BS-TBS「〜癒・笑・涙・夢〜夕焼け酒場」 毎週土曜よる6:00〜6:30 BS-TBS 2018/4/14放送 #185 桃の屋台

アパレルの仕事を転々とした男が再起をかけて33歳で酒場の世界へ 地元・市川で作り上げた人気酒場
30年間、店を支え続けた「ねぎワンタン」

「夕焼け酒場」の放送5年目突入と、きたろうさんの古希を祝って、千葉県の市川へ繰り出した一行。きたろうさんが生まれ育った地で、目指すは酒場「桃の屋台」。一杯入って陽気なご主人、桜井秀夫さんと女将のキク江さんに迎えられ、いつものように常連さんと今宵に乾杯! 最初の料理は「マグロの天トロ、中落ちのアンチョビソース」。「天トロ、柔らか〜い。すごく美味しい。これちょっと周りを炙ってあるんですね」と西島さん。さらに中落ちを食べて「ニンニクが効いていますね」、「これは焼酎ハイボールが進むな」と、ご主人の料理を褒める。

ご主人が料理の世界に入るには、前段がある。高校卒業後、アパレルメーカーで働いていたご主人。23歳で会社を立ち上げ、独立したものの3年後に倒産。その後もアパレル業界を転々としていたが、33歳の時に再起をかけ、飲食業界に転身することを決意。3年間の修行を経て、ここ市川にお店を開業した。「昔から一国一城の主と思っていたからね。飲むことが好き、料理が好き。それしかなかったから」。ご主人が市川出身と聞き、出身高校を訊ねたところ、きたろうさんと同じ国府台高校で、しかも同窓(昭和42年卒業)だという。「何組?」「4組」「名前は?」「桜井です」「わからないよ。同じクラスじゃないもん」なんて会話が弾んだところで次の一品へ。

「やっぱりうちは、ねぎワンタン。これは30年もやってんだ。これがなかったら、生きてこられなかった」という名物料理。スープかと思いきや、ワンタンの上にどっさりのシラガネギで、熱々の油が掛かっている。「こりゃウケるね。ワンタン好きにはたまらないもん!」と、きたろうさん。ワンタンにネギの歯ごたえ、油の甘み。この三位一体は、ありそうでなかなかない。

「他の酒場にはない料理を」と考えられた創作料理

次の料理もアイデアが光る創作料理「プレコロッケ」。名前どおりコロッケの前、揚げないコロッケは、「コロッケをやりたくなかったし、ポテトサラダもやりたくなかった」というご主人が考え出したもの。マッシュポテト、豚と牛の合い挽き肉、タマネギ、キャベツを皿に盛り、ソースをかけてかき混ぜて食べると、あら不思議。コロッケの味がする。「あーいいなぁ。本当B級グルメって感じ」「なんて不思議なもの……。美味しい!」と、きたろうさんも西島さんもびっくり。と、ここで国府台高校時代からのきたろうさんの友人が登場。きたろうさんが窓ガラスに激突し、無傷だった話や、初恋話に花が咲く。地元で酒を挟んでの旧友交歓は、あっという間に時計の針を巻き戻していく。さらにもう一品、ご主人自慢の「カキフライのトルティーヤ巻き」をいただいて舌鼓。パリパリの野菜と、ジューシーなカキフライをトルティーヤで巻くと、洋風に仕上がって実に美味しい。

最後の一品は「ネギトロ漁師ずし」。しかし、ご主人の作る〆だけに、ただの一品では終わらない。まず見た目が普通の軍艦巻きではない。竹を割った器に茶飯の寿司飯を入れ、その上にネギトロがたっぷり乗っている。「軍艦でやるのは大変だから、早く出すために考えたの」とご主人は言うが、これは見事なアイデア勝ち。「見た目も面白くって、思わず箸がいくよね」とは、きたろうさん。“人と違うことをやる”というご主人の哲学に、きたろうさんは「これは国府台高校気質だよ。人と同じことをやりたくないって、絶えず思っているんだよ」と言う。いつものように、ご主人にとっての酒場とは? と訊くと、于武陵(うぶりょう)の詩「勧酒(かんしゅ)」の一節をそらんじるご主人。

唐の時代の五言絶句に込められた、友との別れ。そして、そんな時だからこそ、こうして酒を交わしこの時を楽しもう、という思い。旧友と再会した今宵に、これほど沁みる詩は、他にない……。

桃の屋台の流儀
その壱
まずはマグロの天トロと中落ちのアンチョビソースを食すべし!
希少部位の天トロの表面を軽く炙った、天トロ(マグロの脳天)780円。自家製アンチョビソースが絶品、マグロ中落ちアンチョビソース630円(共に税別)
その弐
お店の名物メニューねぎワンタンを食すべし!
塩、コショウ、ショウガで味付けした豚バラミンチを包んだ自家製ワンタン。これを強火で4分茹で、シラガネギに熱々の油をかけて旨味を引き出す。ねぎワンタン470円(税別)
その参
ご主人考案の人気メニュー プレコロッケを食すべし!
マッシュポテト、豚と牛の合い挽き肉、タマネギ、キャベツがさらに盛られ、ソースを適量かけて混ぜ合わせていただく。プレコロッケ480円(税別)
その四
ご主人の創作料理 カキフライのトルティーヤ巻きを食すべし!
カキフライと野菜(キャベツ、サニーレタス、水菜など)をトルティーヤで巻いた一品。カキフライのトルティーヤ巻き630円(税別)
その伍
〆には必ず茶飯を使ったネギトロ寿司を食すべし!
わさびと醤油で味付けしたネギトロを、酢を合わせた茶飯に乗せ、竹を割った器でいただく。ネギトロ漁師ずし650円(税別)
きたろうさんから、桃の屋台へ贈る「愛の叫び」 自由な校風が味に生かされてる オヤジ飲みすぎ ―――きたろう
桃の屋台
住所

電話
営業時間

定休日
千葉県市川市新田4-17-21
トーヨーハイツ1階
047-379-2040
月〜土曜 18:00〜24:00、
日曜・祝日 18:00〜23:00
月曜
  • ※ 掲載情報は番組放送時の内容となります。

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