BS-TBS「〜癒・笑・涙・夢〜夕焼け酒場」 毎週土曜よる6:00〜6:30 BS-TBS 2016/9/24放送 #112 モリタヤ酒店

主人が自ら改装して開いた大人の秘密基地 常連さんが“自分の冷蔵庫”と呼ぶ 角打酒場でいただく一杯
ひとつのテーブルを囲む角打スタイル

東京荒川区は南千住の住宅街。酒場などなさそうなエリアに、現れたのは街の酒屋さん。今回の酒場「モリタヤ酒店」は、店で好きな酒を買い、酒屋の隣のスペースで立ちながら飲む角打スタイル。元は昭和元年から続く老舗酒店で、三代目店主の森田繁さんが60歳を超えてから、実家の一部を改装して角打スペース「角打モリタヤ」を開いた。早速、タカラ「焼酎ハイボール」<ドライ>の缶を手に、移動すると「あらら、ちっちゃいよ。狭いじゃんよ、入れないよ」ときたろうさん。すでに常連さん6人でテーブルはいっぱいなのだが、「寄せて、寄せて」と場所を空けてくれる。すでに一杯入って、いい気分の常連さんと「今宵に乾杯」。

常連さんにどれくらいの頻度で通っているかを聞くと「まぁ、毎日“的”」、「じゃあ毎日だ」、「いや“的”」。その“的”のココロは、1日2回通うこともあるから。「じゃあ、ここは自分の部屋だね」と、きたろうさんが言うと「いや、ここは俺の冷蔵庫」と常連さん。その愛され方はハンパない。おつまみは角打定番のサンマやサバの缶詰が充実。なかには金華サバといったブランドサバの缶詰や、高級なカニ缶もある。さらには簡単な料理も用意。人気の「鶏皮」は、九州から仕入れたものを細く切った一品で、みんなでつついて食べるのにぴったり。

もともと小型船舶を製造する仕事に従事し、40歳を超えて実家の酒屋を継いだという三代目。角打を始めたきっかけを三代目はこう語る。「自分がお客さんと一緒に、世間話をしながら酒を楽しみたくて。あと仕入れのために、皆さんどんなお酒が好きか分かるし」。マーケティングというには熱が入っている。というのも角打スペースは、全て手作り。天井からは三代目がかつて乗っていたという自転車がぶら下がっている。その狭さも手伝って、子供の頃に胸を躍らせた“秘密基地”にいるような気分にさせる。

家族の支えがあってこそ続けられた酒場

やりたいことを実行する三代目を支えてくれたのは、2年前に亡くなった奥さん。山歩きを共に楽しむおしどり夫婦で、不満を口にすることもなく店に立ってくれた。そんな両親を見て育った娘の絵里子さんが、旦那さんの淳さんの同意を得て、夫婦で店を継ぐことを決意。「婿養子的な感じになってもよかったの?」と、四代目になる淳さんに聞くと「実家も商売をやってたんで、抵抗がないんですよ。お客さんと接するのも大好きだし」という。三代目はもちろん、この決断は常連さんにも朗報だったことだろう。

次のおつまみはさっぱりと「辛みそきゅうり」。ご主人が「自分のところでつけてるから美味しいです」と出してくれたきゅうりには、近くの寿司屋で分けてもらったという辛みそが付く。「青唐辛子っぽい辛さかな。これはやみつき」と西島さん。続いて出てきたのは「おでん」。大根、ちくわ、はんぺん、こんにゃく、昆布、卵などが入って250円(税込)というびっくりの安さ。しかも、しっかり味が染みて美味しいこと。これぞ角打の嬉しさ、楽しさ。

常連さんに囲まれて飲むきたろうさんが「お店を広げるつもりはないの?」と訊くと、「実は、秘密の部屋があるんですよ」と三代目。ならばと、その部屋を見せてもらうと、立派な囲炉裏部屋が。「これも全部日曜大工で作ったんです。飲み物だけ店で買っていただければ、自分たちで(持ち込んだ)魚を焼いたり、貝を焼いたりできます」と三代目。お客さんが喜んでくれるならという三代目の情熱に、一行は「ご主人は、意外とやり手だね」「アイデアマンですね」と感嘆。最後に常連客が必ず頼むという「豚のもつ煮込み」(300円・税込)をいただき、今日は〆。西島さんが「勘定をお願いします」と言うと、「(おつまみ)4品と(焼酎ハイボールが)3本入って1,410円です」。この驚きの値段に、酒好きなら“なぜこの店が近くにないのだろう”と悔しくなるはず。「これは通っちゃいますね」という西島さんの言葉に、誰もがうなずくに違いない。

モリタヤ酒店の流儀
その壱

酒屋(モリタヤ酒店)の隣に、倉庫を改造したスペース(角打モリタヤ)があり、そこで購入したお酒を飲むスタイル。
その弐

購入したお酒をそのまま缶で飲む人も多いため、グラスを使う人は申し出ること。
その参

日参する常連さんも多く、中には1日2回来るというお客さんも。そんな常連さんにとって、モリタヤ酒店は贅沢な冷蔵庫。
その四

多数のお客さんが、ひとつのテーブルを囲むため、何を食べ、飲んだか分からなくなってしまう。そこでお会計が混乱しないように、木札の番号で管理している。
その伍

九州のとある有名なところから仕入れているという一品。鶏皮350円(税込)
その六

船室の限られた空間をどう使うか。そのノウハウをもとに、ご主人が狭い倉庫を角打用スペースに改造した。
その七

自家製のきゅうり漬けに添えられたのが、近くのお寿司屋製の辛みそ。辛みそきゅうり150円(税込)
その八

ご主人が日曜大工で作った囲炉裏部屋は、3時間2,500円の使用料でレンタルできる。お酒は店で買わないといけないが、つまみは持ち込み可能。
きたろうさんから、モリタヤ酒店へ贈る「愛の叫び」下町の味方 大人の秘密基地ここにあり———きたろう
「モリタヤ酒店」
住所
電話
営業時間

定休日
東京都荒川区南千住6-17-5
03-3805-2805
月〜土曜10:00〜21:30、
日曜・祝日10:00〜21:00
不定
  • ※ 掲載情報は番組放送時の内容となります。

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