BS-TBS「〜癒・笑・涙・夢〜夕焼け酒場」 毎週土曜よる6:00〜6:30 BS-TBS
#234

大衆割烹

春日

2019/4/27放送

心地よい雰囲気の中で絶品料理に舌鼓!
半世紀以上親しまれる人気酒場
暖簾を守る家族の絆の物語

“マスター”と“大将”の親子コンビ!?

池袋から7駅目、東武練馬駅から向かったのは、練馬区北町で昭和36年に創業した「大衆割烹 春日」。二代目主人の春日猛さん(69歳)と三代目を継いだ息子の浩さん(44歳)に迎えられ、まずは焼酎ハイボールで「今宵に乾杯!」。

「どちらが大将?」ときたろうさんが聞くと、「私は“マスター”で、息子が“大将”です」と、人がよさそうな笑顔の猛さん。店を切り盛りする父と調理場を担当する息子のコンビだ。「“マスター”と“大将”って、同じじゃん!」と笑いつつ、さっそく一皿目の「刺身盛り」を。この日は平貝、しまあじ、水だこ、マグロ(中トロ・赤身)の盛り合わせ。その豪華さと浩さんによる華やかな盛り付けに感激しながら、「新鮮! うまいよ、贅沢だな」と舌鼓を打つきたろうさん。

創業について、猛さんは「私が中学1年の時に、床屋だった親父が急に店を改装して。出来上がったのが飲み屋でびっくり。親父はしゃべりが楽しい人で、料理も得意でした。でも、私が21歳の時に亡くなって、飲み屋に変えたいきさつはほとんど聞いてないんですよ」。

理髪店を営んでいた猛さんの父・芳雄さんは、昭和36年に妻・すエさんと酒場を始めたが、その9年後、51歳で病に倒れこの世を去る。「最初は親の仕事がわけもなく嫌だった。でも母親を見ていて、これは手伝わないと、と感じたんです。おふくろは親父とふたりで築いたものを守ってほしかったんでしょうね」。全く料理経験のないまま、21歳で店を継いだ猛さんは、店のベテラン板前さんから様々な技術を学び、母・すエさんとともに店を切り盛りしてきた。しかし、優しかった母も58歳の若さで亡くなる。「これからゆっくりできる矢先だったのに」と寂しさが滲む猛さん。

三代目が腕を振るう手間の掛った料理の数々

けんちんうどん

次のおすすめは、自家製味噌で漬け込んだ「サワラの西京焼き」。「身がふかふかでおいしい〜。三代目の魚料理、レベルが高い!」と感心する西島さん。料理の世界を目指したのは「高校卒業後、母親に調理師学校を勧められて」という浩さん。調理師学校を出てからは、和食店などで8年間修業し、結婚を機に父の店へ。浩さんの妻・志保子さんも子育てしながら店を手伝い、二人を支えている。「本当にいい嫁。よくやってくれている」という猛さんの言葉に家族の絆が感じられる。9年ほど前に浩さんが店を継ぎ、猛さんは「お客さんへの応対は指図しますが、料理は任せてます」と言うも、「料理は三代目の方が上でしょう!?」ときたろうさんに突っ込まれてタジタジ……。それでも、「ここでやっていること自体が父への尊敬です」と言葉少なに話す浩さんに「初めて聞きました。照れるね」と相好を崩す猛さんだった。

次の料理は三代目考案の「ゆば春巻き」。ゆば入り特製の餡、大葉、えび、アスパラを生地で巻き揚げる。「これは食べたことないよ!」ときたろうさん。「ゆばの風味がすごい。揚げた皮に負けず、絶妙」と西島さんも絶賛すると、浩さんのクールな表情の裏に自信が垣間見える。

21歳で酒場を継いで、「嫌いだった商売が面白くなったし、人とのつきあいが広まった」と猛さん。「奥さんの教育があったんじゃない!?」というきたろうさんに、「あの世で喜んでるだろうなぁ」とつぶやく。猛さんを支えてきた妻・弥生さんも、13年前、55歳で早逝したそう。驚きを隠せないきたろうさん、「生きてるだけで感謝だね」としみじみ。

ここで次のおすすめ「アナゴの棒揚げ」が登場。カレー塩で食す大ぶりなアナゴ天に「発想が独創的!」ときたろうさん。がぶりと頬張った西島さんも「身が厚い! カレーが合いますね」と大興奮だ。

猛さんの代で改装した店内は現在約90席。改装を手伝った46年来の常連客・三好康之さんは、「毎朝、店の前を掃除していた、すエさんが『いってらっしゃい』と声かけてくれて。それで帰りに毎日寄るようになった」と話す。そんな母の味「けんちんうどん」が締めの一皿。煮込んだ野菜を一晩以上寝かせて味を染み込ませる具沢山の一品に「いい出汁。うまい」、「うどんもおいしい〜」と感嘆の声がもれる。

三代目・浩さんの夢は「店を立派に守っていくこと。自信はあります。そのためにも父には長生きしてもらわないと」。そう聞いて、「お客様が気持ちよく和める場所を提供し続けたい」と幸せそうな笑みがこぼれる猛さん。「親父を見てると、客に対する笑顔がカワイイんですよ。三代目はあの笑顔を学べばいいんだね」ときたろうさんもほっこり。親子の絆と家族の愛を感じる、心温まる酒場だった。

「春日」の流儀

その壱

まずはお店自慢の新鮮な刺身盛りを食すべし!

平貝・しまあじ・水だこ・マグロ(中トロ・赤身)と豪華な一品。
新鮮な刺身にきたろうさんも思わず「贅沢だな〜」。
刺身盛り(2〜3人前)/2000円(税別)
※仕入れにより内容が異なります。

その弐

自家製味噌で漬けこんだ鰆の西京焼きを食すべし!

自家製味噌に2日間漬け込んだサワラを約10分間焼き上げる。
フワフワとした食感は間違いない一品。
サワラ西京焼き/750円(税別)※春季のみ

その参

三代目考案の人気メニュー
ゆば春巻を食すべし!!

ゆば入りに特製餡・大葉・えび・アスパラを生地で巻き揚げる。
ぎっしりと身が詰まった春巻はしっかりとゆばの風味が。
ゆば春巻/630円(税別)

その四

お店オリジナルのカレー塩で穴子の棒揚げを食すべし!

カレー粉と塩を独自にブレンド。
店主が食べて美味しかったので、お店でもだそうと思いついた一品。
穴子の棒揚げ(特製カレー塩付き)/550円(税別)

その伍

〆には必ず 母の味
けんちんうどんを食すべし!

煮込んだ野菜を一晩以上寝かせ味を染み込ませている。
具沢山の野菜に旨味がたっぷり詰まっている。
穴子の棒揚げ(特製カレー塩付き)/550円(税別)

きたろうさんから、大衆割烹 春日へ贈る「愛の叫び」

父と息子
その後ろに感じる母の愛
おいしゅうございました。

―――きたろう

「大衆割烹 春日」

住所
電話
営業時間
定休日
練馬区北町2−36‐27
非公開
17:00〜24:00
盆・正月
  • ※ 掲載情報は番組放送時の内容となります。

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