BS-TBS「〜癒・笑・涙・夢〜夕焼け酒場」 毎週土曜よる6:00〜6:30 BS-TBS 2015/10/17放送 #69 魚秀

日本一魚が美味い店を目指し自ら漁に出かけ仕入れる若き大将の迷いなき“魚”愛
最も新鮮な魚を求め、漁に出た大将

「もう魚の匂いがするねぇ、きっと魚にうるさい店ですよ」と、吉祥寺の街を歩きながら、きたろうさんと西島さんがたどり着いたのは、かがまないと頭をぶつけるほど入口が低い酒場「魚秀」。店に入ると、目の前で備長炭が赤々といこり、串刺しの魚がいい塩梅に焼けている。「これはお洒落な造りだなぁ。茶室みたいだねぇ」「いい匂いがする!ニャンコが来ちゃうよ」と、期待値が上がる2人。店を切り盛りするのは大将、満留秀人さん。39歳とまだ若く「若いねぇ、苦労が足りないんじゃない?」と、きたろうさんに冷やかされるが、創業6年目でこの繁盛ぶりは立派。早速、焼酎ハイボールで常連さんと乾杯し、自慢の刺身をいただく事に。

「美味しいところを切りましょう」と、大将が出してくれたのは魚津のぼたん海老、若狭の甘鯛、天草の真鯛、青森の鰯に白バイ貝。日本全国の魚介が、一皿に集結。その贅沢さもさることながら、そのひとつひとつが美味しい事!「鰯が旨い。脂がのってるよ!」「ボタン海老もしつこくなくて、さっぱり」「もう食べ過ぎちゃうよ。箸置きに箸を置く暇がない」「甘鯛のしっとり加減がスゴイ!これはノックアウトされちゃった!」と、2人は大興奮。これだけの魚を出すには、仕入れも相当に大変なはず。「やっぱり全国にネットワークを作らないと。仕入れ先が1、2カ所では、とてもじゃないけど足りません。あと、僕は漁もやるんで」と大将。閉店後、天気の良い日には大磯まで定置網漁に出掛けるのだという。新鮮な魚をどこよりも早く仕入れるのはもちろん、漁師から魚の知識を得るのも大きな目的。さらには旬の魚を求め、日本各地の漁港に出向き、漁を手伝いながら最高の魚を追い求めているという。「魚で日本一を目指しています。日本で一番ということは、世界で一番ということ。世界で一番魚が旨いのは日本ですから」。その意気込みと行動力があって初めて、この絶品刺身盛り合わせは実現するのだ。

 
舌の肥えた客が多いからこそ吉祥寺で勝負

「炭火で焼いた魚が食べたいなぁ!」と、きたろうさんが入口の真っ赤な備長炭を指差してリクエストすると、「じゃあ、甘鯛の松笠焼きが珍しいと思うので」と大将。笠松焼きとは、まず熱い油で魚の鱗を逆立たせ、そのまま炭火で焼く日本料理の手法。姿の良い伊賀焼きの皿で出てきた甘鯛は、パリッと焼き上がった鱗と一緒にいただく。「初めての食感です。このサクサクがおいしい!」と西島さん。刺身での甘鯛のしっとり感と、焼き物での繊細な身の味。一つの素材から全く違った味を創造する大将の腕は確かだ。

魚をメインにした店を持ちたいと考えていた大将は、魚の卸売会社に就職し、11年間の修業を積んだ。「女房と結婚したのも早くて、22歳で結婚しました。その時から女房がお金を貯めてくれまして……。吉祥寺でお店をやる事は、最初から決めていました。吉祥寺のお客さんは、舌が肥えています。美味しい物を知っているお客さんなら、うちの魚が他の魚と違うことを分かってもらえますから。やりがいがありますよ」という。「心が折れそうになる瞬間は無かったですか?」と、西島さんがこれまでの苦労を訊くと「一回折れて、そこから這い上がってきた奴が強いって言いますけど、折れてる時間なんかあるのかなぁと思うんですよね。苦労なんて全部、想像の範疇です」と自信に満ちた大将の答え。これにはきたろうさんも、一本取られたとばかりに思わず笑い「若いくせにさぁ、言う事が生意気だよ。この十年後も見てみたいよ」と、きたろう流のエールを送る。

最後の一品は北陸で獲れた、のどぐろの煮付け。魚本来の味を活かすため、季節によって味付けを変えるという煮付けは、大将の腕の見せどころ。「うわ〜、おいしいです。甘すぎず、絶妙ですね味付けが」と西島さん。店に、漁に、と魚漬けの生活を送る大将に、趣味を訊くと「最近だとダイビングですかね。あとは水族館に行ったり。休みの日は水族館に行って、あちこちの年間パスポートを買うのが……」と、どこまでも魚漬けの生活。魚が好きで好きで、そのための労は苦でもない。そんな心から魚を愛する大将が、日本一、いや世界一を目指す道のりに付き合うなら、今すぐ吉祥寺に通い詰めるべしだ。

魚秀の流儀
その壱

日本全国の港から届けられた、自慢の魚の盛り合わせ。鮮度にこだわる大将の自信溢れる一皿。刺身盛り合わせ1,580円〜(税別/仕入れにより価格、内容は異なる)
その弐

備長炭で焼き上げられた、高級魚の甘鯛。この値段で、この立派な甘鯛を食べられる店は希少。若狭産甘鯛の松笠焼き1,380円〜(税別/仕入れにより価格内容は異なる)
その参

煮付けに最高の魚のどぐろ。濃厚な魚の旨味がたまらない。金沢産のどぐろの煮付け2,380円〜(税別/仕入れにより価格は異なる)
きたろうさんから、魚秀へ贈る「愛の叫び」 魚に魅せられた吉祥寺の出世魚 魚秀———きたろう
「魚秀」
住所
電話
営業時間
定休日
東京都武蔵野市吉祥寺本町1−23−6
0422-22-1233
17:30〜25:00
不定休
  • ※ 掲載情報は番組放送時の内容となります。

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