BS-TBS「〜癒・笑・涙・夢〜夕焼け酒場」 毎週土曜よる6:00〜6:30 BS-TBS 2016/10/29放送 #117 居酒屋 あつめ

単身渡米し成功を掴んだ男が 荒川区町屋で魅せる味のミラクル 変幻自在のつまみに舌鼓
45歳でフロリダに店を出したご主人

東京荒川区、町屋の住宅街にある渋い構えの酒場「あつめ」。店には古美術商でもあるご主人、宮下岳彦さんが選んだアンティークが並ぶ。まずは常連さんと、今宵の出会いを祝して焼酎ハイボールで乾杯。早速、オススメの一品をお願いすると「色々ありますけど、一番は油揚げですね。油揚げはね、揚げる前のものを頼んでるんです。それを自分のところで揚げる」と出てきた油揚げは、ふかふかのアッツアツ。「料理はシンプル・イズ・ベストで、そのまんまの方が一番うまいですよ」というご主人に、西島さんが「初めての感覚。また、香ばしいからネギが合うわ」と、厚揚げにかぶりつく。

「店は今年で55年目ですね。僕は3代目です。おばあちゃん、お袋で、僕」。実はご主人、調理学校を卒業後、アメリカで修行を積んだという経歴の持ち主。「給料がやっぱりいいんですよ。あの時で1,000ドルだったかな。日本円で30万くらい。アメリアンドリームというやつで、行けばどうにかなるだろうって……」。24歳で単身アメリカへ渡り、ニューヨークやフロリダの鉄板焼レストランで修行を積み、45歳の時にフロリダ州オーランドに念願のお店「Atsume」を開業。お店は地元の新聞にも取り上げられ、大成功。びっくりするような著名人も店に訪れたという。しかし、その成功の陰には、ご主人の母・光子さんの助力があった。「“俺、人に使われるのが嫌だから店を出したい”っていうから、こっちからいろんなものを送ってやって。ついでにお金が足りないって言うから、送ってやって……」と、笑うお母さん。「立派だねぇ。いいねぇ、お母さんかっこいいね。親子関係が分かりました。息子はお母さんに頭が上がんないね」と、きたろうさんが笑う。店を切り盛りしていたお母さんが体調を崩したのを機に、ご主人は帰国。今も店の暖簾を守っている。

日本の味とアメリカの味、最良のものが次々と

次は、先々代のおばあちゃんからの味を守っている「おでん」。きたろうさんは、大好きなじゃがいもを食べて大満足。西島さんが「関東のおでんと、全然違いますね。味がしょっぱくない。優しい出汁」と言うとおり、この店の出汁は関西風。昆布と煮干し、かつお節を使った上品な出汁が、しゅんしゅんと染みたおでんは、どれもお酒にぴったり。

と、ここまでは和食メニューだったが、次はご主人の真骨頂、アメリカの味が登場。「バッファローチキンです。ニューヨーク州のバッファロー地方のソースなんですけど、それをチキンにかけて食べるんです。ちょっと辛いけど、うまいですよ」と出してくれたそれは、揚げたての手羽中にソースがたっぷりかかった一品。女将のゆみ子さんに「もしよろしければ、手づかみの方が美味しいかも」と勧められ、頬張ると鶏の旨味とソースの辛味が口に広がる。「この辛味がおいしい! これは日本に無い味」と、さっそく西島さんがソースの味にハマったようだ。

〆の一品はピザ。と言っても一筋縄ではいかない「ロシアンルーレットピザ」。生地から手づくりするこのピザは、自家製のトマトソースをたっぷりと塗り、トマトやピーマン、マッシュルームなど5種類の具材をトッピング。さらにロシアンルーレットピザを希望のお客さんには、秘密の赤い具材をプラス。これをロシアンルーレットよろしく、当たりハズレを楽しむというもの。と、ここで西島さんが一枚目にして当たりを引く。「あれ、辛いよ。これ辛い。辛いよ! あ〜辛ぁ〜い!! じわじわくる」と絶叫。秘密の赤い具材とはハバネロのこと。グループで来たお客さんが、盛り上がること間違いなしの人気の一品だという。料理を囲んでみんなが盛り上がる、そんな酒場の雰囲気が大好きだというご主人。「分け隔てなく、皆で平等に喋ってワイワイガヤガヤって感じがいい。酒を飲むと人間ってだいたい本音を言うじゃないですか。そういう、人と人のつながりが大切だと思うんです」。日本とアメリカ、場所は違えどもお酒を楽しむ気持ちは同じ。その気持ちがあれば、いつだって人は幸せになれるのだ。

あつめの流儀
その壱

注文を受けてから揚げ始める油揚げは、ふかふかの熱々! 揚げたて油揚げ550円(税込)
その弐

昆布・煮干し・かつお節・塩で味付けした関西風のおでん。だいこん、はんぺん、ちくわ、昆布、じゃがいも、玉こんにゃく、しらたきの7品でこの値段!おでん小盛750円(税込)
その参

アメリカ東部では、欠かせないスパイスソース“バッファローソース”を、鳥の素揚げにかけた一品。アメリカの酒場(=パブ)の定番料理。バッファローチキン550円(税込)
その四

オーブンとフライパンでじっくり2度焼きするピザ。具材はトマト・ピーマン・玉ねぎ・マッシュルーム・サラミ。ロシアンルーレットピザは、その具材にアメリカや中南米の激辛唐辛子“ハバネロ”が加わる。ロシアンルーレットピザ1,300円(税込)
きたろうさんから、あつめへ贈る「愛の叫び」アメリカと日本を知る酒場は より日本を知っている。———きたろう
「居酒屋 あつめ」
住所
電話
営業時間
定休日
東京都荒川区町屋1-21-12
03-3892-8390
17:00〜1:00
月曜日、第2日曜日
  • ※ 掲載情報は番組放送時の内容となります。

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