心も体も癒される銭湯のような大衆酒場
夫婦が支え合い築き上げる
毎日通いたくなる味と値段と心地よさ
名店直伝の絶品もつ料理を堪能!
東武東上線で池袋駅から6駅、板橋区・上板橋で平成28年に創業した「大衆酒場 須賀乃湯」。扉を開くと、賑わう店内に威勢のよい女将のかけ声が響く。きたろうさんと西島さんはさっそく焼酎ハイボールで「今宵に乾杯!」。厨房で腕を振るうご主人・上村裕幸さん(41歳)と明るい笑顔が印象的な女将・久美子(39歳)さんが、夫婦で店を切り盛りしている。
最初のおすすめは名物の「もつ煮込み」。豆腐が入った白味噌ベースの煮込みに「食べやすくて、おいしい!」と早くも魅了されたふたり。ご主人こだわりの豆腐も「大豆の味がしっかりしていて、なめらか。モツに負けてない」と西島さんも箸が止まらない。
練馬区で生まれ育った裕幸さんは、学生時代の焼き鳥屋でのアルバイトがきっかけで飲食業界へ。大学卒業後、地元のダイニングキッチンで働き始め、29歳の時、板橋区大山にあるもつ焼きの名店「鏑屋(かぶらや)」に転職。8年間の修業を経て、38歳で上板橋に店を開業した。実は、裕幸さんが「鏑屋」を辞めて開店準備をしていた頃、きたろうさんと西島さんは「鏑屋」を訪れている(2016年3月放送)。「今の自分があるのは鏑屋のおかげ。感謝しかない」と裕幸さん。「親方には、店をやっていく上での姿勢を学ばせてもらった。ずっと背中を追い続けたい」という。「そうやって師匠を尊敬するって大事だね。これから先、鏑屋を超えたって時期がくるかもしれないね」ときたろうさんもエールをおくる。
次は鏑屋の味を受け継ぐ「もつ焼き」を。「スタミナ焼き」は豚ハラミにニンニク入りのタレを揉み込んで焼き上げる。「やわらかい。ニンニクの加減もいい」と西島さん。「シロ」はたっぷりのタレで。「歯ごたえと味のバランスが素晴らしい」ときたろうさん。「噛めば噛むほど味が! 焼き方も上手。鏑屋さん仕込みですね」と西島さんも感心しきり。特製タレは壺の半分を鏑屋の親方から引き継いだそう。
飾らない女将の笑顔に元気をもらう
もつカレー
「修業時代も店長を任されましたが、自分の店となるとやっぱり違う。独立しても毎日修業」という裕幸さん。久美子さんとの結婚は大きな支えになっている。裕幸さんと同じく板橋区出身の久美子さんは、専門学校卒業後、アパレル会社に就職。26歳の時、裕幸さんが働いていた店に客として訪れ、交際がスタート。4年後に結婚し、開業後は会社を辞めて店を支え続けている。
「天職だよね! 元気がよくて」ときたろうさんが言うと、「お客さんに元気になってもらいたくて」と女将。「家では7,8年笑顔を見てない(笑)」というご主人に、「毎日夫婦で働くのは結構大変。明日には離婚!? なんてこともたびたびですが、3人いる子供たちの笑顔に支えられてます。結果的にこんないいお客さんに恵まれて、毎日楽しい!」とフォローも忘れない。
次のおすすめは「ガツ刺」。「箸休めにいいね」ときたろうさん。ガツ(豚の胃袋)を下処理後加熱し、酢醤油とごま油でさっぱりいただく。「ほんと食べやすくておいしい!」と西島さんも大満足だ。
一風変わった店名の由来は、「祖父母の代から実家が経営していた銭湯の名前。平成23年に廃業しましたが、祖父母と両親の思いを受け継いで、店名に残した」という。幼い頃から慣れ親しんだ銭湯をイメージして、店内には富士山の画も描かれている。「いいじゃん! お風呂入りながら飲んでる感じがするよ」ときたろうさん。ご主人は「いつかカウンターに足湯をつけたい」とも!
8年前に銭湯を閉めた裕幸さんのご両親は、今は酒場の仕込みを手伝い、息子夫婦を陰から支えている。そんな一品「レバカツ」が続いての料理。新鮮なレバーを揚げて甘めの特製ソースでいただく。「これは食べたことない、おいしい」ときたろうさんも舌つづみ。
店を続ける秘訣は「やっぱり夫婦仲よく」と笑うご主人。女将は「そこですかー!」と応えながらも、「日々気を抜かず、お客さんが安心できる場を提供することが一番。主人と一緒に店をやれたのはよかったです」と言うと、ご主人も「感謝ですね。店が賑わうのはママのおかげ」と照れつつも素直な思いがあふれる。
最後の締めは「もつカレー」。一口食べた西島さん「たまらんっ! スパイシーでお酒が飲めるカレーですね、最高!」。「うまいなぁ〜、もつとカレーとスパイスが合う。これだけで店に来る価値があるよ」ときたろうさんも絶賛だ。
これからの夢は、「子どもたちのためにも、今以上に頑張って店を続けていくこと。あとは、もう一人子どもがほしい(笑)」というご主人に、女将は赤面、店内大ウケ! 最後に「ご主人にとって酒場とは?」と尋ねると、「心も体もぽかぽかになる銭湯のような場所」と答えて、今度は満場一致の大拍手。「素晴らしい!」と店内は大盛り上がりなのだった!