BS-TBS「〜癒・笑・涙・夢〜夕焼け酒場」 毎週土曜よる6:00〜6:30 BS-TBS 2016/6/ 25放送 #103 家庭料理 久慈川

3カ月のお手伝いのはずが33年 脱サラした父と店を盛り立て 今日もほっこり、家庭料理で客をもてなす
“毎度おなじみ”の絶品おやじの大皿料理たち

渋いデニムの暖簾をくぐると、店がパッと明るくなるような笑顔の女将・阿部理香さんが迎えてくれる。カウンターの中で料理を作り、ちゃきちゃきとお客さんの相手をする“理香ちゃん”に、焼酎ハイボールをお願いして、まずは今宵に乾杯! 34年目を迎える「久慈川」の、人気の秘密は大皿おばんざいの数々。「おすすめは、なす味噌炒めと牛肉の肉じゃがと塩味のモツ煮込み。わかめ炒めとおから、きんぴらごぼうに、きゃらぶきとマカロニサラダ」と説明してくれる理香ちゃんに、これ全部作るの?と訊けば「これはね、うちのお父さんが作ってくれる。だから“オヤジの大皿”」。やりとりを聞きながら、きたろうさんの隣で笑っている方こそ、理香ちゃんのお父さんこと信夫さん。45歳で脱サラし、娘とお店を開業したが、8年前に体調を崩し、お店に立てなくなってしまった。しかし娘のため、お客さんのため、開店前の仕込みやおばんざいを作っている。大好きなマカロニサラダを、美味しそうに食べるきたろうさんに、「(最初は)3カ月だけ手伝うよって話が、楽しくなって33年になっちゃった」という理香ちゃんの笑顔がはじける。

次のオススメは「納豆オムレツ」。お母さんが、お父さんの晩酌のために作ってあげるような素朴なオムレツが登場すると「うぉ〜、ケチャップ乗ってるモン! これ、ケチャップでお魚を書いてない?」と喜ぶ西島さん。納豆の旨みに絡む卵とケチャップ。「これ美味しい、一気に食べちゃう」と、西島さんがパクパク。箸が止まらないふたりの前に、次に登場したのは「ホタルイカと枝豆のかき揚げ」。その組み合わせだけで「うまそう!」と声が上がるこのおつまみは、理香ちゃんの新作。「ふわふわで美味しいですよね」「うまい。食べてるうちに味が出てくるみたいな。優しいね、家庭料理っていいね」と、ほっこり和むふたり。料理に接客、理香ちゃん一人では大変そうだが「幸いなことにね、お客さんみんな、理香の言うことを聞くんです」と、お父さん。横にいた常連さんも「たまーに、自分が体調を崩した時に、おじやを食べたいなと思うと、電話を入れて“作っといて”って」とお願いするという。そんなお客さんも多く「老人介護居酒屋みたい」と、またまた理香ちゃんの笑顔がはじける。

全てを理解して資金を出してくれたお母さん

「久慈川」を始めたきっかけは、母・恵美子さんの「店を営業できるだけのお金は貯めてあるから、ふたりでやってみな」という一言からだったという。「カミさんはカメラマンなんですよ。ああいう写真を撮ってたの」とお父さんが指差したのは、若き日の理香ちゃんと子供の仲睦まじそうな写真。「どれが理香ちゃん? え、かわいいじゃん。同じ人?」と、きたろうさんが意地悪を言うと「時は残酷なもので……」と理香ちゃん。5年前に病に倒れ、現在療養中というお母さんに「感謝しかないですね」と、お父さんも理香ちゃんも口をそろえる。

最後に“これだけは食べろ”のメニューをお願いすると、グラタンのような見た目の「にんにく豆腐」が登場。「にんにくのスライスが、めちゃくちゃ乗ってる!」という西島さんに、「だから、お客さんに出すときは“明日大丈夫?”って聞くの」と理香ちゃん。淡白な豆腐をパンチのある一品にしているのは、にんにくとマヨネーズ。決して凝ったものではないが、気が利いていてお酒のつまみにピッタリ。理香ちゃんに恒例の“酒場とは?”という質問をすると、「やっぱり、人に会いたいんですよね、みんな。人とお話ししたいんですよ。プラス美味しいお酒があって、美味しい料理があって……っていったら最高ですよね」。「お客さん同士でも会いたいし、理香ちゃんにも会いたいし……、ということだね」と、きたろうさんが言うと、「私でいいんだか、そこだけよく分かんないですけどね」と笑う理香ちゃんの顔は、何より魅力的に見えた。

家庭料理 久慈川の流儀
その壱

店に立つことができなくなったお父さんが、お客さんと娘のために毎日仕込む、名物の大皿料理たち。マカロニサラダ500円、塩味煮込み500円(共に税込)
その弐

その時の気分次第で、ケチャップの絵が変わるオムレツ。シンプルだが、納豆がたっぷりで人気高し。納豆オムレツ500円(税込)
その参

合わせ塩、コショウ、出汁で味付けしたかき揚げ。表面が程よくきつね色になるまで3〜4分揚げる。ホタルイカと枝豆のかき揚げ700円(税込)
その四

きたろうさんが「つまみとして完璧!」と太鼓判を押したアイデア料理。にんにく豆腐500円(税込)
きたろうさんから、家庭料理 久慈川へ贈る「愛の叫び」母を想う父と娘の気持が、久慈川———きたろう
「家庭料理 久慈川」
住所

電話
営業時間
定休日
東京都目黒区鷹番3−3−10
第5エスペランス101
03-3793-9661
18:30〜24:00
火曜日
  • ※ 掲載情報は番組放送時の内容となります。

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