BS-TBS「〜癒・笑・涙・夢〜夕焼け酒場」 毎週土曜よる6:00〜6:30 BS-TBS 2017/06/24放送 #149 小川の魚

祖父から受け継いだ養殖業を営みながら新鮮な川魚の美味しさを広く伝える岩魚、山女魚、うなぎの真の実力
湧き水で育った川魚の美味しさに一同感激

八王子を訪れての第2弾は、川魚を専門に扱うちょっと変わった酒場「串焼き・川魚専門店 小川の魚」。焼き台の前で腕をふるうのは、ご主人の小川勇一さん。高尾山からの湧き水を使った川魚の養殖場と、そこで育った新鮮な川魚を出す酒場を経営している。「うなぎが好きでねぇ、川魚で自分が飲みたいがために始めました」と、笑うご主人。いつものように焼酎ハイボールで“今宵に乾杯”と気炎をあげ、早速、自慢の川魚をいただくことに。最初は「生きたものを食べられるのは、東京ではウチくらい」と、ご主人が胸を張る岩魚のお刺身。お店の水槽で元気に泳ぎ回る岩魚から、きたろうさんの目に留まった中くらいのサイズを捌いてもらい、岩塩と醤油で食べ比べ。「う〜ん、うまい。コリコリで新鮮!」「淡白でさっぱり。一瞬臭みがあるのかな、と思ったんですけど全然ない」と2人。“川魚=臭み”と思い込んでいる人は多いが、それは鮮度の問題。さらにこの店では、刺身で残った骨を素揚げにしてくれる。これをつまみに飲むのも一興。

「じゃあ折角なので、山女魚の塩焼きも食べますか?」と、渓流の女王がお出まし。「山女魚は他でも食べられますが、生きたのを焼くと味が全然違いますから」と、ご主人が期待値を上げるのだが、「美味しい」「うん、とっても美味しいです」と、一同笑顔で納得させるほどの美味。頭まで食べられて1尾500円。「我ながら安いなぁと思います」というが、これも養魚場があるからこそ実現できる値付け。さらには養殖業者じゃないと手に入らない「山女魚のすじこ」まで飛び出し、北海道育ちで鮭のすじこには一家言ある西島さんも「鮭と比べるとさっぱり。エグミみたいなのが全然ないですね」と、この味に驚いた様子だ。

祖父の思いを受け継ぎ、世に広く知らしめる

お店はオープンして3年も経っていないが、養殖業の方は50年の歴史がある。八王子市内から車で約40分。高尾山の麓の養魚場は、祖父の一男さんの時代からのもので、ご主人の小さい頃の遊び場だったという。可愛がってくれた祖父に恩返しがしたいと、24歳の時に跡を継ぎ、丹精込めて川魚の養殖に励んだ。そして36歳の時、この美味しい川魚を多くの人に食べてもらいたいと、店を開業。お店を始めた時は「“どこの誰が、川魚でお客が来るんだ”って、散々言われました。でも、あんまり人の言うことを聞かないタイプで」と笑うご主人。「大抵の事はできますけど、僕は料理をちゃんと勉強したことがない。修行時期もなくて、自己流でしたから、お酒ひとつ出すにしても、どうしたらいいか分からなかったです」。しかし失敗しても“次は頑張ろう”と、前向きに頑張り、今の繁盛がある。

次のオススメは、うなぎの串焼き三種類。くりから焼きとかば焼き、そしてひれ焼き。きたろうさんが「見事!」と褒める焼き方も素晴らしいが、何より身が大きくて厚い。そして一同を驚かせたのがひれ焼きだ。この珍しい1串は、7匹分くらいのひれを巻いたもので「ひれだから鰻の味がしないのかと思ったら、一番鰻の味がする」という。これまたここならではの珍味だが、それを1串250円でいただけるというのが、またうれしい。

「最後の〆はご飯で。石焼きのご飯で、ビビンバみたいにうなぎとタレをガチャガチャ混ぜて……、是非食べてください」と出て来た肝吸付きの「石焼きうなぎご飯」。いわばひつまぶしの卵かけ石焼ビビンバ風だが、その説明だけで「絶対美味しい!」と、西島さんの顔がほころぶ。ジュウジュウと焼けるご飯にタレをかけ、卵を絡め焼いて食べると、濃厚なうなぎの旨味に、焦げたタレの香ばしさが渾然一体となって、食欲を促す。「おー、おこげがすごい! たまらん。卵とかでいい感じにマイルドになって、美味しい」と西島さん。店を続けてこられた秘訣を訊くと「なんとなくやって来ただけで、本当に考えてないです」と笑うご主人。ただ“何が”ということではなく「お客さんに満足してもらうため、お金と手間を惜しまずサービスをしようという気持ちは持っています」という。自分が育てた川魚の美味しさを知ってもらいたい、そのために努力を重ねるご主人にとって、厨房に立つことと同様に、魚を育てることもまた、重要な酒場の仕事なのだ。

小川の魚の流儀
その壱
まずはお店一押し 新鮮な活岩魚刺しを食らうべし!
高尾山の湧き水で育った新鮮な岩魚を、刺身で。盛り付けも見事。活岩魚刺し890円(税別)
その弐
山女魚塩焼きを食らうべし!
炭火で20分、じっくりと焼き上げた山女魚は、頭まで全部食べられる。山女魚塩焼き500円(税別)
その参
養殖業者ならではの特権 山女魚のすじこを食らうべし!
他ではまず食べられない、醤油漬けにした山女魚のすじこ。890円(税別)
その四
こだわりのうなぎ串焼き三種 くりから かば焼き ひれ焼きを食らうべし!
今や超高級食材となったうなぎを、串焼きでお手軽に。くりから420円、ひれ焼き250円、かば焼き400円(各税別)
その伍
〆には石焼きうなぎご飯を食らうべし!
熱々の石焼の器にご飯とうなぎ。タレをかけて卵とよくかき混ぜていただく。石焼きうなぎご飯(肝吸付き)1,280円(税別)
きたろうさんから、小川の魚へ贈る「愛の叫び」ピチピチの川魚と力の抜けた大将、最高!!———きたろう
「串焼き・川魚専門店 小川の魚」
住所
電話
営業時間
定休日
東京都八王子市横山町8-4
042-649-3317
17:00〜23:00
月曜
  • ※ 掲載情報は番組放送時の内容となります。

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