BS-TBS「〜癒・笑・涙・夢〜夕焼け酒場」 毎週土曜よる6:00〜6:30 BS-TBS
#246

名舌亭

2019/7/27放送

先代の牛タン料理の味を引き継ぎ
暖簾を守り続ける若き二代目
料理を愛し、こだわりを追求する男の物語

小学生時代からとにかく料理が好き!

今日の舞台は北区王子。「何度もお邪魔している楽しい街」と西島さんが言うように、ふたりには馴染みのあるエリアだが、今宵の酒場は隠れ家的存在。通りから見える看板には「名舌亭(めいたんてい)」とあるも、入口が見当たらない。「どこ?」と、いぶかりながらビルの隙間の細長いアプローチを進むと、突き当りに扉が! 迎えてくれたのは、二代目ご主人の堀江高広さん(33歳)だ。きたろうさんが「ダジャレだろ!」と思わず突っ込む店名は、「牛タンがメインなので」とのこと。昭和56年に、先代が宮城県で食べた牛タンのおいしさに惚れてこの店を開業し、名付けたのだという。

店名の由来が分かったところで、ふたりは、いつものように焼酎ハイボールで「今宵に乾杯!」。さっそく最初のおすすめ「刺身盛り合わせ」をいただく。毎朝、ご主人が豊洲市場で仕入れる新鮮な魚に「贅沢だなぁ〜」ときたろうさん。色艶美しいマグロを食べて「生はやっぱり密度が違う」と西島さん、「アオリイカもねっとりしておいしい〜。マコガレイは新鮮な弾力で歯ごたえがすごい!」と大感激。

王子で生まれ育った高広さんは、料理人を目指して調理師専門学校に通うも、「早く現場に立ちたい!」と、1カ月で中退。イタリアンレストランや天ぷら店などで修業を積み、21歳の時に、父親の紹介で、先代ご主人・秋山修さんの店「名舌亭」で働き始める。それから7年後、70歳で引退する秋山さんから、店を受け継いだ。「小学校の頃から、料理を作るのも、人に食べてもらうのも好きで、いつか料理人になりたいと思っていた」という高広さん。当時から「自分が作ったものをおいしいと食べてもらう喜びは大きかった」と振り返る。

ここで、先代から受け継ぐ名物「牛タンステーキ」が登場! 鉄板の上でジュージュー焼ける分厚い牛タンに声を上げるふたり。「噛めば噛むほど旨い!」ときたろうさん。西島さんも「すごく分厚いのに、歯切れがいい。シンプルなのにどうしてこんなにおいしいの!?」と感動する。出産経験のない雌ウシのみを使うそうで、「仕入れ先から信頼関係でまわしてもらう」こだわりの旨さなのだ。

100%の情熱を注ぐ本格手打ちそばに感激!

舌ステーキ

先代からは、「仕入れ先は浮気するな。ちゃんと目で見て買ってこい」と常に言われ、目利きをしっかり学んだという。「怖くて厳しかったが、今でも何かあればすぐ相談する“第二の親”的な存在」。そんな先代から店を継いで6年、悔しい思いも経験した。「マスターがいないからと、食べもしないで帰ってしまう人もいた」とご主人。「残すものは残し、自分らしさもプラスしないといけない。でも応援してくれる人も多くて、店を継いだことは後悔してません」とさわやかに笑う。「味を引き継ぐって本当に大変なんだよね」ときたろうさんもしみじみ。

次のおすすめは、ご主人考案の自家製「さつま揚げ」。魚のすり身にイカ、紅生姜、ネギを混ぜ合わせて揚げ、お酒に合うよう甘さは控えめ。「これはつまみになる」「魚の味の濃さが違う」と大満足のふたり。

続いてご主人オリジナル「出汁巻き玉子の牛テールあんかけ」と聞いて、「斬新!」と興奮気味の西島さん。2日間煮込むという牛テールはホロホロほぐれ、相当な手間を感じる。「ラクしたいと思う時はないですか?」と尋ねると、「いや、もうやりたいんですよ、料理。できる限りなんでもやりたい」と、どこまでも真っ直ぐだ。店を続ける秘訣は、「飽きないこと。同じことでも毎回少しずつ進化を求める」という。「いつもお酒をメインにして新しい料理を考えています」とご主人が言うと、「えらい! それでこそ酒場だ」ときたろうさんも満面の笑みだ。

最後の〆は「手打ちそば」。「おかしいよ! ここ酒場でしょ?」ときたろうさんがいうと、「100%の情熱を注いでます」と穏やかながらも瞳に力がこもる。そば作りは8年前から独学で学び追求してきた。丹精込めてつくるそばに、そば好きのきたろうさんも「うまい! 100点!」と太鼓判を押す。「妥協は一切なし。麺つゆも手作りで、そば湯もこだわってます」。打ち粉をたっぷりかけて、濃厚でとろみのある蕎麦湯に仕上げるのだそう。「こだわりすぎじゃないの?」ときくと、「それがいいんです。楽しいです」。

「いずれはここを任せて自分が出ればいいと思ってます。自分だけよければいいんじゃないので」。それを聞いたきたろうさん、「渋沢栄一だね。自分さえもうかればいいという発想を渋沢は否定してる。『論語と算盤』、最近読んだ」と、王子ゆかりの偉人を引き合いに出して得意気に語りつつ、「33歳に教わっちゃったよ」と笑う。

「酒場は出会いの場。毎日いろんな人と出会えることが刺激になるし、料理をおいしいといってもらえるのもテンションがあがります」。親しみやすい笑顔の裏にあるこだわりと実力。進化が止まらない酒場だ。

「名舌亭」の流儀

その壱

まずは毎朝豊洲市場から仕入れる 新鮮な刺身盛りを食すべし!

毎朝、豊洲市場まで足を運び新鮮な魚を見極める。この日は、本マグロ(中トロ・赤身)、マコガレイ、アオリイカ。
刺身3点盛り1,800円(税別)
※内容は仕入れにより異なる。

その弐

先代から受け継ぐお店の名物 牛タンステーキを食すべし!

国産の出産を経験していない雌ウシを仕入れ、塩・胡椒・醤油でシンプルに味付けする。
舌ステーキ 2,800円(税別)

その参

ご主人考案 出汁巻き玉子の牛テールあんかけを食すべし!

2日間煮込んだ牛テールを自家製出汁に入れ、巻き玉子と一緒に温める。
出汁巻き玉子 牛テールあんがけ 780円(税別)
※仕入れ次第

その四

〆には必ずご主人が情熱を込めた 手打ちそばを食すべし!

北海道産の厳選されたそば粉を使い、毎日手打ちする、9:1のそばを、醤油、ザラメ、みりんなどで作った自家製麺つゆで。
せいろ 980円(税別)
※1日15食限定

きたろうさんから、名舌亭へ贈る「愛の叫び」

どんな味も
解き明かす
名探偵

―――きたろう

「名舌亭」

住所
営業時間
定休日
東京都北区岸町1-3-4
16:00〜24:00
日曜、祝日
  • ※ 掲載情報は番組放送時の内容となります。

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