BS-TBS「〜癒・笑・涙・夢〜夕焼け酒場」 毎週土曜よる6:00〜6:30 BS-TBS 2015/12/19放送 #78 其ノ田水産

店を諦めたご主人に再び火をつけた北海の漁師と直送海鮮
豪快!北海の幸を詰め込んだ舟盛り

安産祈願で有名な水天宮の街の一角、ビルの2階に北海の幸を存分に味わえる酒場「其ノ田水産」がある。腕を振るうのは其田さん、ではなく作田昌久さん。いつものように焼酎ハイボールで常連さんと乾杯し、きたろうさんが訊く。「大将は作田さんなのに、どうして店の名前は其ノ田なの?」。「北海道の漁師で、其田猛さんという方が、自分の釣った魚を東京で食べてもらいたいという夢をもっておられまして。自分の釣ったものだから絶対の自信があるって、情熱的でね。そこから魚を仕入れてるんです」と、物腰柔らかい大将。「漁師さんの名前をもらって、其ノ田にしたんだ。喜んだでしょう其田さん」と、きたろうさんが言うと「夢が叶ったって、すごく喜ばれました。無口な方ですが、“頑張れよ!”って励ましの電話を、よくいただきました」。北海道の内浦湾に面する森漁港を拠点にしていた其田さん。彼と大将の出会いは、“新鮮で美味しい魚を安く食べてもらいたい”という気持ちが重なる、奇跡の出会いだった。

北海の幸とくれば、やはり刺し身を食べないと始まらない。自慢の刺し盛り5種が登場するや「舟盛りで来ちゃった!すごーい」と、西島さんが歓声を上げる。「これで5種盛り。こちらが自慢の水ダコです。あとおまけで北海道のブリと、ホッケとサンマです」とボリュームたっぷり。「やっぱり青身のニシンから。う〜ん、うまいね」「ニシンってこんなに味が濃かったかしら?ホッケのお刺し身って珍しいですよね。美味しい!」「水ダコがきれいだよ。透き通ってるもの」と、箸が止まらない。そして、それにしても量が多い。この時、これが後ほどのお楽しみになるとは思いもしない……。

次のお勧めは、ホッケの一夜干し。其田さんの奥さんが手作りする一夜干しは、脂の乗りが違う。期待して待つ2人の前に登場したのは、思わず「うわ、すごい」と驚くほど大きなホッケ。箸でつまむとホロっと身がほぐれ、ホクホクと湯気が立つ。「刺身とは違うね。干すと、なぜこんなに旨味が出るんだろうね。ホッとするよ、温かくて」と、きたろうさん。すっかり北海の味に魅せられたようだ。

生きたイカを一匹まるごと味わい尽くす

大将の作田さんは、三代続く寿司屋の長男として産まれ育った。しかし大将が選んだのは、洋食の道。父が病に倒れたのを機に実家の寿司屋を継ぐが、ビルの建て替えと同時に寿司屋を閉店。常連さんには叱られたというが、もう自分の店は持たないという覚悟のうえだった。そんな時に知人を介して出会ったのが其田猛さんだった。彼の情熱に動かされ、平成22年にお店を開業した。

この店の鮮度を象徴するのが活イカ。朝捕れのイカを、生きたまま函館から直送している。きたろうさんが「生きてるの?」と突つくとピュッと動く、そのイキの良さは一目瞭然。さばかれて手桶に入って出てきた造りは、まだ動いているほど。「これは気分が盛り上がる。高まるぅ〜!」と、西島さんの気分も最高潮。コリッコリの食感を楽しんだ後は、イカゲソを天ぷらで。「もうブリブリだよ。こんなに弾力のあるゲソ、なかなか食べられないよ。味が濃いもん」と、一匹丸ごと堪能しつくす2人。

最後の一品は、最初の刺し盛りを使った、オリジナル海鮮茶漬け。ご飯と薬味、出汁のセットを手に「お好きなお刺身をのっけて、熱い出汁をかけて下さい」と大将。「まぁ嬉しい、どうしよう。ニシンを入れてみようかな?うわ〜この圧倒的なビジュアル。これを見てテンションの上がらない人いるのかな」と西島さん。出汁でワサビを溶かして掻きこめば、まさに至福!

実は、残念ながら漁師の其田猛さんは、一昨年に他界。しかし息子さんが跡を継ぎ、今に至っている。お店の一角には、店を見守るかのような其田さんの写真。大将が一度は諦めた道に、再び光を灯した漁師の夢。その出会いの光は、代が変わっても、酒場を明るく照らしている。

其ノ田水産の流儀
その壱

北海道からの入荷にあわせ、メニューは毎日手書きで書きかえられる。
その弐

ニシン、秋鮭、青ツブ貝、あぶらこ昆布〆、水ダコの五種盛りと、おまけの3種の刺し身。このボリュームでこの値段はオトク!其ノ田の刺し盛り5種2,500円(税別)
その参

其田さんの奥さんお手製、大きさにより値段が変わる自家製の一夜干し。自家製真ホッケ一夜干し1,980円〜(税別)
その四

北海道から生きたまま直送されたイカは、刺身にしても透き通ったままで、歯ごたえも最高。朝捕れ活イカ2,980円(税別)
その五

活けイカのゲソは、刺し身で食べてもいいが、塩焼きか天ぷらで食べることもできる。
その六

刺し盛りの刺身をご飯にのせて、わさびとネギを添え、熱い出汁をかけていただく海鮮茶漬け。海鮮お茶漬けセット300円(税別)
きたろうさんから、其ノ田水産へ贈る「愛の叫び」 シャイな大将 其田さんとめぐりあって良かったネ———きたろう
「其ノ田水産」
住所
電話
営業時間

定休日
東京都中央区日本橋蠣殻町1−29−7 2階
03-6661-6153
月〜金曜11:30〜14:00、17:00〜23:30
土曜17:00〜23:30
日曜、祝日
  • ※ 掲載情報は番組放送時の内容となります。

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