BS-TBS「〜癒・笑・涙・夢〜夕焼け酒場」 毎週土曜よる6:00〜6:30 BS-TBS 2016/8/20放送 #108 つず久

修行した店の数は16軒!大将が腕をふるう料理の数だけ ダジャレも飛び交う!
修行先の味を次々と自分のものにする

黄色い暖簾をくぐると、さっぱりと頭を剃り上げた大将が迎えてくれる。東京・曙橋で32年目を迎える「つず久」の大将・樋口作三さんは威勢が良く、江戸っ子かと思わせるが、実は新潟の出身。早速、焼酎ハイボールで常連さんと一緒に「今宵にカンパイ!」。そこで大将が「はーい、お通し。年齢に関係なく出ますよ。おとうし(お年)だから」。おからのお通し(300円・税別)は美味しいのだが、このダジャレには一同「……」。

気を取り直し、最初のおすすめをお願いすると、「これがうちの一般的なお刺身」と、大きな角皿に12種の海の幸が乗った、見た目にも美しい刺し盛が登場。中とろを食べたきたろうさんが「身が厚いんだよ、けち臭くない。どこで仕入れたの?」と聞くと「海だね」。西島さんが「この貝は何ですか?」と聞くと「平貝。平浩二、バスストップですね」。大将は、万事がこの調子。しびれを切らしたきたろうさんが「これから20分シャレを言わないでみて。シャレ言ったら100円ずつ引いてもらうよ」と言い渡す。こりゃ危ないと笑う大将だが、その包丁の腕は確か。大将は中学卒業後、新潟から上京し料理の世界へ。修行はお蕎麦屋さんにはじまり、寿司店、日本料理店、焼き鳥店、ふぐ料理店、旅館の板前など32歳で独立するまで、なんと16店舗に及んだという。「親方の特技を覚えたら次の店に行っちゃう。一生親方についていくのも修行だけど、そうじゃない道もある」。その人生哲学のせいか、大将の作るオリジナル料理は実に幅広い。

辛さに涙が止まらない、箸も止まらない

次のおすすめがまたボリュームたっぷり。玉子を5つも使った卵焼きを取り出して「中にはイクラも入ってます。いくら(=イクラ)も入ってませんが」と大将。“しょうゆをかけずにそのままで?”と聞くと「そのまんまGO(=郷)ひろみです」とダジャレが止まらない。「普通の玉子焼じゃないわ。これはおつまみだね」「甘い!でもダシの味がちゃんとする」と、ふたりは大絶賛。大将は「この玉子焼はウチのコレなんですよ」と、目を軽く叩き、「名物(=目をぶつ)です」。呆れ顔のふたりに、大将は「僕の目の前に座るからですよ。これが嫌なお客さんは、入り口近くに座りますから」。これには一同大笑い。「大将、お祭り好きでしょう?」と、きたろうさんが訊くと、待ってましたとばかりに神輿の写真を指し「これ、僕個人のお神輿ですわ」と衝撃の発言。カウンターで大将と一緒に接客する次女の由美子さんは「ある日突然買ってきたんです。『神輿買ってきたんだぁ』って。家族全員ポカーンですよ」。借金をして買った神輿を、地元の有志やボランティアと担ぐのだという。由美子さん曰く「クレイジーです」。いやまったく、驚くべき祭り好きだ。

次はまだどこもやってない、もずくのしゃぶしゃぶ」と、大将が言うと、小さな火鉢に貝殻の鍋が登場。これで北海道産の岩もずくをしゃぶしゃぶしてポン酢でいただく。「これを食べると、明日お肌がもう……」とOKマークを出す大将。それに目を輝かせ「肌ツルツル?」と西島さん。「うまいね、これテレビでオンエアしたら真似されるよ」というきたろうさんの心配をよそに、ふたりの美味しそうな顔に満足気な大将。そして最後のシメに“この一品があるから店が続いた”という「わさびめし」が登場。「北海道でしか取れない山わさびを、炊き立てのご飯にたっぷりとまぶしていただきます」という言葉に従うふたりに、「もっと!もっと入れてください」と由美子さん。そこにしょうゆをかけ、よくかき混ぜて海苔をかけて掻き込むと……。きたろうさんは苦悶の顔になり、西島さんはケホケホ蒸せ返る。「拷問だよ、拷問だけど美味い」「これで店が続いたというの分かる、ケホ」。強烈!しかし一度食べれば必ずもう一度食べたくなる、これぞやみつきの一品だ。

最後に大将の夢を聞くと「夢?あるんだよねぇ。年に一回、障がい者の子供たちに神輿を担がせてるの。僕たちはその補助をするんだけど、終わった後に飲み会をやるんですよ。それで半纏の背中のところを見るとね、子供たちのよだれの線がついてんの。それが勲章なんだ。今度ね、東京でパラリンピックがあるでしょ。そこでね、子供たちにあのお神輿を担がせたいんだ」。街の飲み屋の大将の夢は、壮大で温かい。その温かさを知っているからこそ、今夜も美味い料理を目当てに常連さんが集まってくるのだ。少々のダジャレには目をつむって……。

つず久の流儀
その壱

この日の旬の刺身12点盛りの内容は、平貝、えび、数の子、かんぱち、酢だこ、かつお、中とろ、いか、真だこ、まぐろ赤身、あじ、ホタテ。宝盛り4,000円(2人前・税別)
その弐

子供時代、兄弟3人でひとつの玉子を分け合ったという大将が、玉子を贅沢に5つも使用。玉子焼500円(税別)
その参

しゃぶしゃぶのもずくは青森県産岩もずくを使用。これを貝の鍋でしゃぶしゃぶしてポン酢でいただく。もずくのしゃぶしゃぶ1,500円(税別)
その四

北海道網走産山わさびを擦り下ろし、驚くほどにご飯にのせ、醤油を回しかけて海苔と一緒に食べる。その味は強烈だが、クセになること間違いなし。元祖わさびめし500円(税別)
きたろうさんから、つず久へ贈る「愛の叫び」大将のダジャレにワサビの味が欲しい ワッショイワッショイ———きたろう
「つず久」
住所
電話
営業時間
定休日
東京都新宿区市谷柳町8
03-3268-6467
17:00〜23:00
日曜(日曜が祝日の場合は月曜)
  • ※ 掲載情報は番組放送時の内容となります。

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