BS-TBS「〜癒・笑・涙・夢〜夕焼け酒場」 毎週土曜よる6:00〜6:30 BS-TBS 2018/9/15放送 #202 仲宿酒蔵

美味しくてボリューム満点 さらに財布にも優しい 夫婦が営む人気老舗店
腕につけた自信を元手に、借金からの出発

東京都板橋区、庶民的な街に、杉玉と雰囲気たっぷりの看板を掲げる「仲宿酒造」。中に入ると「おぉ、魚のいい匂いだ」と、きたろうさん。昭和46年創業で、ご主人の石井俊一さんと女将の洋子さん、そしてニ代目の祥一さんが働く家族経営の一軒だ。まずはいつものように常連さんと、焼酎ハイボールでお近づきの乾杯。なみなみに注がれた杯で喉を潤し、早速一品目をお願いすると「ネギとマグロの串焼きを!」と女将。そして出てきた串に、一同仰天! 「わっ、すごい」、「大きい! めちゃ大きい! こんなに大きいことあります?」、「想像を絶するね」と、そのボリュームに目を奪われる。「意外にスジのところなんか、刺身で使えない部分を焼くと、スジが無くなるんですよ」と、ご主人。厚い身に、均等に火を入れるご主人の焼きも素晴らしい。

ご主人がこの道に進んだのは、二十歳の時、寿司屋で働く板前に憧れて。「当時は、寿司屋って二十歳過ぎると使ってくれないんですよ。給料もいらないから、2年で仕事だけ教えてくださいって、頼み込んだの。給料はくれたけどね(笑)。その代わり人の倍働きましたよ」。一昔前までは、中学卒業と同時に修行というのが当然の厳しい世界。そこで磨いた腕は今も健在で、築地で仕入れたカツオ、本マグロ、真鯛の3点盛「お刺身の盛合わせ(900円・税込)」は、人気メニューだ。そして26歳という若さで店を開業、同時に自宅も購入したという。「不安は多少ありましたけど、仕事を覚えたから、自信はありました。最初は借金です。9000万ぐらい。始めて2年くらいは、なかなか思うようにいかなかったけど、10年くらいで返したね」とご主人。「返せなかったらどうするつもりだったの?」と訊けば、「売っちゃえばいいんだから」とアッケラカンな女将。実は女将が嫁入りしたのは46年前。まさに店が上向きになる頃、その明るい笑顔がご主人を支えたのだ。まさに二人三脚で、この人気店を作り上げたのだ。

仲間と飲み、食べるから楽しいボリューム

次のオススメは「白えびのかき揚げ」。これまた予想を違わぬボリューム。「顔ぐらいある。白海老の味が効いてます。上手に揚がっていますよ」という西島さんの声が弾む。揚げたのは、赤坂の日本料理店で9年の修行を積んだという二代目。学生の時から店を手伝い、この道に進んだが、すでにその腕前は両親のお墨付き。続いての料理は「まぐろ大根」。「また、でかいのが出てくるよ」という、きたろうさんの予想どおり、一本の三分の一くらいの、飴色に炊き上がった大根がドン。そして良質の出汁を出し切ったマグロのアラ。「主役なんだけど、大根のためにあるマグロ。たまらんですね」と、西島さんの箸が止まらない。

最後の一品もまた二代目の料理で、「海鮮チーズ焼」。マグロやカツオなど、様々な海鮮が詰まったグラタン風で「お昼にお腹が空いて、自分で作って食べたら“これいけるかな”って」と、生まれた一品だ。魚から出たエキスとチーズの絡み合いは、絶品だ。酒場を続けて良かった事を訊かれ「いろんな方に出会えて、教えてもらったり、励ましてもらったり、お話ができる」と女将。店をやって大変だったことなど無いという女将は「目一杯やってきた。丈夫だったんですよね、体が」と笑う。病気をせずに、笑って仕事を続けられるというのは、まさに得難い才能でもある。いつもの最後の問い「ご主人にとっての酒場とは?」に、「プチオアシス」という答え。そこに迷いなく「なんでも料理は多いくせに!」「全然プチじゃない」と、突っ込めてしまう。店を訪れてわずかな時間で、ここまで打ち解けてしまえる。そんな、財布だけでなく、人にも優しい店なのだ。

「仲宿酒蔵」の流儀
その壱
新鮮なマグロを使った串焼きを食すべし!
焼き鳥の種類と思われているネギマだが、もともとネギとマグロの串を指すという。刺身に使えないスジの部分は、火に通すことで食べやすくなって美味しい。ネギまぐろ串焼(塩)2本500円(税込)
その弐
ボリューム満点 白えびのかき揚げを食すべし!
白えび・玉ねぎ・三つ葉をカラッと、しかもボリュームたっぷりにかき揚げに。白えびかき揚700円(税込)
その参
名物まぐろ大根を食すべし!
一度煮た大根とマグロのアラを鍋に入れ、酒・砂糖・みりん・醤油で味付けし、3時間以上煮込んだ一品。まぐろ大根600円(税込)※金曜日限定
その四
〆には必ず二代目考案の海鮮チーズ焼を食すべし!
魚介に合わせ味噌・みりん・バターオイル・塩コショウで味付け。チーズ・パン粉をまぶしてオーブンで8分焼く。海鮮チーズ焼900円(税込)
きたろうさんから、仲宿酒蔵へ贈る「愛の叫び」 量の多さは 味と愛情が半分半分 絶品!! ―――きたろう
仲宿酒蔵
住所

電話
営業時間
定休日
東京都板橋区仲宿62-1
板橋ハイタウン104
03-3964-5132
17:00〜22:30
第2・4土曜、日曜、祝日
  • ※ 掲載情報は番組放送時の内容となります。

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