BS-TBS「〜癒・笑・涙・夢〜夕焼け酒場」 毎週土曜よる6:00〜6:30 BS-TBS
#248

はじめ

2019/8/24放送

麻布十番の隠れ家老舗酒場
こだわりの食材を使った
贅沢“家庭料理”に舌つづみ!

34歳でサラリーマンから酒場の世界へ

今宵の酒場は、港区麻布十番にある昭和39年創業の「はじめ」。商店街から路地を入った一角の隠れ家的な雰囲気に、「いい感じだねぇ」ときたろうさんの期待が高まる。出迎えてくれたのは、三代目主人の西山功さん(78歳)とオーナーの新井由美子さん(61歳)、板前の川村勇さん(60歳)だ。

いつものように焼酎ハイボールで「今宵に乾杯!」したら、まずはお通しに、おばんざいから好きなものを。きたろうさんは好物のポテトサラダ、西島さんは沖縄産モロヘイヤのおひたしをいただいて、さっそく舌つづみ。

最初のおすすめは、名物の「肉じゃが」。「ちょっと変わったポトフ風」というスープ多めの肉じゃがは、35年変わらぬ味だそう。「おしゃれだなぁ、麻布って感じだね」ときたろうさん。ホクホクした食感と甘味が特徴の静岡県三方原産男爵いもを、たっぷりのダシ汁で煮込む。「あ〜、おいしい。 スープも旨い!」

以前は同じ港区の天現寺にあったという「はじめ」。二代目主人・新井欣三さんの姉、小川ヤエさんが、昭和39年、それまで経営していた天現寺のスナック「エース」を閉め、大衆酒場「はじめ」を開業した。店名は、「エース」(1)を和名にして「はじめ」(一)。開業と同時に弟の欣三さんが店を手伝い始め、昭和60年、立ち退きによる麻布十番への移転を機に、欣三さんが二代目として店を受け継いだ。

平成6年に欣三さんは由美子さんと結婚するが、10年後、病に倒れ、帰らぬ人に。「主人はトロけるように優しかった」と由美子さん。「味にはすごく厳しかった」とも。多摩美術大学卒の欣三さんは、器用で料理のセンスもあり、新しいメニューを考案しては増やしていったのだそう。

一方、西山さんは、当時、天現寺で働く電機メーカーのサラリーマンで、「はじめ」の常連客だった。34歳の時に初代女将のヤエさんに誘われて、「はじめ」で働くことに。「客として座ってると、『忙しいから手伝って!』なんて言われて。仕事もやめて手伝うことに。今から考えると、なぜかと思うけど、成り行きというか……(笑)」

「それから40年以上! 人生どうなるか分かんないね」ときたろうさんも驚くばかり。「酒場の世界は大変ですよ。今の世の中、食べ物はなんでもあるしね。人との関係がやっぱり大切。お客さんとの会話とか。まとわりつくのもどうかと思いますしね」と話す西山さんの距離感は絶妙だ。

オーナーと三代目主人の不思議な絆

うに丼

ここで、先代考案の「いわしの紫蘇巻き」が登場! 長ネギをいわしと大葉で巻いて揚げた、手の込んだ一品に「旨い! いわしが新鮮」と感動するきたろうさん。「揚げたてフワフワで、ジューシー。ネギもいいアクセント」と西島さんも絶賛。

一料理人として働いていた西山さんだが、二代目の欣三さんが亡くなった15年前、オーナーの由美子さんに頼まれて、店の味と看板を背負っていく決心をした。「戦友ですよ!」と由美子さん。「ずっと一緒に戦ってきたから。主人が亡くなった時も、店を閉めようかと思ったけれど、彼がいたからもう一回頑張れた。本当に助けてもらってます。『はじめ』イコール『西山』。心から尊敬してます」。そんな様子に「兄妹みたいだね」ときたろうさん。家族のような、夫婦のような、このふたりならではの絆だ。

次のおすすめは「くじらのステーキ」。刺身でもいける新鮮な生のクジラ肉をバターとニンニク、醤油で香ばしく焼き上げる。一口食べて「やわらかい! これは新鮮だね」ときたろうさん。「なんておいしいの! タレも絶妙でたまらない」と西島さんも興奮止まず。

会社を辞めて酒場に入る際、家族の反対はなかったという西山さん。その後、西山さんの奥さんも中央区の人形町で店を開業したそうだが、「そこに入ろうとは思わなかった。四六時中一緒なのもねぇ、耐えられないというか……」と苦笑すると、「女房よりオーナーを選んだんだ(笑)」ときたろうさんが突っ込む。すると由美子さんが、「でも、奥さんと知り合ったのは天現寺のお店でしょ! そこ、ちゃんと言わないと」と、西山さんに喝! そんなやりとりを見て、「おもしろいね、ふたりの関係。相当強いね、オーナーが」と笑うきたろうさん。「飲むとスゴイですよ」ぼそりと呟く西山さんに「うっせぇ!」と容赦ない由美子さんなのだった(笑)。

最後の締めは「うに丼」! と聞いて目を輝かせる西島さん。ほどよいサイズの茶碗に、たっぷり盛られたツヤツヤな北海道産むらさきうに。大きな口でぱくりといけば、西島さんは、もう、うっとり。「素晴らしい、たまりませんね。なんていい酒場なの」と感激するばかり。

「酒場とは、いろんな職業や過去を持つ人が集まる場所。つながりを大事にして、それに応える食べ物を提供する。お客さんとのコミュニケーションが、自分にとっても、店を続ける力になります」。オーナーと西山さんの味あるコンビが、舌も心も満たしてくれる、大切にしたい隠れ家酒場だ。

「はじめ」の流儀

その壱

まずは好きなお通しを選んで食すべし!

ポテトサラダや焼きナス、おひたしなど、カウンターに並ぶおばんざいからお好みで。
おばんざい(お通し)1品500円(税別)
※仕入れにより内容は異なる

その弐

お店の名物 肉じゃがを食すべし!

ホクホクした食感とほのかな甘みが特徴の静岡県三方原産の男爵いもを使い、玉ねぎ、豚バラ肉とともにダシ汁、塩、こしょう、醤油を加えて煮込んだ、スープ多めのポトフ風。
肉じゃが900円(税別)

その参

先代が考案した人気メニュー いわしの紫蘇巻きを食すべし!

長ネギを醤油に漬けたいわしと紫蘇で巻き、約170℃の油で5分ほど揚げる。
いわしの紫蘇巻き1,300円(税別)
※仕入れ次第

その四

鮮度抜群 くじらのステーキを食すべし!

生のクジラ肉に塩・胡椒で下味をつけ、バター・ニンニク・醤油で焼き上げる。
くじらのステーキ2,100円(税別)
※仕入れ次第

その伍

〆には必ずお店の名物 うに丼を食すべし!

ほどよいサイズ感の茶碗に北海道産のむらさきうにをたっぷりのせた贅沢な一杯。
うに丼(小)2,000円(税別)
※仕入れ次第

きたろうさんから、はじめへ贈る「愛の叫び」

オーナー
西山さん
料理と気のつかい方は、一(はじめ)

―――きたろう

「はじめ」

住所
営業時間

定休日
東京都港区麻布十番1-5-4 藤田ビル
月〜金曜 17:00〜23:00
土曜   17:00〜22:00
日・祝
  • ※ 掲載情報は番組放送時の内容となります。

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