BS-TBS「〜癒・笑・涙・夢〜夕焼け酒場」 毎週土曜よる6:00〜6:30 BS-TBS
#225

季節料理

くらたや

2019/2/23放送

父親の背中を失って初めて知る
暖簾を守るという使命
武蔵新田で磨き続ける腕と心

ボトル一本、子供のミルクとオムツ代

南北朝時代の猛将、新田義興公を祀る東京都大田区の新田神社。破魔矢発祥の地にして、最近はコスプレイヤーにも人気の神社だが、このすぐ目の前にあるのが「季節料理 くらたや」。創業42年目のこの店は、店を切り盛りする女将の北嶋百合子さんと、厨房で腕をふるう二代目の秀貴さん、そして笑顔で客をもてなす妻の華子さんによる家族経営の一軒。いつものように焼酎ハイボールで常連さんと乾杯し、最初のオススメ「お刺身5点盛り」をいただくことに。太田市場で仕入れるこだわりの魚は、この店の名物。マグロの大トロと、大分の天然真鯛、千葉のスミイカ、北海道のツブ貝に玄界灘のクエと、丸ごと日本を食べ尽くすラインナップ。「やっぱりクエからいっちゃうね」と、きたろうさん。「新鮮。甘いのがすごいな。魚なのに甘いんだぜ」と褒めると、鯛を頬張った西島さんは「ちょっと残した皮目が、香ばしくって美味しい。厚めに切っても、歯ざわりがいい」と包丁の腕を絶賛。

先代の尚泰さんと女将の百合子さんは、職場で知り合って結婚。2年後には子宝にも恵まれるが、尚泰さんが酒場の開業を目指し会社を辞めてしまう。「蒲田で飲んでいて、そこのマスターに“君はサラリーマンにむいてないよ。飲食店がいいよ”って言われて、その気になって」と笑う女将。ツテを頼り都内や埼玉の日本料理店で、厳しい修行時代を過ごし、4年後に自宅を改装し念願の酒場を開業。そしてこの年、お店を継ぐことになる秀貴さんが誕生する。開店当初は、地元の客に救われたという女将。「みんな“ボトル1本ずつ取れば、子供たちのミルクやおむつ代になるから、みんなとろうぜ”って、7本ぐらい取ってくれるんです。今思い出しても、涙が出るくらい」。しかし、曲がった事が嫌いで、厳格だった先代と秀貴さんは、折りが合わず“絶対に商売を継がない”と言っていたという。「金髪の友達が遊びに来たら、“その金髪ちょっと来い”と。お前、正座しろって(笑)」。頑固親父に反発し、建築現場で内装の仕事をしていたが、52歳という若さで先代が亡くなってしまう。そこで使命感を感じ、21歳で店を継ぐ決意を固めたが、その船出は厳しいものだった。

魚介の出汁を集約した絶品の味噌鍋

お刺身五点盛り

続いての料理は、佐渡で獲れた「寒ブリの塩焼き」。「焼き魚最高!」と喜ぶ西島さんの前に出てきたのは「うわっ、見ただけで脂がノリノリなのが分かる!」という逸品。焼き具合も抜群で、あまりの美味しさに「普段、こんなの出していないだろう!」と、きたろうさん。今や見事な腕前の二代目だが、店を継いだ当時は散々だったという。「ダメでしたね。“自分が食べたこともない魚を使ってんのか?”と、お客さんにも怒られたし」。修行経験もなく厨房に立ち、客や仕入れ先の信頼を得るため、厳しい言葉にも耳を傾け、自分自身の味を作り上げ、20年間にわたり暖簾を守ってきたのだ。次はボリュームたっぷりの「豚のカツ煮」。酒場ではあまり見かけないメニューだが、若い客にも評判だという。「うまい! お蕎麦屋さんにいるみたいだけど、なるほど、これは子供も喜ぶな」と、きたろうさん。「お肉も柔らかいし、味付けもしっかり甘めで、お酒に合うやつですね」と、西島さんも満足げ。

店を長く続けてこられたのは「いいお客様が、いたからです」と言い切る女将。常連さんに聞くと「やっぱり、刺身が美味しいですよね」、「満員でも顔を見ると“じゃあ中に入って”って言ってくれるの」と、確かな料理の腕と家族経営ならではの、暖かいサービスが、店の人気を支えているようだ。そんな「くらたや」の〆の料理は、今が旬の牡蠣と蛤を使った店自慢「牡蠣と蛤の味噌鍋」(1.5人前・1,500円・税別 ※冬季のみ)。岩手の牡蠣と千葉のハマグリを贅沢に使い、鍋の中に極上の出汁が仕上がっている。「おいしい出汁。ものすごい出汁が出ていますよ!」と、頬を上気させる西島さん。最後にきたろうさんが、二代目に“親父に伝えたいこと”を訊くと「とりあえず、やってるよって言いますかね。びっくりすると思いますよ、“まさか、おまえが!”って」。でも、今出している料理を、先代が食べればさらに言うはずだ。「精進したな」と……。

「季節料理 くらたや」の流儀

その壱

まずはご主人こだわりの刺身5点盛りを食らうべし!

太田市場で仕入れた、新鮮な素材を刺身盛りに。赤字覚悟の贅沢さで、この日はツブ貝(北海道産)、スミイカ(千葉県産)ウニのせ、クエ(福岡県産)、大トロマグロ、天然真ダイ(大分県産)の5点。お刺身5点盛り4,500円(3人前・税別)※仕入れにより内容と値段は替わる。

その弐

今が旬! お店自慢の寒ブリの塩焼きを食らうべし!

新潟県佐渡産の寒ブリを塩焼きに。脂ののった寒ブリを、絶妙の焼き加減で仕上げる二代めの腕も確か。寒ブリの塩焼き1,000円(税別)

その参

若い人に大人気 豚のかつ煮を食らうべし!

ボリューム満点のかつ煮は、しっかり甘みがありつつ、お酒のアテにもなる味付け。豚のかつ煮玉子とじ900円(税別)

きたろうさんから、季節料理 くらたやへ贈る「愛の叫び」

気負わない親子三人
ブリうまかった

―――きたろう

「季節料理 くらたや」

住所
電話
営業時間

定休日
東京都大田区矢口1‐22‐20
03-3759-9478
11:30〜13:30(土曜、日曜の昼は予約のみ)、17:00〜20:00(L.O)
月曜夜 不定休
  • ※ 掲載情報は番組放送時の内容となります。

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