BS-TBS「〜癒・笑・涙・夢〜夕焼け酒場」 毎週土曜よる6:00〜6:30 BS-TBS 2016/12/24放送 #125 居酒屋 雅

失敗しても全部自分で責任をとるそんな“独立”に憧れて国分寺に開いた「静岡おでん」の店
ふりかけは絶対! 静岡おでんの掟

「うわ、おでんの林だ。みんな串が差してある」と、きたろうさんが驚いたのは、おでんの具ひとつひとつに刺された串の数。ここは東京、国分寺市の「しぞ〜かおでん」の看板を掲げる店「居酒屋 雅」。お店を切り盛りするご主人は相川雅斎(あいかわまさよし)さん。まずは常連さんと焼酎ハイボールで乾杯し、早速「静岡おでん」をいただくことに。

静岡おでんには、欠かせない掟がいくつかある。ひとつは具材を串で刺すこと。「大根とかは、刺さってないんですけど、ほかの練り物には全部刺さっています」という。二つ目は、牛すじで出汁をとること。表面に脂が浮いた濃厚なダシを、具材が目一杯に吸って、実にいい色になっている。「“オススメを”と言われると、やっぱり牛すじと黒はんぺん。これをいらないと言われると困っちゃう」と、ご主人は笑う。三つ目の掟は、青のりとかつお節が入ったダシ粉をかけること。「かけて食べた方が、いいんですか?」と西島さんが訊くと「かけるのは絶対!」とご主人。黒はんぺんを頬張るきたろうさんが「ふりかけがすごい! 強烈な個性だね。これひとつ50円? 駄菓子屋さんみたいだね」と言うと「もともと、駄菓子屋さんで出していたんですよ」とのこと。そしてこの店での掟として、麹味噌を使った特製味噌をかけること。この甘い味噌がまた、大根や牛スジと最高の相性を見せる。「やっぱり静岡のご出身なんですか?」と訊くと、「それがですね、違うんですよ」と意外な答えが返ってきた……。

ご主人は神奈川県逗子の生まれ。独立できる仕事をしたいと考えていたご主人が、学生時代に初めてしたバイトが飲食関係だった。その流れのまま飲食店で働いていたが「一回やめたんです。で、その後3年くらい外から見ていました。(飲食から離れていた時も)どんな仕事も結局は接客。酔ってない人との接客なんで、そこでもいろいろ学べました」。しかし店を持ち、独立したいとの思いを断ちがたく、以前働いていた店で出していた静岡おでんを看板メニューに、店をオープンさせた。「人の下につくのが嫌だったんだ」と訊くと、「はい(笑)。自己責任で、失敗しても全部自分で責任をとる。そういう考え方でした」と言う。

店を長く続ける秘訣は“テキトー”

次のオススメメニューは、オープン当時からある「目ん玉チャーシュー」。「メンチカツ、チャーシュー、メンチカツ、チャーシューで、最後に目玉焼きです」と、ご主人が説明してくれたメニューは、“静岡おでんに負けないインパクトがあるものを”と、考えられたこってり濃厚ミルフィーユ。「アメリカ人っぽいね、このデカさは」と、きたろうさんもびっくり。続いて出てきたのは「目ん玉チャーシュー」とは正反対に、あっさり軽めの「クリームチーズの味噌漬け」。自家製のニンニク味噌で漬けた、と聞くと濃厚そうだが、味噌の味は決して強くない。味の振り幅、重さと軽さのバランスがちゃんとメニューに生かされているところを見ると、ご主人の料理センスはなかなかのもの。

最後の一品は「牛すじ焼きそば」。メニューを聞いて、西島さんが思わず「美味しそう、シメの炭水化物ぅ!」と叫んだこの一品は、おでんの牛すじがゴロッと入っているほか、串に刺さらない小さな牛すじも入っていて、お得感いっぱい。「味がいいね、お母さんの焼きそばだ」、「これはお酒が飲める味ですね」と二人とも満足げ。おでんの湯気を前に、メガネを曇らせながら一心に働くご主人に、お店を続けていく秘訣を聞くと「真面目さと適度なテキトーさ」と意外な言葉が……。これにピンときたのがきたろうさん。「そのテキトーが難しいんだよ。テキトーと言う人はテキトーにやってないんだよ。必死にやってんだよ、実は。考え方としてテキトーを持ちたいってことだよね」。「そうです。心に余裕を持っていれば、なんとか続けられるって感じ」とご主人。必死さだけでは、お客さんの心が休まらない。酒と料理を出す側も、余裕を持っているからこそリラックスできる店になる。そんな大事なことをしっかり理解しているからこそ、居酒屋 雅は今日も人で溢れかえっている。

居酒屋 雅の流儀
その壱

静岡の人なら子供の頃から食べ親しんでいるソウルフード。黒はんぺん50円、半熟たまご80円、大根80円、じゃがいも100円、牛すじ160円(全て税込)
その弐

メンチカツとチャーシューのミルフィーユに、目玉焼きを乗せた一品。目ん玉チャーシュー850円(税込)
その参

自家製のニンニク味噌に、クリームチーズを漬け込んだもの。強すぎない味噌の風味がおいしい。クリームチーズの味噌漬け390円(税込)
その四

テキトーとは、仕事をする上での心の余裕のこと。そんな余裕があることで、長く仕事を続けられるという。
その伍

ゴロゴロっとした大きな牛すじに加え、串に刺さらない小さなかけらも入っている。牛すじ焼きそば500円(税込)
きたろうさんから、雅へ贈る「愛の叫び」飾らない大将 おでんは串で飾ってる。———きたろう
「居酒屋 雅」
住所
電話
営業時間

定休日
東京都国分寺市南町3-19-2
042-401-8791
月〜土曜17:00〜08:00(翌朝)
日曜17:00〜24:00
不定休
  • ※ 掲載情報は番組放送時の内容となります。

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