BS-TBS「〜癒・笑・涙・夢〜夕焼け酒場」 毎週土曜よる6:00〜6:30 BS-TBS 2015/9/12放送 #64 かね将

美味しいものを出したい!その日々の思いの積み重ねが繁盛店への道に通じる
酒場激戦区、五反田の人気店

赤提灯が灯ると同時に常連客で埋まる、五反田にこの店ありと知られる「焼とん酒場 かね将」。看板に焼とん酒場と書かれているが、メニューはモツ焼きからお刺身までなんでもござれ。その一つひとつが安くてうまいと、評判の店だ。焼酎ハイボールをお願いすると、焼酎と氷がそれぞれ入ったグラスが出てきて「自分の好みで割ってください」と、ご主人の金子章治さん。きたろうさんは「自分の加減で出来るんだ。じゃあ濃いめで」と、ソーダで割り、今宵も常連さんと乾杯!

最初の一品は、自慢の牛ハラミとしま腸の串焼き。「ハラミ、美味しいですよね。脂もギュッと詰まってる感じ」と西島さんが言えば、「しま腸もすごい風味だよ。これは焼酎がすすむなぁ」と、きたろうさんも褒める。芝浦の市場で仕入れた新鮮なモツは、ご主人の修業先から受け継いだ絶品のタレで焼かれている。「もうなくなっちゃったんですけど、大学生の頃からバイトしてたモツ焼き屋さんのタレなんです。就職する時に“サラリーマンより独立できそうな(客商売の)方がいい”と、こういう商売に入ったんです」。当時の親方・桑原昭平さんは、懸命に働くご主人を息子のように可愛がり、料理や接客など様々な事を教えてくれた。そして5年後、若干28歳にして五反田に念願の店を開業した。

次のおつまみは、ご主人が自ら築地で仕入れたお刺身。きたろうさんが「臭みが無いよ!」と驚いた、たっぷり脂の乗ったいわしのたたきに、「う〜んコリコリで脂が乗ってる。このシマアジちゃん」と、西島さんを笑顔にさせた刺身。どちらも新鮮かつ目利き確かな素材で、専門店にも負けない一品だ。「近くに親方の店もあったので、同じメニューだと商売にならないから、築地に通ってレパートリーを広げました。でも魚がさばけなくて、知り合いの店で“教えて”ってお願いしたり。あとは自分で買ってきては練習しました」。そうした、たゆまぬ努力を積み重ねることで、徐々に常連客が増えていった。

 
400円前後の一品で気兼ねなく楽しんでもらう

「次は朝に活け締めした鯛の頭がありますので」と、ご主人が出してくれたのは鯛の潮汁。鯛の出汁を活かすため、味付けは塩とお酒のみ。「贅沢な出汁の色ですねぇ、この琥珀色。さっぱりといけますよ。ちょっとバテ気味の体にいいかも」と、西島さんが表情がほっこりと和む。キビキビと働く従業員に、ご主人のことを訊くと「一番早く店に来て、一番遅く帰るんです。偉いですよ」と言う。ご主人は朝の8時には店を出て、築地で仕入れ。10時には店に帰り、仕込みを始めている従業員達と合流する。「夜はお休みなんですが、僕が築地に行ってる間に妻が仕込みを始めるんです。実は妻がフィリピンの人で……」と照れるご主人に、きたろうさんがすかさず「じゃあ優しくて働き者だ」と言うと、「頑張って働いてくれます。助かってますけど、怖いですよ」と笑う。

最後の一品は、奥さんが作った牛スジのトマト煮込み。ホロホロに柔らかい牛スジ肉とトマトの相性は抜群で、大衆酒場とは思えぬ本格洋風料理。フィリピン料理には、スペイン料理がベースになっているメニューがたくさんあり、これもそのアレンジなのだとか。「美味しいです。なかなか出会えない味。これは奥さんにありがとうですよね」と、西島さんはすっかりお気に入りの様子だ。

大衆酒場の多い五反田で、繁盛している理由を訊くと「自分のこだわりじゃないけれど、美味しい物を出したいという思い。そういう思いの積み重ねなんだよね。あと親方がね“安売りの薄利多売を守らないと、ズレていっちゃうぞ”と。“頭を使って目先の儲けを追いかけるな、馬鹿になんないとダメだ”って。だから料理は基本的に500円以下。400円前後で一品が収まるメニューばかりなんです」。素晴らしい親方との出会いを受け、ご主人は自分の体を動かし、教えを乞い、繁盛店を作った。そして今、ご主人はその働きぶりを通して、従業員達に客商売に大事なことを伝えている。

かね将の流儀
その壱

氷の入ったコップと焼酎の入ったコップが出され、これを自分好みの濃さにして飲むのが、この店の流儀。340円(税別)
その弐

芝浦にある東京食肉市場から仕入れた素材は新鮮そのもの。ハラミ串焼350円、しま腸焼200円(共に税別)
その参

毎朝、ご主人が築地で仕入れる鮮魚は、刺身で食べるのが一番! いわしのたたき300円、シマアジの刺身400円(共に税別)
その四

鯛から出る出汁に、塩と酒のみを加えた潮汁は、上品かつ滋味深い味。鯛の潮汁380円(税別)
その五

店を繁盛させるには、日々美味しい物を出したいと努力する地道さが重要。
その六

フィリピン出身の奥さんが作る牛スジトマト煮(420円・税別)は、スペイン料理がベース。大衆酒場の意外な一品。
きたろうさんから、かね将へ贈る「愛の叫び」 かね将の人気の理由が分かった。国際結婚!! ———きたろう
「焼とん酒場 かね将」
住所
電話
営業時間

定休日
東京都品川区西五反田2−6−1
03-3495-4677
月〜土曜16:30〜23:30
日祝16:30〜22:30
年末年始
  • ※ 掲載情報は番組放送時の内容となります。

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