BS-TBS「〜癒・笑・涙・夢〜夕焼け酒場」 毎週土曜よる6:00〜6:30 BS-TBS
#263

炭火焼き

ことしろ

2019/12/14放送

北品川で創業7年目の人気焼鳥店
一度は酒場を離れた男が
常連客の言葉で開業を決意!

惚れ込んだ師匠の焼鳥の味を再現

今宵の舞台は、品川区北品川。宿場町の面影を残す北品川本通り商店街から、きたろうさんと西島さんが向かったのは、平成25年創業の「炭焼き ことしろ」。焼き台の前では、ご主人の橋本隆さん(61歳)が真剣な表情で焼鳥を焼いている。いつものように焼酎ハイボールで「今宵に乾杯!」したふたり。最初のおすすめは、何はともあれ定番の「もも」。黙々と焼き始めたご主人に話しかけるきたろうさんだが、焼きに集中するご主人の耳には届かない!? 「いいんだよ。大将は寡黙に焼くタイプなんだから」とちょっと拗ねつつも、「腕は確か」という常連さんの言葉に期待が高まる。目の前で焼き上がった「もも」はツヤツヤとタレが絡み、見るからにおいしそう! 「肉はやわらかいんだけど、歯ごたえがあって、おいしい〜」と、さっそく感激する西島さん。

ご主人の隆さんは、中学を卒業後、14年間にわたり飲食店のアルバイトを転々としたが、29歳の時に焼鳥店を生涯の仕事にすると決意する。バイト先のご主人・及川春彦さんとの出会いがきっかけだった。「師匠が焼いた焼鳥に感動した」という隆さん。及川さんの焼鳥の味に惚れ込み、必死に背中を追い続けたという。「師匠は頑固で厳しかった。でも教えてもらえることは全部教えてもらって。非常に感謝しています」。そんな隆さんの修業時代の写真を見せてもらうと、そこには、今とは全く違う、鋭い眼光を放つコワモテのご主人が! 「うそ〜!?」、「別人だよ! 殺気があって怖い! 今はもう殺気抜けちゃってるもの(笑)」と、きたろうさんも西島さんも、驚くばかりだ。

さて、次のおすすめは、「手羽先(塩)」。一時期、飲食業を離れていたご主人が、「我ながら、自分が焼いた手羽を食べたいと思った」という一品。じっくり焼かれた皮目はパリッと香ばしく、ガブリとかぶりつけば、あふれる肉汁に喉が鳴る。

18年前、師匠の及川さんは高齢を理由に店を閉め、それと同時にご主人も酒場の世界を離れた。その後10年間は、警備会社やバス会社に勤めたが、今から6年前、55歳の時に転機が訪れた。「師匠の店に通っていた常連さんが、あの焼鳥をもう一度食べたいと言ってくれて」。店の再建を熱望する常連客の言葉で、心を決めたご主人。常連さんたちの協力や資金の提供もあり、北品川で自分の店を開業し、店名は師匠の店と同じ「古登代」(ことしろ)に。「ブランクは感じなかった?」と聞くと、「オープンの日、炭をおこして焼鳥をのせたら、昨日の続きかと思いましたね」と笑う。師匠の及川さんは7年前に他界したが、「師匠の店の頃からのお客さんは多くて、20年ぶりに来られた方もいます」と、根強いファンの多さがうかがえる。

お客さんもスタッフもみんなが笑顔になれる店

月見つくね、コトメシセット

続いては、タレでいただく「朝採れレバー」と「かわだれ」。レバーを食べた西島さん、「外側をカリっと焼いてあるから、中の柔らかさが際立つ」と頬が落ちそう。そして、“真っ黒”とも言える焼き色の「かわだれ」を見て、唖然とするふたり。仕込みの段階で、タレに付けて焼くことを繰り返して保存し、お客さんに出す前にもう一度焼くという。一口食べて、「タレの味が濃い! つまみにぴったり」と、チューハイが進む、進む。師匠の店で継ぎ足し続けてきた焼鳥のタレは師匠の引退と同時に途絶えたが、ご主人が当時の記憶を頼りに師匠の味に近づけているという。焼鳥のこだわりは、「丁寧に刺して、丁寧に焼くこと」。ご主人は、毎日3時間半ほどかけて一人で仕込んだ焼鳥を、「炭の温度や火力の強弱を見極めて、焼鳥の位置を微妙に調整して焼く」と、職人技が光る。

さて、4本の焼鳥の次に登場したのは、「ささみ刺し」。朝採れの新鮮なささみを、たたきでいただく。「肉厚でしっとりしてる! わさびと合うね〜。いやぁ、旨い」と感嘆するきたろうさん。「もう師匠の味に追いついた?」と聞くと、「もう、追い越してるかも(笑)」と冗談ぽく答えるご主人に、自信のほどが垣間見えた。

最後の〆は、月見つくねをご飯といただく「コトメシセット」。つくねに卵黄をかけてご飯に乗せ、卵かけご飯風に食す。ご飯にも卵黄にもタレたっぷり。ご飯好きの西島さんは、「これは、たまらない!」と大はしゃぎ。「いやぁ、うまい。ご飯と合うね」ときたろうさんも大満足だ。

天涯孤独という独身のご主人。今のところ後継者候補はまだいないが、「ことしろの味は必ず残します。師匠から教わった味を、次の時代につなげていきたい」と言う。そんなご主人にとって、酒場とは「街のインターネット」だそうで、「情報発信の場所でもあってほしいし、お客さんが集まって仲良くやってもらえる場所でありたい」とのこと。きたろうさんは、「情報発信とは意外。インターネットやるの?」と聞くと、「はい。やらせていただいております」となぜか謙虚な口調。真剣でありながらも、どこかお茶目なご主人なのだった。

「ことしろ」の流儀

その壱

まずはお店の一番人気メニュー 焼鳥“もも”を食らうべし!

注文が入ってから、ご主人が炭火で黙々と焼き上げる焼鳥。プリプリした歯ごたえが絶品の“もも”をタレでいただく。
もも1本190円(税別)

その弐

ご主人自身が1番食べたかった“手羽先(塩)”を食らうべし!

飲食業を離れていた一時期、ご主人自身が、自分で焼いた手羽先を一番食べたいと思ったという。炭火でじっくり焼いた皮目はパリっと香ばしく、一口かじれば肉汁があふれ出す。
手羽先(塩)1本280円(税別)

その参

タレでいただく自慢の焼鳥! レバーとかわだれを食らうべし!

かわは、タレに付けて焼くことを何度も繰り返して保存し、お客さんに提供する前にもう一度焼くことで、色も味もぐっと濃くなる。
かわだれ1本190円(税別)、レバー1本190円(税別)

その四

その日の朝にしめた新鮮なささみ刺しを食らうべし!

新鮮な大ぶりのささみをたたきにし、わさび醤油でいただく。肉厚でしっとりした食感がたまらない!
ささみ刺し280円(税別)

その伍

〆は月見つくねと御飯! 必ず“コトメシセット”を食らうべし!

焼鳥のタレをご飯にたっぷりかけ、つくねをのせた上に、卵黄とタレをさらにかけて卵かけご飯風にいただく。
月見つくねコトメシセット(ご飯・鶏スープ)660円(税別)

きたろうさんから、ことしろへ贈る「愛の叫び」

ことしろ一筋
焼いてる姿に笑っちゃう程感動

―――きたろう

「炭火焼き ことしろ」

住所
営業時間
定休日
東京都品川区北品川1-25-9
17:00〜23:00
月曜
  • ※ 掲載情報は番組放送時の内容となります。

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