BS-TBS「〜癒・笑・涙・夢〜夕焼け酒場」 毎週土曜よる6:00〜6:30 BS-TBS
#226

魚と心の居酒屋

のだぴん

2019/3/2放送

18歳の時から磨いた寿司職人の腕
新宿・歌舞伎町で酒場の主人に転身し
より磨きをかけたその腕前

新宿の誘惑に勝てなくて……

新宿・歌舞伎町といえば、日本一の歓楽街。それも西武新宿駅沿いの一角となると、ビル一軒一軒にびっしりと小さな店が入り、味や個性を売りに常連客をガッチリとつかんでいるエリア。「魚と心の居酒屋 のだぴん」もそんな一軒。ビルの3階の扉を開けると、そこは和風の落ち着いた店内で、大将の野田一彦さんと女将のきみ子さん、そして二代目の義彦さんが迎えてくれる。まずは常連さんと焼酎ハイボールで「今宵に乾杯!」。早速、最初の一品をお願いすると「お刺身がメインなんです」と女将。アワビを筆頭に、カンパチやヒラメなど6種盛りで、どれも切り方が贅沢。しかも素材感を損なわない切り方もお見事。西島さんが「カンパチの歯応え、すごいですね」と笑みを浮かべれば、「ヒラメもうまいな。刺身がどれもうまい」と、きたろうさんはえびす顔。

大将は18才で山梨県から上京し、東京・四谷で兄の営む寿司屋で働き始める。修行に出向いた岐阜で、知人の勧めもあり当時OLをしていたきみ子さんとお見合いをして結婚。家族を連れて東京に戻り、自分の店を構えたのは、39才の時だった。それまでの寿司職人から酒場の主人への転身について、大将は「寿司屋だと、私がずっといなきゃいけない。居酒屋だといなくても(店は)間に合う」と、なんとも人を食った理由。きたろうさんが「遊ぶ時間が欲しくて?」と訊くと、あっさり「そう!」。相当に遊び尽くしたというが、苦労も多かった。「(店を始めて)3年はダメだった。お客が入らなくて、この人が円形脱毛症になったり……。徐々に徐々に、お客さんからお客さんへと口から口で、なんとか増えましたけどね」と、女将は感慨深げに語る。

次のおすすめは、二代目が考案したオリジナル料理「椎茸のタタキ」。「鰹のタタキと同じように、玉葱を敷いてポン酢をかけて食べるので、タタキなんです。椎茸が苦手な方でもけっこう食べられます」という二代目の説明を聞いて頬張ると、噛んだ瞬間に椎茸のうまみが弾け出す。素揚げの椎茸とポン酢の相性も抜群で、箸が止まらない。

息子が太鼓判を押す、寿司職人としての腕前

あんこう鍋

二代目の義彦さんが店を手伝い始めたのは20年ほど前。一度は就職したが、バブル崩壊で店の経営が傾き、大将に女将、二代目と姉妹の家族だけで再出発を果たす。家族全員、2年間無休という働きづめの毎日を送り、経営危機を乗り越えたという。「最初は大変でした。父親といっぱい喧嘩して、まあ、徐々に馴染んでいったというか。でも継いで良かったです。生まれた次の日からココで寝かされていたとか、ずぅーっとこの店で育ったので」と二代目。「いい子供を生んだね」と、きたろうさんが言うと「やさしいですよ。主人とは180度違います」と女将。「主人が遊んでいなければ、家が建つくらいのお金がね、残っているはずなんですけど、ゼロですから」と追い打ちをかけられて、面目なさそうな大将。そんな“できた”二代目が、次に出してくれたのが「あんこう鍋」。それも高級なあん肝がたぁーっぷり! 「あん肝、いくつ入っているの?」と驚く西島さんを尻目に、豪快にあん肝を溶きほぐす二代目。この出汁がもう、絶品中の絶品! 「これはすごいですね。肝、こんな溶けちゃって。いやー、おいしい」と、西島さんの笑みが止まらない。

相当に遊んだと言う大将も、仕事は好きだと言う。これに関しては、女将も「いくら徹夜で帰ってきても、2日くらい帰ってこない時も、店に行けば仕事をしていましたから」と言う。最後の一品は、そんな大将の握り寿司。寿司職人歴50年。二代目も「寿司、魚に関しての腕はすごい。年をとるごとに腕の方も、もっともっと進化している」と褒めるほど。そんな大将の握りは、ネタ大きくて贅沢。「寿司は別腹っていうけど、これはうまいよ」と、きたろうさんが掛け値ナシの褒め言葉を言うと、「うーん! おいしい。満足感のあるお寿司ですね」と西島さんも満足げ。遊び好きだが生粋の職人。そんな職人が、歳をとるごとに美味い寿司を握る。表には見えずとも、そこには必ず努力が積み上げられている。常連さんが言う「大将には嘘がないからいい」と言うのは、つまりはそういう努力に裏打ちされ、みんながそれを分かっているからなのだ。

「魚と心の居酒屋 のだぴん」の流儀

その壱

まずはお店自慢の新鮮な刺身盛りを食すべし!

この日の刺身盛りは、アワビにカンパチ、ヒラメ、赤貝、タコと中トロの6種。のだぴん海鮮盛り2人前2,000円(税別)※仕入れにより内容は替わる。

その弐

二代目考案の人気メニュー 椎茸のタタキを食すべし!

国産の椎茸をカットし素揚げにしたものを、たっぷりの玉ねぎの上に乗せ、自家製ポン酢をかけていただく。お客さんからのアイデアをアレンジした一品だが、今や店の看板メニューに。椎茸たたき530円(税別)

その参

あん肝たっぷり あんこう鍋を食すべし!

出汁は、味噌にオイスターソース、お酒などを加えたもの。これにたっぷりのあん肝を溶かしていただく。具はあんこうにあん肝、春菊、エノキ、ネギ、筍や椎茸、豆腐など。あんこう鍋2,000円(税別)※要予約

その四

〆には必ず寿司職人の主人が握る
名物 握り寿司を食すべし!

歳をとるほどに、握りが上手になるという大将の握り寿司。この日はまぐろ(トロ)、ヒラメ、エンガワ、ウニと赤貝の5種類。お好み握り1,800円(税別)※値段はネタの内容で変わります。

きたろうさんから、魚と心の居酒屋のだぴんへ贈る「愛の叫び」

鷹が鷹を生んだ
あたり前のことが永遠のおいしさ。

―――きたろう

「魚と心の居酒屋 のだぴん」

住所

電話
営業時間
定休日
東京都新宿区歌舞伎町2-45-7
石井ビル3階
03-6273-8083
17:00〜24:00
月曜
  • ※ 掲載情報は番組放送時の内容となります。

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