BS-TBS「〜癒・笑・涙・夢〜夕焼け酒場」 毎週土曜よる6:00〜6:30 BS-TBS
#251

六文銭

2019/9/14放送

復興が進む宮城県石巻市へ!
三陸沖の獲れたて魚介ならでは
新鮮素材を味わう絶品料理に大感激

鮮度抜群!「殻付き生うに」に舌つづみ

「宮城で海の幸食べ尽くしスペシャル」第2弾は、石巻市へ。黒潮と親潮がぶつかる三陸沖は魚類が豊富で、世界三大漁場のひとつに数えられる。甚大な被害を受けた東日本大震災から約8年、徐々に元の姿を取り戻しつつある石巻で訪れたのは、創業41年目を迎えた「六文銭」。賑わう店内で、ご主人の遠藤芳雄さん(66歳)と女将のひで子さん(64歳)が迎えてくれる。さっそく、ふたりは、焼酎ハイボールで常連さんたちと「今宵に乾杯!」。

最初のおすすめは、「殻付き生うに」。何も手を加えず、殻を開けただけの生うには、身もぎっしりで新鮮そのもの。思わず「高そう!」と声をあげる西島さんに、「うちは高くないですよ。今日は500円ですね」と笑う女将。たっぷりのうにをスプーンですくって食べると、「すごい香り。口の中ですぐ溶けちゃう。これがワンコインなんて!」と西島さんの興奮が止まらない。

44年前、ご主人の芳雄さんは修業先で出会ったひで子さんと結婚。2年後、長女の誕生をきっかけに独立を決意し、周囲の大反対を押し切って、昭和53年に店を開業した。後に引けないという覚悟を込めて、三途の川の渡し賃を意味する「六文銭」を店名にしたそうだが、オープン当初は「1週間も客が入らず、どうしようかと思った」とご主人。「本当に大変でした」と女将も当時を振り返る。

次の料理は、石巻で水揚げされた新鮮な「ほや」。「ちょっと食べづらいので、刺身と味噌焼を盛り合わせで」とご主人。刺身を恐る恐る口に運ぶきたろうさんだが、「赤貝かと思った」と意外なおいしさにビックリ。西島さんも「あれ!? おいしい。今まで食べたほやは、独特な香りがしたけど、これはさわやか」とパクパク。「足の早いほやは鮮度との戦い。今朝、水揚げされたばかりだから臭みがないんです。明日になると匂いが出るので、使いません」と女将。味噌焼きも、「これはとても食べやすい。やっぱり地元は違いますね」と感心しきりの西島さんだ。

「主人は、仕事には厳しいけれど、ふだんは優しい」と女将。照れながら笑い合う夫婦に、「その笑顔で仲の良さが分かるよ」ときたろうさんもほっこり。ご主人を支えながら、笑顔で店を切り盛りするひで子さんだが、22年前、胃がんを患い1カ月半もの入院を余儀なくされた。「当時は、告知をしないので、妻には本当のことを言えないし、店では笑ってなきゃいけないし、辛かった」とご主人。ひで子さんは、4年前にも頸椎を損傷し、一時、首から下が麻痺状態になった。2か月ほど入院し、手術をして治したそうだが、ご主人の支えと優しさに「感謝ですね」と気持ちがこもる。

ここで、店一番の人気メニュー、石巻産の「アナゴの白焼き」が登場! 炙った穴子にわさびを乗せ、自家製うに醤油でいただく。「地のものの魚尽くし。贅沢〜」と西島さん。「身が厚くてふかふかだね。おいしい!」ときたろうさんも絶賛だ。

“生かされた”からこそ前向きに

ほや

震災後は、2か月ほどでライフラインが復旧したものの、休業中の店が多く、街の活気はすぐには戻らなかったという。「店も自宅もひどい被害で、片付けや掃除ばかりの毎日。このままでは精神的に参ってしまう。一歩踏み出して前に進まなきゃ」と、自宅の片付けも終わらないうちに店の再開を決意したのだそう。「開店したときは、すごく喜ばれました。待ってたよって。お客さんとの再会は本当にうれしかった」と話す女将に、「そういうとき、酒場の力ってすごいよね。みんなが集まる場所だから」ときたろうさん。常連さんの多くも、家を流され、大きな被害に遭ったにもかかわらず、当時のことを明るく話してくれる。「みなさん、すばらしい。悲しい出来事を笑いにしてね。人間の強さだね」と心打たれるきたろうさん。「私たちは、生かされたという感覚があるんです。だから楽しむ」という常連さんの言葉に、しみじみ感じ入るのだった。

お次は石巻名物の特大しじみを使った「べっ甲しじみ汁」。獲れる数が少なく、昨日は仕入れがなかったとか。「今日はラッキーです」と出してくれたしじみ汁に、「大きい! あさりじゃないの!? 」と驚くきたろうさん。西島さんも一口すすって「しじみのダシが全面に出てる。身もすごく大きくて、おいしい〜」と喉を鳴らす。

店を開業するきっかけにもなった、長女の直美さんは、2011年の4月に結婚式を挙げる予定だったが、直前に震災が起こり、中止を余儀なくされた。「その時、東京から来たボランティアのカメラマンが、ウエディング写真を撮ってくれたんです」と話すご主人。目には涙が浮かぶ。「ボランティアの方々の優しさに助けられ、素晴らしい想い出を残すことができた」と聞いて、西島さんも思わずもらい泣き。

最後は石巻市が震災復興メニューとして推す「石巻やきそば」を。半熟の目玉焼きを麺と絡めて食べれば、「すごく優しい味。モチモチ、ふっかふかでおいしい」と大満足。味が絡みやすいように2度蒸しした茶色い麺を使用し、ソースとだしで味を調えるのだそうだ。

酒場とは、女将さんにとって「明日の活力を養う場所」であり、ご主人にとっては「人との繋がりの場」。人情の街・石巻で、様々な苦難を乗り越えてきた二人の言葉と明るい笑顔が、じんわりと心に染みた。

「六文銭」の流儀

その壱

今宵は三陸の海鮮尽くし! まずは殻付き生うにを食らうべし!

とげが動くくらい新鮮な生うにを、殻を開いてそのままいただく。うにが市場に出回らない時は、より海に近い雄勝町まで直接仕入れに行くという。
殻付き生うに500円(税別)

その弐

石巻水揚げの新鮮な海の幸! ほやを食らうべし!

その日の朝に水揚げされた石巻産の新鮮なほやを使用する為、独特の臭みなく食べられる。ほやの風味が苦手な人も美味しく食べられるよう、味噌で下味をつけて炙る味噌焼と生の刺身の盛り合わせで。
ほや(生・味噌焼)650円(税別)

その参

お店の1番人気メニュー! アナゴの白焼を食らうべし!

身が厚くふっくらした、石巻・牡鹿半島産の新鮮な穴子を炙り、自家製うに醤油で食べる。
アナゴの白焼き950円(税別)

その四

石巻名物・巨大しじみ! べっ甲しじみ汁を食らうべし!

淡水と海水が混ざる北上川の河口で獲れる、べっ甲色をした特大しじみ。数が少なく、仕入れのない時もある。
べっ甲しじみ汁350円(税別)
※仕入れ状況により提供できない場合があります。

きたろうさんから、六文銭へ贈る「愛の叫び」

人情の街 石巻を照らす
夫婦の明るい笑顔

―――きたろう

「六文銭」

住所
営業時間
定休日
宮城県石巻市立町2-3-10
17:00〜21:30
日曜・祝日
  • ※ 掲載情報は番組放送時の内容となります。

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