飯島志津子さん。そして調理場を担当するのは、女将の甥っ子、井翔太さん。常連さん達と焼酎ハイボールで乾杯したあと、まず訊いたのが「五十蔵」の読み方だ。「“いすくら”と読みます。ロシア語で、火花とかスパークとか、そういう意味なんですけど、それを当て字で」と女将さん。店名の意味が腑に落ちたところで、今度はオススメ料理を胃の腑に収めたい。

「まずはお刺身を」と、翔太さんが「タコの酢〆」「アオリイカ焼き霜造り」「関アジのたたき」を一皿づつ出してくれる。刺身の表面が乾かないように、という心遣いも嬉しいが、その一品一品に細かな仕事が施してある。丁寧な酢〆で旨味が口に広がるタコ。「いい香りがする。シャキシャキで美味しいですね。ものすごく歯ざわりがいい」と西島さんが褒めるアオリイカに、「これは新鮮だね」と、きたろうさんが唸る関アジ。“和食は材料が8割9割だと思っている”という翔太さん。20歳という若さで調理場を任された翔太さんだが、開業当時は苦労も多かったという。「小僧がね、築地に行ってもいいものを売ってくれないんですよ。“触るんじゃねぇ”って怒られて」。思うような材料が使えるようになるまで何年もかかったという。

「次は、会津からアスパラガスのいいのが入ってます。紫は生で召し上がっていただいて、ホワイトは蒸します」と翔太さん。まさに今が旬のアスパラガス。紫のアスパラガスはアクが少なく、西島さん曰く「シャキシャキで、爽やか」。ホワイトアスパラガスは重量感たっぷりの立派なもので、これまた絶品。素材を活かすシンプルな調理法が、これほど贅沢な味わいを生むことに、一同感激しきり。

伯母と甥だからこそ築ける良好な関係

女将が谷中で店を開くまでには歴史がある。「私が29歳の時、池袋でこの名前で店をやっていたんですよ。最初はコーヒー屋さんがいいと思っていたんだけど、妹たちが反対して。みんなお酒が好きだったから、それで一番下の妹と酒場を始めたの」。女将は37歳で一度お店を閉め、一般企業に就職。26年後、定年退職を機に実家を改装し、今度は次女の佑子さんと、その息子・翔太さんの3人で、ここ谷中に「五十蔵」を再開。「14年前に再開した時は、まだ池袋の常連さんが、まだまだ元気でしたしね」と女将は笑う。

次の料理は「鹿肉の薄切り焼き」。ジビエと聞いて大喜びの西島さんが、鹿肉に乗っているものを訊くと「山わさびを刻んだもの。それと青唐辛子です」と翔太さん。「最高!山わさびと青唐辛子で、相当パンチが効いてますね」と、初めて食べる味と食感、そしてお酒との相性の良さを褒める。さらに西島さんを喜ばせたのが最後の一品「鯛とトリ貝のしゃぶしゃぶ」。トリ貝をしゃぶしゃぶでいただくという珍しさもあるが、それを薬味など加えずに、あくまで素材のうまさで勝負するところがまた潔い。「これは素材に絶対の自信がないとできないですね。あぁ美味しい」「お腹いっぱいでも、これは入るね」と、2人の箸は止まらない。

伯母である女将と甥っ子の翔太さん、その人間関係を訊くと「母親とはね、よく喧嘩になるんですよ。伯母と母も喧嘩をしますけど、伯母と私は喧嘩をしたことないです」と翔太さん。「可愛いよ、妹の息子だもん。かわいくて、かわいくて」とは女将さん。親子ほど親密でもなく、女将と料理人ほど離れてもいない。その実にいい塩梅な関係が、この店の居心地をさらに良くしているようだ。

五十蔵の流儀
その壱
まずは新鮮な旬の刺身を食すべし!
ボイルした後、酢に半日漬けた「タコの酢〆」、隠し包丁を入れ、軽く炙り青ゆずをかけた「アオリイカ焼き霜造り」、ネギと和えた「関アジのたたき」各1,500円(税別)
その弐
刺身は一品ずつ より新鮮な状態で提供!
一皿にたくさん盛って出すと、食べる前に刺身の表面が乾いてしまうので、五十蔵では一品ずつ刺身を出す。
その参
旬の野菜アスパラガスを食べ比べするべし!
薄切りにして赤酢、塩、ブラックペッパーで和えた「紫アスパラの赤酢和え」と、重量感ある「蒸しホワイトアスパラ」各700円(税別)
その四
国産の天然ジビエを食すべし!
塩を入れた日本酒で一晩寝かせ、直火で焼いた鹿肉を、醤油に漬けた山わさびと青唐辛子を薬味にしていただく。鹿肉の薄切り焼き2,000円(税別)
その伍
必ず新鮮な鯛とトリ貝をしゃぶしゃぶして食すべし!
かつお節と昆布で取った出汁に、厚みのある鯛の切り身とトリ貝をくぐらせていただく。鯛とトリ貝のしゃぶしゃぶ4,500円(2人前・税別)
きたろうさんから、五十蔵へ贈る「愛の叫び」住んでる家を店にするその心地よさ、味もバツグン———きたろう
「五十蔵」
住所
電話
営業時間
定休日
東京都台東区谷中3-2-24
03-5685-2247
17:00〜22:00
月曜、火曜
  • ※ 掲載情報は番組放送時の内容となります。

ページトップへ