BS-TBS「〜癒・笑・涙・夢〜夕焼け酒場」 毎週土曜よる6:00〜6:30 BS-TBS
#224

貳古玉 一本堂

2019/2/16放送

ヤングセレブの街・二子玉川を
いつか酒場の街にしようと目論む
若き主人のアイデア満載の料理!

バンドマンが目指したもう一つの道

子育てをする若い主婦層に、絶大な人気を誇る東京世田谷区二子玉川。そんな一見すると“酒場不毛の地”と思われそうな街に、真ん丸の変わった提灯を掲げる「貳古玉 一本堂」がある。地下への階段を降りると、カウンターメインのちょうど良い広さの店内で、35歳の若きご主人・萩原裕介さんが迎えてくれる。中に手荷物を入れられるお茶箱を椅子代わりに、カウンターに座ると焼酎ハイボールで「今宵に乾杯!」。席に着く時から、きたろうさんと西島さんの目を捉えて離さなかったのが、うまそうな魚が並ぶケース。「じゃあ、最初はお刺身の盛り合わせから」というご主人に、大きく頷く2人。天然のブリとホタテ、ヒラメの昆布締め、ウニ・あん肝ポン酢。高級素材が美しく盛られ「こんなに美味しい刺身を出していたら、利益が上がんないだろ?」と、きたろうさん。故にこの刺身の名前は「赤字の刺盛」だ。

この「貳古玉 一本堂」は、オープンしてまだ1年。「もう毎日楽しいですね。お客さんも入るようになりました。最初は苦戦したんですけど、ギリギリ耐えました」とご主人。もともとバンドマンだったご主人は、メジャーデビューを目指していたが日の目を見られず、23歳の時に偶然入った「汁べゑ」という店の活気に衝撃を受け、酒場の世界へ転身。それから10年の修行を経て、この店を開店した。「二子玉川にはセレブなイメージがあったんで、あえてカウンターメインで、ふざけたことを言いながら呑める酒場をやりたいと思って。いつか二子玉川を三軒茶屋や恵比寿みたいな、酒場であふれる街にしたい。うちは、その先駆けになりたいんです」と語る。

二品目は「手羽先の塩昆布揚げ」。「添えてある塩昆布が、パリパリして美味しいので、一緒につまみとして召し上がってください」と言われ食べてみると、これが香ばしくて実に美味しい。さらに素揚げの手羽先は、塩昆布の塩気と昆布の旨味を吸い込み、つまみにぴったり。刺身の仕込みに手間がかかるので、手間を省くために塩昆布で揉んでみたら抜群だったという一品は、すでにこの店の看板メニューだ。

マスクをつけて待つ強烈な一品

赤字の刺盛

次の一品は「鰯の昆布締め焼き」。一緒に焼いたという梅干と一緒に、昆布締めをして焼いた鰯をいただくと、「塩加減もいい塩梅。昆布締めしてあるけど、ちょっと控えめというか、いい仕事をしている系の昆布の風味」と西島さん。「昆布は名脇役ですね。鰯って臭みがあるじゃないですか。その臭みを昆布が吸って、代わりに昆布の旨味が鰯に入るので、旨味が増えるんです。5日くらい熟成しています」とご主人。鰯が大好きなきたろうさんは、頬張りながら「手間暇が大変だね。あんまりこだわると、また赤字になっちゃうぞ」と笑う。そんなご主人の姿勢を、修行時代の部下で、現在、店長を務める佐々木雄介さんはこう語る。「ずっと背中がかっこいいなと思っていて、酒場に対する真っ直ぐな想いとか、僕にはないものだったので」。矢沢永吉に憧れてバンド活動をしていたご主人にとって、バンドも酒場も同じく真摯な姿勢で取り組み続けているからこそ愛されているのだろう。

「次の料理は、強烈な臭いがありますので、こちらを」と、スタッフから渡されたのはガスマスク! 登場したのはカンカンに熱くなった石の器と、真っ赤な「麻婆豆腐」。器に注ぐと飛び散る餡と、強烈な山椒の刺激的な香り。相当に辛いと思いきや、「なるほど〜、辛いけど、まだ大丈夫」というきたろうさんと「美味しい! 山椒がめちゃくちゃ効いていて美味しい。これ本格的なやつだ」と西島さん。ただ辛いだけじゃなく、野菜の甘みや旨味が十分に効いているからこそ、ファンも多いのだろう。最後の一品は「二子玉川ナポリタン」。小さな鉄板に、喫茶店で食べるあの正統派のナポリタン。そこにスタッフが割り入れてくれたのは、一つの卵に二つの黄身が入った双子の卵。「二子玉のスーパーで売っている卵は、全部これなんです」というご主人の冗談に笑いながら、半熟になるまできっちりかき混ぜて食べると、日本人のDNAに突き刺さる、理屈無しのうまさ! 味もカウンター越しの会話も、セレブの街なのに気取りがない。その肩の力を抜いた居心地の良さこそ、この店の何よりのご馳走なのだ。

「貳古玉 一本堂」の流儀

その壱

まずは赤字覚悟 小田原直送の刺身盛りを食すべし!

小田原の早川漁港から毎日仕入れる、その名も「赤字の刺盛」。醤油のほかに、室町時代末期に考案されたといわれる調味料「煎り酒」を用意。お酒、昆布、梅干し、鰹節などを煮詰めたもので、貝類や昆布締めと好相性。赤字の刺盛1,980円(2人前・税別)※仕入れにより内容と値段は替わる。

その弐

お店オリジナル 手羽先揚げを食すべし!

塩昆布で揉んだ後、1日漬け込んだ手羽先を使用。数種類のスパイスを加え、約4分間揚げる。手羽先揚げ1本200円(税別)

その参

一手間加えた焼き魚
鰯の昆布締め焼きを食すべし!

鰯に塩を振り、水抜きをした後、昆布で挟み、約5日間熟成させる。熟成 鰯の昆布締め焼き580円(税別)

その四

五感を刺激する名物 激辛麻婆豆腐を食すべし!

豚のひき肉、ニンニク、生姜を炒め、特製鶏ガラスープを加えた餡に、花椒を混ぜ合わせた一品。豆腐のほかトマトやピーマン、ナスなど野菜がいっぱい入っているのが特徴。有頂天 麻婆豆腐880円(税別)

その五

〆には必ず遊び心溢れる
名物 二子玉ナポリタンを食すべし!

4時間水に漬け太くした麺に、ケチャップを加え炒めたナポリタン。具にはウインナー、玉ねぎ、ピーマン、チーズなど。最後にふたごのの卵を絡めていただく。二子玉ナポリタン880円(税別)

きたろうさんから、貳古玉 一本堂へ贈る「愛の叫び」

二子玉川で成り上がる
ガスマスクでリベンジだ♡

―――きたろう

「貳古玉 一本堂」

住所
電話
営業時間
定休日
東京都世田谷区玉川3-20-2 B1
050-5595-3929
17:30〜24:00
不定休
  • ※ 掲載情報は番組放送時の内容となります。

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