BS-TBS「〜癒・笑・涙・夢〜夕焼け酒場」 毎週土曜よる6:00〜6:30 BS-TBS 2018/1/13放送 #173 鳥雅

鮮度にこだわり、焼きを極めた主人が出す絶品の焼き鳥に舌鼓!
ドンピシャの火入れで焼き鳥を出す

住宅街が広がる東京都杉並区永福の街に、控えめな白提灯。明治初期の蔵のものだという重厚な扉を開けると、多くのお客さんで賑わう焼き鳥「鳥雅」の店内。焼き場に立つのは、ご主人の井上雅之さん。焼酎ハイボールで乾杯を交わし、早速焼き鳥を……と、くるところだが、最初のオススメは「国産合鴨のタタキ」。名物のタタキは1日5食限定で「その日作った分を、その日にしか出しません。冷蔵庫に入れると固くなっちゃう」という一品。「63度くらいで、鴨肉にストレスを与えないよう、ゆっくりゆっくり火を入れる低温調理をしています。そうすると鴨肉に固いところができないんです」とご主人。西島さんは一口食べて「柔らかい。しかもこれ、脂がしつこく来るのかなと思ったら全然美味しい」とベタ褒め。きたろうさんも「こりゃ、焼き鳥もうまいな」と、期待を膨らませる。

次のオススメは当然、焼き鳥。親鳥の肉「じゅんけい」と、首の筋肉「せせり」を焼いてもらうことに。創業3年にして多くの常連さんを惹きつける秘密は、ご主人の“焼き鳥哲学”とも言えるこだわりにある。「焼き鳥は皿に置いて1分経つと、全然違うものになっちゃう。焼き鳥は火の入りたてが一番美味しいので、焼き台の上では、完全に火を入れていないんです。火が通るちょっと前にあげて、余熱で火を通すという感じ。そのドンピシャのタイミングがあるんですよ。だから焼き鳥は、寿司よりも早く食べなきゃいけない。そうしないと、どんどん火が入っちゃうから」。焼き鳥を食べた西島さんときたろうさんは、「じゅんけいって、肉汁も脂も美味しい」、「せせりのジューシーさと、甘味と旨味! 中で蒸されている感じがするんだよね」と、その焼き上がりを褒める。続いては、きたろうさんが「これで焼き鳥屋(の良し悪し)が分かる」というレバー。ご主人が修行した店からもらったタレをベースにした22年ものを使ったタレ焼きで、これを一口食べた西島さんは「周りはきちんと歯ごたえがする。そのプリンと歯ごたえのあるところからのトローンがたまらん!」と、満面の笑み。「味付けよりも焼きの状態を重視します。味付けは、濃い味が好きな人もいれば、薄い味が好きな人もいますからね」。煙を逃す焼き台をはじめ、備長炭の強い火力、そして新鮮な素材だけを使うなど、ご主人のこだわりは多いが、何よりも“焼き”をとことん突き詰め、常に最高の焼き鳥を出すことにこだわっているようだ。

焼き鳥屋が出す、絶品の鳥もつ煮

ご主人が料理の道に入ったのは高校卒業後。「その時は料理の鉄人ブームで、あの番組に出たい、みたいな感じで」と、照れるご主人。専門学校を出てホテルの中華料理店で修行を積むが「ホテルだから100人前のチャーハンを作ったりね。世間知らずで生意気ですから“そういう仕事はしたくない”って辞めて。次は魚の居酒屋ですね。そこで10年くらいやって……」。その後、焼き鳥屋で3年ほど働いた後、35歳で独立し今にいたる。店が駅から少し離れているが、「それがいいんです。ちょっと歩いて店に向かってもらう感じがね。(店の構えも)気になるけど入りづらい感じを出したかったんです」というご主人。それでも大丈夫だという、腕に強い自信があったのだ。

