BS-TBS「〜癒・笑・涙・夢〜夕焼け酒場」 毎週土曜よる6:00〜6:30 BS-TBS 2017/05/06放送 #142 洒落亭

必ずひと手間加える絶品オリジナル料理 その確かな味と、誠実な大将の人柄が 今日もまた常連客を梅丘へ引き寄せる
カウンターに並ぶおばんざいが華麗に変身

世田谷区の梅ヶ丘駅のすぐ近く、商店街でひときわ目を引く渋い佇まい。「時代が遡ってるね。まさに洒落亭、シャレてぇんじゃねぇの」と、きたろうさんが暖簾をくぐる。創業50年目を迎えた、ここ「洒落亭」。25席の店を一人で切り盛りしているのは、大将の松田孝洋さん。店内に飾られた神輿を見れば分かるとおり、大将は相当な祭り好きのようだ。早速、焼酎ハイボールで常連さんと乾杯して最初の一品をいただくことに。「この長芋の酒盗煮から行きますか?」と指されたのがカウンターのおばんざい。しかし出て来たのは、先ほどのおばんざいと様子が違う。「料理が全然違うじゃない」と訊けば「(そのままだと)酒盗の味がとんがってますから、ちょっと卵でとじて柔らかく。温めたほうが美味しいですしね」と大将。「手間ひまかけてるね」と頬張ると、シンプルな味が深みのある味に大変身。人気メニューというのも納得だ。

大将は高校を卒業後、貴金属加工会社に就職したが、三年で退社。その後、もつ焼き店で働きながら、祭り同好会に参加し、そこで洒落亭のオーナー・斉川秀夫さんと意気投合。祭りでのリーダーシップと明るい人柄を買われ、20年前、洒落亭の暖簾をまかされた。以来全てのことをたった一人でこなし、試行錯誤を繰り返して自分の店のスタイルを築き上げてきた。

続いてもう一品、カウンターのおばんざい「里芋と豆富の揚げ出し」をいただくことに。もちろん大将のこと、そのまま取り分けて出す訳がない。「また卵を入れんじゃない?」と、タカをくくっていたきたろうさんの前に出て来たのは、白いスープが掛かった揚げ出し。里芋、豆腐、こんにゃく、ニンジンを180度の油でカラリと揚げ、最後に特製の豆乳スープをかければ出来上がり。アッツアツを頬張れば、里芋のねっとりとした食感。そこに濃厚な豆乳スープが絡むというアイデアに、二人とも納得、感心しきり。

大将の味と人柄が客を引き寄せる

店を任された時のことを聞くと「いろんなお客さんがいますから。優しい人も厳しいお客さんも……、勉強になりますね」。そんな大将を常連さんは「物知りなんですよ。勉強されててね、本を読むのがお好きなようです」という。常連さんが「我々の修行の場ですから」と茶化して言うと“勘弁してください”とばかりに、かぶりを振って「そんな堅苦しくないですから、気持ちいいのが一番ですから」と、大将が大いに照れる。

3品目は「茄子・茄子・茄子」という茄子料理の三点盛り。焼き茄子を生ハムで巻いたものと、揚げ茄子、お漬け物が上品に盛られ「ちょこちょこっと、たくさん食べたいなぁという時がありますよね」という大将に、西島さんが「分かるぅ!」と激しく同意。「でも、面倒臭いじゃない?」と、きたろうさんが訊けば「面倒臭いといえばね、全て面倒臭くなっちゃう。なるべく自分を律して、面倒臭いことを頑張ろうと思っています」。しかしこの店の料理は、そんなに気張った料理だけではない。4品目は蛸と葱とジャコをポン酢で合わせ、さっぱりといただく「蛸葱ジャコポン」。手のかかった料理ではないが、それでも「なんだかんだって、これはいい加減じゃないね」「シンプルと見せかけて、全然シンプルじゃないですよ。奥深いですね」と、二人は大将の仕事ぶりに感心する。

最後の一品は、またまた意表をついて「烏賊とズッキーニのゴルゴンゾーラソース」という創作イタリアン。ゴルゴンゾーラチーズのソースと聞けば、相当に濃厚そうだが、西島さん曰く「ずっしりくるのかと思ったら意外に爽やか」。店構えから想像すると、いい意味で裏切られるひとひとつの料理。それらはすべて「食べるのが好きだから、自分でこうしたら美味しそうだなって……。基本、自分の好きなものを作ってる」と言いつつ、“面倒臭い”を進んで引き受け、一皿一皿に手間をかける大将が生み出したもの。店を続けるうえで何よりも“誠実さ”を大切にしているという大将の人柄が、そのまま現れた名店だ。

洒落亭の流儀
その壱
まずは手作りのおばんざい 長芋の酒盗煮を食らうべし!
酒盗で味付けた長芋は、そのままでは味がとんがっているため、卵でとじてまろやかに。おばんざいからの“ひと手間”が光る。長芋の酒盗煮650円(税別)
その弐
おばんざいはひと手間かけて提供!
カウンターに並んでいる時と、全く違う装いで出て来るのが、この店のおばんざいの特徴。
その参
自慢のおばんざいA 里芋と豆富の揚げ出しを食らうべし!
大皿料理から、里芋、豆腐などを一度引き上げて油で揚げ、特製の豆乳スープをかけて仕上げる。里芋と豆富の揚げ出し750円(税別)
その四
ひと手間加えた茄子の三種盛り茄子茄子茄子を食らうべし!
少しずつ色々食べたいという希望を叶える一皿。焼き茄子(生ハム巻き)、揚げ茄子、漬け物の茄子の三種盛り。茄子・茄子・茄子650円(税別)
その伍
面倒臭いひと手間が自分を律する!
「面倒臭いと思ってしまえば、全てが面倒臭くなる」という大将。ならば、その面倒臭いことを頑張ろうと、日々心がけている。
その六
さっぱりと蛸葱ジャコポンを食らうべし!
その名のとおりの素材を、ポン酢で和えてさっぱりとした一品に。蛸葱ジャコポン650円(税別)
その七
必ず常連客に大人気 烏賊とズッキーニのゴルゴンゾーラソースを食らうべし!
食べ歩きが大好きな大将が、あるイタリアンの店で出会った料理をヒントにした創作料理。烏賊とズッキーニのゴルゴンゾーラソース900円(税別)
きたろうさんから、洒落亭へ贈る「愛の叫び」江戸の店でイタリアン 舌もワッショイ、ワッショイ!!———きたろう
「洒落亭」
住所
電話
営業時間
定休日
東京都世田谷区梅丘1-21-11
03-3428-6248
18:00〜24:00
日曜
  • ※ 掲載情報は番組放送時の内容となります。

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