BS-TBS「〜癒・笑・涙・夢〜夕焼け酒場」 毎週土曜よる6:00〜6:30 BS-TBS
#241

鳥ひろ

2019/6/22放送

先代から店を受け継いだ若き二代目主人
師弟の絆から生まれる熱い思いを込めて作る
他では食べられない絶品鶏料理の数々

女性ひとりでも落ち着ける居心地よさ

今宵の舞台は葛飾区・高砂。東京に地下鉄が走り出す(1927年)以前からすでに常磐線や京成線などが充実していたこともあって、東京23区のなかで唯一、地下鉄が走っていないという葛飾区。京成高砂駅を降りて訪れるのは、昭和52年に創業した「鳥ひろ」。店に立つ若い男性を見て、思わず「バイト?」と尋ねるきたろうさんに、「二代目です」と笑顔で答えるご主人の太田悠介さん(35歳)。従業員の大宮将太さんも26歳という若さだ。「学生みたい」と冗談を言いながら、まずは焼酎ハイボールで「今宵に乾杯!」。「女性一人でも来やすい雰囲気だね。大将が安心感を与えるんだな」と居心地のよさを実感する。

最初のおすすめは、「鳥の希少部位」。「白レバー」と「むね元」を塩で。「むね元」は、むね肉よりもパサつきが少なく、「脂がのってジューシー。なかなか食べられないですよね」と感激する西島さん。きたろうさんは、「レバーの焼き方がうまい! 高級料理店みたいだ」と言うと、西島さんも「やわらかくてなめらか〜」と舌つづみを打つ。

店を継いで3年目の悠介さん。両親の知人だった「鳥ひろ」の先代主人・前田健一さんに声を掛けられ、16歳の時にアルバイトを始めた。35歳離れた師匠とふたりで店に立ち、師匠の背中を見続けるうちに、自身も酒場の世界で生きていくことを決意する。

「先代は昔ながらの職人気質。たぶん一度も褒められたことはない」と笑う悠介さん。先代に「視野を広げるために他の店で修業してこい」と言われ、和食割烹で約2年修業。しかし、板前修業の厳しさに途中で挫折し、料理の仕事を辞めようと思ったという。先代に相談した悠介さんは、もう一度「鳥ひろ」でアルバイトからやりなおすことに。

続いても「鳥の希少部位」を。今度は「くだ」と「つなぎ」をタレでいただく。「くだ」は食道。「ぷりぷりした噛みごたえでおいしい」と西島さん。しっかりした歯ごたえが特徴の「つなぎ」は心臓と肝臓をつなぐ大動脈部分。「内臓っぽさと赤味感もあって、食感もコリコリ」とこちらも気に入った様子。希少部位をはじめたのは「鶏に特化した店にしたかったから。他では食べられないものを出したくて」と熱がこもる。

師匠から託された店を守る覚悟を胸に

希少部位2本セット タレ

アルバイトから再出発した悠介さん。「先代には料理の技術も含めて、接客の仕方など、すべて教わった」と言う。29歳の時には、先代の後押しもあり、目黒区・西小山に自分の店を開業。開店後、店はすぐに人気店となったが、独立から3年後、師匠から電話で「戻ってこないか?」という意外な言葉を聞く。「師匠ははっきり言ってくれなかったのですが、奥さんから余命が長くないと聞いて…… 」と当時を振り返り、涙をこらえるご主人。「先代から店を継いでほしいと言われ、迷いました。でも後悔はしたくなかった」と自分の店を手放し、「鳥ひろ」に戻ることを決めた。その2か月後、前田さんは帰らぬ人に。悠介さんは師匠が自分に託した思いを胸に、「鳥ひろ」を再開した。

続いては、先代から受け継いだ「鳥モツ煮込み」を。「うわ、ダシすごい!」と喉を鳴らす西島さん。「これ味噌じゃないですよね? かといって醤油でもない?」という西島さんに、「いえ、両方入ってます(笑)」とご主人が明かすと、赤面&大笑い。味や風味が違う部位を5時間煮込むという。「濃厚な鶏のスープ。身はほどける感じで、すごくおいしい」。「鶏はやっぱりダシが出るな〜」と感心しきりのふたりだった。

先代の頃から通う8年来の女性常連客は「二代目も応援してます。味も変わらない」と話す。さらに別の女性客が来店すると、「お客さんみんな女性。大将がかわいいから」ときたろうさん。常連さんも「かっこいい。イケメンでしょ」と、大将の人気ぶりが伺える。

ここでボリューム満点の「もも肉おろしのせ」が登場! 焼いたもも肉を酢醤油で味付けし、大根を山のように豪快に盛り付けてある。「これはインスタ映え狙ってるだろ!?」ときたろうさん。西島さんは「もも肉と酢醤油もあうし、すごくさっぱり。女性客にも好評でしょうね」と絶賛。当然、二代目が考案したメニューかと思いきや、「先代からのメニュー。インスタ映えではありません!(笑)」。

最後の締めは二代目オリジナル「鳥ひろの釜飯」。羽釜でふっくら炊き上がった具だくさんの釜飯を混ぜながら、「おいしそう〜。 お焦げもできてる!」と大興奮の西島さん。きたろうさんは一口食べて、そのおいしさに思わず唸る。「鶏のポテンシャルがすごい」。「やっぱり炊き立ては旨いねっ」とふたりの箸はもう止まらない。

「お客さんにおいしいと言ってもらうが一番の幸せ」というご主人にとって、酒場は自分の人生が変わった場所。師弟愛が生み出した、料理も雰囲気も“いい味”がする、うれしい一軒だった。

「鳥ひろ」の流儀

その壱

まずは鳥の希少部位を塩で!
「白レバー」と「むね元」を食らうべし!

むね元は、むね肉の中でもパサつきが少ない部位。
白レバーは鳥の脂肪肝。脂身が多く、臭みが少ない。
希少部位2本セット(白レバー、むね元)(塩)/各200円(税込)

その弐

続いて鳥の希少部位をタレで!
「つなぎ」と「くだ」を食らうべし!

くだはプリプリとした食感が特徴の鳥の食道部分。
つなぎは心臓と肝臓をつなぐ大動脈部分でしっかりとした歯ごたえが特徴。
希少部位2本セット(つなぎ、くだ)(タレ)/各200円(税込)

その参

ボリューム満点!
もも肉おろしのせを食らうべし!

一度焼いたもも肉を酢醤油で味付けし、
大根を豪快に盛り付ける。
もも肉おろしのせ/780円(税込)

その四

2代目のオリジナル!
必ず鳥ひろの釜飯を食らうべし!

具材と鳥肉を自家製ダレと一緒に羽釜で約30分かけて炊き上げる。
〆にはたまらない一品。
鳥ひろの釜飯(一合)/850円(税込)

きたろうさんから、鳥ひろへ贈る「愛の叫び」

師匠愛が最高味付けコケコッコー!!

―――きたろう

「鳥ひろ」

住所
営業時間
定休日
葛飾区高砂5−36−9
18:00〜24:30
日曜
  • ※ 掲載情報は番組放送時の内容となります。

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