次のオススメは「鳥もつ煮」。もつ煮といっても、一般的な大鍋の煮込みとは違う。「お蕎麦屋さんには結構あるんですけど、醤油と砂糖で甘辛く煮たもつ煮で、オススメはキンカンという殻がつく前の卵です」と出てきたのは、濃い色のもつの照り煮込み。もつの鮮度が良くないと使えないというのも納得。「これにはちょっとハマっちゃった。お酒が進みますね」と、西島さんもお気に入りのご様子。そして最後は、鳥を使った麻婆豆腐。日本の山椒と中国の山椒、両方を使い“鬼”麻婆の名前にふさわしい辛さに仕立てる。グツグツ吹き立つ麻婆豆腐は、山椒がビシッと利いているが、意外にもさっぱりとしている。

常連さんによると「こんなにご主人から、こだわりの話を聞いたのは初めて」というくらい、普段はこだわりを話さないようだ。いつもはお客さんの会話に耳を傾け、相談にも親身になって答えるという。「酒場はいろんなことが起こるので、私にとってはテーマパークです」というご主人。うまい酒と焼き鳥に真摯に向き合いつつ、いつもはお客さんの声を聞き逃さない。そんな店だからこそ、少し駅から離れていても、足を伸ばし、訪れたくなるのだ。

鳥雅の流儀
その壱
まずは名物 鴨のタタキを食らうべし!
1日5食限定。低温調理で肉にストレスをかけることなく、じっくりと火を通した一品。国産合鴨のタタキ1,380円(税込)
その弐
備長炭で焼き上げる“じゅんけい”と“セセリ”を食らうべし!
じゅんけいは、卵を産んだ親鳥のこと。また、セセリは首の後ろの筋肉部分のこと。じゅんけい1本280円、セセリ1本230円(共に塩、税込)
その参
お客との会話と料理提供のため焼き台の前に仕切りを作らない!
鳥雅では、焼き鳥から出る煙を逃す焼き台を使用。これでお客さんとの会話や、皿を直接渡すことも可能に。
その四
焼き鳥は焼き上がったら寿司よりも早く食らうべし!
火の入りたてが一番美味しいというご主人。そのベストなタイミングで出しているため、すぐに食べて欲しいという。
その伍
鳥肉は産地にこだわらず鮮度を重視!
鶏肉は銘柄を5種類に絞り、その中から毎日もっとも新鮮なものを届けてもらっている。
その六
タレでいただくレバーを食らうべし!
20年に渡り継ぎ足されてきた修行先のタレをアレンジして使用している。レバー1本230円(タレ、税込)
その七
味付けよりも焼き加減を重視!
人によって味付けの好みは分かれるが、もっとも鳥が美味しいベストの焼き加減は決まっている、というのがご主人の持論。
その八
気になるけど入りづらいお店作りを目指した!
駅から少し離れていることで、“わざわざ歩いて食べに行く”ことに、色気を感じるというご主人。そんなお客さんを落胆させないように、常に最高の焼き鳥を出す努力を惜しまない。
その九
ご主人自慢の甘辛い鳥のもつ煮を食らうべし!
キンカン(未成熟の卵)、たまみち(輸卵管)、砂肝、ハツ、サエズリ、レバーが入った鳥もつ煮。焼き鳥のタレをベースに醤油、ザラメなどで濃いめに味付け。鳥もつ煮880円(税込)
その十
〆には必ず鳥肉を使った麻婆豆腐を食らうべし!
中国料理店でも修行したご主人が作る一品。中国山椒と日本山椒、ラー油などでピリッと味付け。タタキ鳥の鬼麻婆豆腐880円(税込)
きたろうさんから、鳥雅へ贈る「愛の叫び」 やき鳥は出たら、寿司よりも早く食うべし 教わりました。―――きたろう
鳥雅
住所
電話
営業時間

定休日
東京都杉並区永福4-6-2
03-6265-8911
火〜金曜17:00〜24:00、
土曜・日祝16:00〜24:00
月曜
  • ※ 掲載情報は番組放送時の内容となります。

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