BS-TBS「〜癒・笑・涙・夢〜夕焼け酒場」 毎週土曜よる6:00〜6:30 BS-TBS 2018/12/15放送 #215 赤頭巾

流行りすたりの激しい渋谷の街で 懐かしい大衆酒場の雰囲気と味を守る 時代に流されない女将の物語
いつまでも35歳の若女将

「赤頭巾ちゃんみたいな、かわいい女の子がいるのかな?」と、きたろうさん一行が訪れたのは、渋谷の酒場「赤頭巾」。迎えてくれたのは女将の小池純子さん。シャンとのびた背筋に、カジュアルな服装。何より“若かった時は相当に……”と思わせる美人女将だ。きたろうさんが「赤頭巾ちゃんですか?」と聞けば、「あなたが狼さんで?」と返ってくる、この親しみやすさ。思わず通いたくなるのも分かる。まずは焼酎ハイボールで、女将さんと差し向かいで「今宵に乾杯」。最初のおつまみをお願いすると、登場したのは「刺身の盛り合わせ」。女将が“どの刺身も美味しい”と胸を張る、この豪華な一皿に「マグロ、うまい! どれもこれも新鮮。寿司屋に来たみたいだな」、「タコ、ひと噛みしたら、もうおいしい」と、きたろうさんも西島さんも大満足。

店をはじめて50年だが、今35歳だという女将。「もう35歳で終わりなの。それ以上は歳をとらないの。歳をとると思うと、やる気が起きなくなっちゃう」という女将の話を聞きながら、いただいたのは「アサリの唐揚げ」。珍しさに驚きながらも食べてみると……「おいしい! 2、3個食べたらどんどん旨味が出てくる」と西島さん。もともと母方が福岡で造船所をやっていて、お嬢様育ちだという女将。店を始めたきっかけを聞くと、「結婚に失敗して“これは頑張らなくちゃ”と、単身で上京しました。決意がありましたよ。一生懸命お金を貯めて、自分で店をやりたいと思ったんです」という。友達とアルバイトをしようと向かったのは銀座のクラブ。「当時は支度金といってね、200万円くらいくれたの。それから銀座で働きながら、お店の資金を稼ぐために頑張りました。とにかく男性に頼らずにやりたかった。その心意気がないと、なにもできなかったと思う」という女将。それからわずか5年後、27歳という若さでここ渋谷にお店を構えた。

絶品「牛すじ鍋」に舌鼓

次のメニューは、ニンニクの芽がいっぱい入った「砂肝ニンニク炒め」。甘辛さがちょうどいい加減で、砂肝のコリコリという食感とも好相性。こういうガッツリした炒め物が美味しいと、若い人にもうれしい。きたろうさんが女将に「再婚は?」と尋ねると「店を始めるちょっと前に再婚しましたね。うちの主人は、あんまり働かないんでね。お客さんと一緒に飲んでるか、たまにブラッと来て帰っちゃうタイプなんです」という。きたろうさんは「遊び人だな」とニヤリ。さすが、男性に頼らず生きようと決めた女将、選ぶ男も違う!

続いては「ハムチーズ揚げ」。チーズはトマトが挟んであり、このバランスがまた最高。「贅沢なハムカツだな」というきたろうさんに、「おいしい、サンドイッチ並みの食べ応え」という西島さん。「店をやめようと思ったことは?」と訊くと「一度もないですね。悪くなると“頑張らなくちゃ”って思う。子供をプロゴルファーにしたので……。でも、たくさん儲かる商売じゃないから、もう大変ですよ。葉っぱをちぎるようにお金が出て行きましたもん(笑)」。3人の娘を授かり、その一人がプロゴルファーの小池リサだという。誰か後を継いでくれればとも思うが「3人ともお嫁に行きましたし、後は夫婦2人が食べていければいいわけだから、そんなにガツガツしなくてもね……。従業員の給料だけは払えるように頑張らなきゃいけないけど、それくらいですよ」と女将はいう。

最後の一品は、店の看板にも書いてある「牛すじ鍋」。娘のリサさんの友人で、長尺と短尺パターの二刀流使いでもゴルフファンに有名な、アダム・スコットが唸ったという鍋だ。この鍋は、この店のオリジナルで、ニンニクが効いた醤油ベースの出汁と、6時間煮込んだトロトロの牛すじが自慢。鍋の中では、すでに牛すじがほぐれている状態で、口に入れるとホロっと溶けていくよう。「野菜シャキシャキ。柔らかい牛すじと、ちょうど歯ごたえがアクセントになって、これはたまらん」という西島さんの言葉どおり、対照的な食感に加え、辛味もあって食欲が刺激される。名物料理になるのも納得だ。再開発が繰り返され、変化し続ける渋谷で、こんなに肩肘張らずに通える酒場の存在はありがたい。それも老若男女を問わず満足できるとくれば、ぜひ覚えておきたい一軒だ。

「赤頭巾」の流儀
その壱
まずはお店自慢の刺身の盛り合わせを食らうべし!
マグロ赤身、真ダコ、甘エビ、ブリなど、それも新鮮で評判も上々。刺身の盛り合わせ2人前2,000円(税別)※内容は仕入れにより変わる
その弐
女将は永遠の35歳!
これ以上歳をとると、やる気が起きなくなってしまうと、35歳からは歳をとらないことにしたという女将。
その参
常連さんに大人気 あさりの唐揚げを食らうべし!
ほかではお目にかかれない、非常に珍しい一品。2つ3つと食べているうちに、あさりから出てくる強い旨味が特徴。あさりの唐揚げ550円(税別)
その四
ニンニクたっぷりの砂肝ニンニク炒めを食らうべし!
砂肝、ニンニクの芽、ニンニクスライスを炒めて、白ごま、醤油、酒、オイスターソースなどで味付け。甘辛い味と、砂肝のコリコリとした食感がたまらない。砂肝ニンニク炒め600円(税別)
その伍
トマトが入ったハムチーズ揚げを食らうべし!
食べ応えも十分。トマトの酸味のアクセントが抜群で、揚げたてのアツアツをいただくのが最高。ハムチーズ揚げ650円(税別)
その六
お店の経営に大切なこと「飽きちゃダメ!」
毎日が同じことの繰り返しだと思えば飽きてしまう。模様替えをしてみたり、人を入れ替えたり、常に毎日を更新していくことが大切だという。
その七
アダム・スコットも絶賛 名物「牛すじ鍋」を食らうべし!
出汁の味付けは企業秘密! 牛すじ、鷹の爪、ニンニクスライス、ニラ、キャベツが、醤油ベースのパンチの効いた出汁で、それぞれに最高の活躍を見せる。牛すじ鍋1人前950円(税別)
きたろうさんから、赤頭巾へ贈る「愛の叫び」 男に頼らない永遠の35才。35才に見えてきた。―――きたろう
赤頭巾
住所
電話
営業時間
定休日
東京都渋谷区渋谷3-7-3 野口ビル1F
03-3400-2941
11:30〜14:30、17:00〜24:00
日曜休
  • ※ 掲載情報は番組放送時の内容となります。

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