BS-TBS「〜癒・笑・涙・夢〜夕焼け酒場」 毎週土曜よる6:00〜6:30 BS-TBS 2014/6/28放送 #11 ひげの平山

遊びで作った味が大評判になったレモン酎ハイ
苦労は家族みんなで乗り越えて今に伝える秘伝のタレと元祖レモン酎ハイの味

生鮮野菜に精肉店、婦人服の商店が軒を連ねる住吉銀座商店街。そのなかで青い看板がひときわ目立つ大衆酒場「ひげの平山」が、今回のお店。入り口から賑わう様子を覗いたきたろうさんは「お〜、いい感じで(お客さんが)入ってますよ」と、早くも名店センサーが反応している様子。店内に入り、タレの焼けるいい匂いに誘われるように「酎ハイ2つ!」とオーダーすると、二代目主人・平山大二郎さんから「元祖レモン酎ハイがあるんですけど、いかがですか?」とお誘いをうける。登場したレモン酎ハイは、レモンを絞った生ジュースが炭酸にはじかれて、爽やかな香りが広がる一杯。西島さんが「すっきりしてすごく飲み口がいいですね」と言うと、「45年前に、親父が飲みながら遊びで作ったお酒がレモン酎ハイなんです。それがお客さんの間で人気になっちゃて」と二代目。「今も本物のレモン使ってるの? 高くついちゃうんじゃない?」とイジワルな質問をするきたろうさんに、二代目は力強く笑って「大丈夫です!」と答える。1杯370円、「元祖」という伝説の味は、今も昔も庶民価格のままだ。

まず最初の一品としてオススメしてもらったのは煮物。こんにゃく、シメジ、昆布に大根など、どれも優しい味が染み込んでいるおふくろの味。「手作りの味ですね。煮物から始められるのが嬉しいです。これを作ったのは?」と西島さんが問うと、「私でぇす!」と陽気に手を挙げて、はにかむ女将の正枝さんの姿に、常連さんの間に自然と笑いが起こる。

タレに歴史あり、そして新鮮なモツに自信あり

お酒が入ったきたろうさんが「ひげの平山って、二代目はひげ生えてないじゃない」と聞くと、「店の由来は親父から……」と先代のご主人・忠成さんが登場し、詳細を話してくれた。「私の父親がね、カイゼル髭っていうのを生やしていたのと、自分に焼鳥のタレの事を教えてくれた三平師匠ってのが、すごい髭を生やしていたので屋号にしたんです。自分の顔には似合わないんですけど、それから自分でも生やし始めまして」と、白く染めた髭を撫でる。元々は炭屋を家業としていたが、時代の流れを感じ、焼き鳥屋を焼き始めた先代。しかし、焼き鳥屋の命であるタレを作るには時間がかかる。そんなとき、ひげの三平さんから貴重なタレを分けてもらい、その味を今も引き継いでいるのだという。その歴史を聞いて是非味わってみたいと、焼いてもらったのはシロ、レバーとハツ。焼きたての香ばしい串をハフハフと口にしたきたろうさんは、「うまい!」と唸り、西島さんは「これはちょっとやそっとで作れる味じゃないですね」と大絶賛。これぞまさに歴史の味。

特製の味噌をつけて食べる、新鮮さが命のガツ刺し(豚の胃袋/350円)など、この店はモツ料理のうまさでも知られ、なかでも必食のメニューが大衆酒場の定番、モツの煮込み。生産場から直送される素材を、じっくり時間をかけて煮込んだモツは、お箸で持った感じからして、ホワッホワッに柔らかい。口の中でとろけるようなモツの柔らかさと、濃厚な旨味に「もうあとちょっと煮込んだらとろけちゃうような感じだね。年寄りにはちょうどいいよ、この柔らかさ」ときたろうさんも大満足。

47年前に開店したこの店は、現在、二代目の大二郎さんと兄の浅一郎さんが調理場を仕切り、兄弟の母である正枝さんが女将として接客を担当している。「なんで兄弟で店を継ごうと思ったの?」と訊くきたろうさんに「42の時に、親父が大病しましてね」と二代目。しかしその二代目も3年前に大病を患って生死をさまよい、いつも陽気な女将が心配して「7キロぐらい痩せました」という。「みんなで(店を)やれる事がどんなに幸せかってことだよね。でもね、よくわかった。この店は女将さんが支えてるいんだよ」ときたろうさんが言うと、先代は「母ちゃんは良い女房です」と感謝する。これには常連さんも同意の拍手の渦。笑ってかぶりを振りつつ、涙をこらえる女将の姿に、思わずもう一杯飲みたいと思ったら、酸っぱいレモン酎ハイを……。

ひげの平山の流儀
その壱

お酒好きな先代が、遊び心で自分が飲むために作ったところ、大評判となった「生レモンハイボール」370円(税別)。
その弐

日替わりで入る素材が異なる煮物は、女将のお手製。きたろうさんが「味付けが見事」と褒める逸品だ。400円(税別)
その参

先代が40数年、師匠の三平さんが30数年と合計すれば70年以上の歴史を持つ秘伝のタレ。きたろうさんと西島さんが食べたシロ、レバー、ハツは各105円(税別)。
その四

西島さんが箸でも持ち上げたときの柔らかさに感激した「モツ煮込み」390円(税別)。
きたろうさんから、ひげの平山へ贈る「愛の叫び」 秘伝のたれは家族の絆  ———きたろう
「ひげの平山」
住所
電話
営業時間
定休日
東京都江東区住吉1−9−5
03−5624−0897
17:00〜24:00
日曜
  • ※ 掲載情報は番組放送時の内容となります。

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