BS-TBS「〜癒・笑・涙・夢〜夕焼け酒場」 毎週土曜よる6:00〜6:30 BS-TBS 2014/10/4放送 #22 やきとり多伊夢

磨いた腕でこだわりの素材を焼く若い常連客に愛される竹ノ塚のうまい焼き鳥
希少な部位を見事な塩加減で焼き上げる達人

竹ノ塚は人々の生活が息づく住宅街。そんな街にある「やきとり多伊夢」は、“炭火焼き鳥”ののぼりと縄のれんという、親しみの持てる店構えだ。その焼き鳥の味は絶品で、開店と同時に若い常連客で賑わうという。炭火の前に立つのはご主人の丸山彰さん。まずは焼酎ハイボールで乾杯し、ご主人おすすめの鶏を焼いてもらうことに。片手に串、もう片手に塩を持ち、小刻みにパパパパッと塩を振る様がビシッとキマっていて“これぞ職人!”といった風情のご主人。そして出てきたのは「ももの付け根、鶏1羽で一本分しかとれない部分です」という「ソリ」。ネギを挟んで少し大きめの肉が2つ刺された「ソリ」は、外が香ばしくパリッと、中はジューシーな焼き上がり。一口頬張って「肉汁がジュージュー出てきますよ。こんなの初めて食べました」と感動する西島さん。最初の一品でハートを鷲掴みにされた2人は、次の焼き鳥に期待が高まるばかり!

「鶏はどこで仕入れてるの?」と、きたろうさん。「近くに朝引きの鶏をもって来てくれる店があるんです。種類は“紅ふじ鶏”という山梨の鶏を使ってます。この鶏は内蔵系の肉がうまいんですよ。今日ね、ちょうどレバーのいい所があるんですけど、それをレア焼きで食べると最高なんです、いかがですか?」。そんな風にすすめられて頼まない訳にはいかない! 出てきた「白レバー」は、まだ赤みが残る焼き上がり。「このプリンプリンした感じと塩加減、最高です。私、本当はレバーが苦手なんですけど、パクパク食べちゃいました」と、またまた大感激の西島さん。訊けばこの「白レバー」、100羽に1羽しか採れない希少な素材。脂がのって、とにかく味が濃厚なのだ。「これはフォアグラの100倍うまいよ」と、きたろうさんも大絶賛。

若い常連客が集まって活力が生まれる店

ご主人がこの店を開いたのは平成9年、30代も後半の頃。22歳という若さで結婚し、すぐに長女が誕生。家族を守るため、少しでも給料のいい仕事を求め転職を繰り返した。そんなご主人の転機となったのが、37歳になって働いた焼き鳥店での経験だった。焼き鳥の奥深さを知り、修業の末独立した。「かみさんの親父さんが保証人になってくれなかったらこの店はできませんでしたね。もちろん反対されましたよ。失敗したら死ね。それくらいの覚悟ができてるか? ってね。1,800万の借金をして、5年で返しました」とご主人。現在、二代目として店を継ぐべく修業4年目の息子、耕一さんは言う。「お店を出すと言った時は嬉しかったですね。お父さんなら大丈夫だと思ったし。修業の頃は1週間に1度しか帰らないほど頑張ってたし」。同じく、父の店で働く娘の優希さんは「でも帰ってくると、必ず遊びに連れて行ってくれるんです」と思い出を語ってくれた。その話に「お父さんは、休みたかっただろうにね……」と、しんみりするきたろうさん。

次の焼き鳥「とりしろ」は、そんな修行中の耕一さんが焼いてくれる事に。鶏の食道を焼いたもので、弾力のある肉質と、軟骨のコリコリとした食感がたまらない。ひとくち頬張ったきたろうさんは「ちょっと塩加減が強いよ」。「いや、お酒がすすむ塩加減ですよ」と西島さん。塩ひと振りで好みが分かれる、それが焼き鳥の奥深いところ。そして最後の焼き鳥は、心臓と肝臓をつなぐ動脈を焼いた「中おち」。「今度はご主人が焼いてよ」と、きたろうさんの頼みで焼いてもらった「中おち」は、プリプリとした食感と塩加減が抜群。「うまいね、息子が焼いたのと全然違う」ときたろうさんが絶賛すると「塩加減は息子なんですけどね」とご主人。「俺の焼き鳥屋さんベスト3に入るよ」と、きたろうさんが話をごまかそうとすると、すかさず「ベスト3?」と、ご主人が鋭く突っ込む。これにはきたろうさんも思わず「参った、悪かったよ」と降参。そんなご主人の気さくな人柄を慕って、この店の常連さんは若い人が多い。しかもネクタイ姿ではなく普段のカジュアルな服を着て、リラックスして酒と焼き鳥を楽しんでいる。さらにこの日は、オープン以来の常連でシンガーソングライター浜田伊織さんが、オリジナル曲「ハイボール」を披露。大いに盛り上がって、最後に店にいる全員で「カンパーイ!」と雄叫びを上げる。元気な酒場は、活力を分けてくれる。そんなことを再認識できる一軒だ。

やきとり多伊夢の流儀
その壱

ももの付け根、骨盤の内側の筋肉がソリ。ソリレスとも呼ばれるが、これはフランス語が語源。正肉に近いが、歯ごたえが良くて癖がない。ソリ串(200円・税別)※数量限定メニュー
その弐

定番の焼き鳥のほか、鶏の内蔵系のメニューも評判の多伊夢。しかし内蔵は質の良さ、新鮮さが命。厳しく吟味された上でその日のメニューが決まる。
その参

塩は素材の善し悪しが分かってしまう、ごまかしのきかない調味料。ご主人が塩にこだわるのは、食材の新鮮さに強い自信があるからだ。
その四

心臓と肝臓をつなぐ血管の部分を「中おち」と呼ぶ。鶏1羽でもごく少量しか採れないため、一串に10羽分も必要になるのだとか。中おち串(200円・税別)※数量限定メニュー
きたろうさんから、やきとり多伊夢へ贈る「愛の叫び」 アっとホームなやきとり多伊夢 最高!!  ———きたろう
「やきとり多伊夢」
住所
電話
営業時間

定休日
東京都足立区竹の塚5-8-1
03-5686-5378
月〜木曜17:00〜24:00、
金・土曜17:00〜25:00
日曜・月曜(祝日の時のみ)
  • ※ 掲載情報は番組放送時の内容となります。

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