BS-TBS「〜癒・笑・涙・夢〜夕焼け酒場」 毎週土曜よる6:00〜6:30 BS-TBS 2016/10/1放送 #113 たかさごや

すすきのの酒場激戦区で 先代と客が作り上げた名店に惚れ込み 暖簾を味を守り続ける二代目
北海道の魚介を使った絶品料理の数々

東京からひとっ飛び。今回は北の大地・北海道のスペシャル編。きたろうさんと西島さんが今回訪れたのは、札幌の繁華街すすきのにある創業57年を迎える名店「高砂屋」。コの字カウンターの中で、店を切り盛りするのは、二代目主人の“塩さん”こと塩田秀敏さん。北海道の魚介類を使った自慢の料理をいただくべく、早速焼酎ハイボールで「今宵に乾杯!」。

お通しのいくら(450円・税別)に続いて出てきたのは、これぞ北海の幸ともいうべきツブ貝、ホッキ貝とソイの刺身3点盛り。ソイをつまんだ西島さんは「白身といっても、ほんのりピンクになっちゃって」とパクリ。「あ〜、最高の歯ごたえ。さっぱりだけど、旨味があるのがたまらない」と感激。ホッキ貝を食べたきたろうさんは「ホッキ貝は北国で食べなきゃだめだね」と満面の笑顔。続いてのつまみは「ししゃもを焼きます。オスなんですけど」とご主人。「普通はメスじゃないの?」と訝しがるきたろうさんに、北海道出身の西島さんは「私はオスの方が美味しいって習って育ちましたよ」と言う。普通のししゃもより一回り大きく、旨味も濃厚。そして何より「これはね、焼き方ですよ。家庭ではこんな風に焼けないもんね」と、きたろうさんが褒める。「家庭で焼けたら手間代もらえないですよ」と笑うご主人だが、その言葉の裏には先代からの教えと、日々の努力があった。

「普通にやる」という言葉の本当の意味

二代目が“父さん”“母さん”と呼ぶ先代夫婦が、店を開いたのは昭和35年のこと。いろんな店を見たなかで、二代目が自分が働くならココだと惚れ込んで、弟子入りしたのは22歳の時だった。「昔ながらの人だから、仕事は見て盗めだとか、できないならどっか行って聞いてこいだとか……。まぁ、料理教室じゃないですからね。よく“刺身を切る、焼く、こんなもんは二週間もあればできるよ”って言われました。だけど“自分で考え、自分で物を作り、自分で捌いたら、一生ものだ”と」。父さん以上のしっかりものだったという母さんからは、よく“普通のことしなさい”と言われたという。「僕は無愛想だし、何のサービスもできない。だから焼き物はちゃんと焼く。魚はちゃんとしたものを買う。ちゃんと物を揃えて出しなさいと」と、母さんの真意を教えてくれるご主人。きたろうさんは「普通にやるってのは、一生懸命やるって事なんだよね」としんみり。その働きを認められ、暖簾を受け継いだ二代目は、先代の言葉を今も守り続けている。

次の一品は西島さんの大好物、いかの内臓“いかごろ”を、ネギ味噌でホイル焼きにした一品。この最高にお酒が進む味に「ちょっと香ばしくなって食べやすい。味も馴染んでいておいしいですね。これは人気ありそう!」と、西島さんは終始ニッコニコ。最後の一品は、先代からの名物料理「ホッケの味噌漬け焼き」。半身にしたホッケを、特製味噌に二日間漬け込み、炭火でじっくり焼き上げたもので、こんがり焼き目がたまらない。「ホッケのもともとの味と、味噌がちょうどいい具合。最高ですね」とは西島さん。漁獲量が減り、値段が高くなってきているホッケだが、味噌で締められたこの身のうまさは、ほかでは味わえない、まさにここだけの味だ。

ご主人に“店を継がずに、自分の店を持つことを考えなかったか”を訊くと、「若い時はやっぱり、自分で店を持とうとみんな思うものじゃないですか。じゃあどんな店を作るかといったら、なかなかハードルが高かったですね。この店が昔から大好きなんで。それはお客さんを含めて大好きなんです。お店って、お客さんが作ってくれるところがあって、この店もやっぱり長年かけてお客さんが作り上げた店なんです。自分が独立してそんな店を作れるか考えた時、自信がなかったです」と語る。毎年、父さん母さんの墓参りを欠かさないというご主人に「酒場とは?」と問うと、「酒場とは、お酒を飲んで育ち、育て、育むところ」と、ご主人。迷いなく答えたその言葉に、この店の魅力がすべてが詰まっている。

たかさごやの流儀
その壱

北海道近海の新鮮な幸、ソイ、ホッキ貝、ツブ貝の3点盛り。刺身盛り950円(税別) ※内容は仕入れによって変更あり
その弐

作業や行程は覚えられても、そこから自分で考え、実行し、工夫していかないと「仕事」とは呼べない。
その参

センスとは最初から身についているものではなく、日々研鑽を積むことで生まれ、磨かれていく。
その四

ししゃもといえば、子持ちししゃものメスのことと思われているが、北海道では広く、オスの方がおいしいと言われている。ししゃも500円(2匹・税別)
その伍

普通とは、職人としてできる限りのことを行うこと。それを当たり前のように積み重ねることが大切だという教え。
その六

味噌、黄身、砂糖、みりんで味付けした、いかの内臓(ごろ)を、ネギと一緒にホイルで包んで焼いた一品。いかごろ包み焼き500円(税別)
その七

店の雰囲気を作る主役はお客様。常連さん、一見さんが作り上げる店の雰囲気が、その店の居心地の良さにつながる。
その八

特製味噌に二日間漬け込んだ半身のホッケ。これを遠めの炭火で、じっくりと焼き上げる。ホッケの味噌漬け焼き800円(税別)
きたろうさんから、たかさごやへ贈る「愛の叫び」父さん 母さん 塩さんは云われた通り、普通にやってますよ。———きたろう
「たかさごや」
住所
電話
営業時間
定休日
北海道札幌市中央区南3条西4
011-231-0841
17:30〜23:00
日曜、月曜不定休
  • ※ 掲載情報は番組放送時の内容となります。

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