BS-TBS「〜癒・笑・涙・夢〜夕焼け酒場」 毎週土曜よる6:00〜6:30 BS-TBS
#272

鳥長

2020/2/15放送

江東区森下で創業52年の老舗酒場
運命的な出会いに導かれて
54歳で人気酒場の暖簾を継いだ男の物語

半世紀以上愛される絶品焼鳥

江東区森下にやってきた、きたろうさんと西島さん。心地よい風が吹く隅田川をあとに、“高橋のらくろ〜ド”商店街を通って、今宵の酒場「鳥長」へ。店先で焼鳥を焼きながら、「へいっ、いらっしゃいっ!」と満面の笑みでノリよく迎えてくれたのは、二代目主人・石田勝巳さん(67歳)。創業52年目を迎えた店内のカウンターに座って、ふたりは、焼酎ハイボールで「今宵に乾杯!」。

最初のおすすめは「刺身の盛り合わせ」。この日は、豊洲で仕入れた、ブリ、平目、マグロの赤身。分厚く切られた刺身は、コリコリと歯応えもよく、「鳥の店だと思ったら、お刺身が食べられるとは!」と感心するきたろうさん。「刺身好きなお客さんも多いから、おろそかにできないんですよ」と言うご主人に、「最初は鳥だけだったんでしょ?」と聞くと、「その頃のことは、こちらに……」ときたろうさんの隣に座るご夫婦に話をバトンタッチ。実は、このご夫婦は、先代主人の塩島長二さん(78歳)と先代女将のサダさん(73歳)。塩島さんは、昭和43年、焼鳥とうなぎが名物の「鳥長」を開業し、サダさんとともに38年間、人気酒場を切り盛りした。そして、平成18年に石田さんに店を引き継いだのだ。

石田さんは、高校卒業後、調理師になるために群馬県から上京し、焼鳥チェーン店に就職。3年後には料理の腕を見込まれ、厨房を仕切るように。さらに経営の才能も発揮し、支配人として10店舗以上の管理を任された。転機が訪れたのは53歳の時。独立を目指し、30年以上勤めた焼鳥店を退職し、翌年、「鳥長」と運命的に出会う……。

ここで、話を一旦おいて、次のおすすめ、「おまかせ串盛り」を。しいたけ、ねぎ、ししとうなどをはさんだ焼き鳥5種の盛り合わせ。「プリップリでジューシー」と口いっぱいに頬張る西島さん。きたろうさんが、「焼き方うまいね〜」と感心すると、先代女将のサダさんは、「最近、やっと上手になりましたよ」と辛口コメントで、石田さんはタジタジだ(笑)。

先代から続く名物うなぎに舌つづみ!

おまかせ串盛り

さて、話の続きを伺おう。独立するための店を探していた石田さんは、知人から、店主が引退を考えている店があると、「鳥長」を紹介された。店を見に行ってみると、「即効でこの店に惚れました!」と石田さん。「この感じ、この雰囲気がたまらなかった」。奥さんにも相談せず、どんどん話を進め、「鳥長」の二代目となった。「お客さんも、気持ちよく受け入れてくれて、ありがたかったです。中には、味が違うって言う人もいらっしゃったけどね」と話す石田さん。代が替わっても常連は変わらず店を訪れてくれているそうで、先代ご主人は、「私も石田くんも、お客さんに育てられてるの。跡を継いでくれて本当によかったよ。立派なもんだ」と穏やかな笑顔で見守る。

お次は、「とり皮煮込み」。首とモモの皮をタマネギなどと一緒に合わせ味噌で4時間煮込む。先代考案のメニューだが、時代に合わせて味付けをマイルドに変えたのだとか。サダさんに味見をしてもらうと、「ちょっと甘いかな」と、またまた手厳しく、石田さんは笑うしかない!?

店で一番長く働いているのは、サダさんの妹・西尾てるさん(64歳)で、先代の頃から40年以上の大ベテラン。明るく愛らしい笑顔に、「てるちゃん、若い!」と思わず叫ぶきたろうさん。「代替わりのタイミングで辞めようと思わなかった?」と聞くと、「急にみんな変わっちゃったら、お客さんが寂しくなるかなと思って」と優しさが滲み出る。「これは、てるちゃんファン、絶対多いよね! てるちゃんが店を支えてるんだな〜」と、目じりが下がるきたろうさんだった。

次は、二代目考案の「じゃがいもチーズ焼」を。ホワイトソースとチーズでグラタン風に仕立てた、アツアツ、トロトロの一品は、ご主人が「女の子受けを狙った」というメニューで、大人気!

「新しく店をやるのは、簡単なことじゃないのに、先代から気持ちよく継がせてもらって、お客さんにもかわいがってもらった。店を続ける秘訣は、欲をかかないことだと思ってます。とにかく、お客さんの笑い声が大好きだし、大切にしたい」というご主人。ひょうきんで明るい笑顔の奥に、感謝を忘れない誠実さが垣間見える。

〆には、「うなぎの3種焼き」を。タンザク焼、かぶと焼に肝串。うなぎの頭を使ったかぶと焼は、「すっごくやわらかく仕上がってる! それでいて表面はパリっとしてすごくおいしい」と西島さん。「うなぎが食べられると思わなかったな。いろいろ食べられて楽しいよね」ときたろうさんも大満足だ。

ご主人にとって酒場とは、「幸せを分かち合える所。みんなが同じ目線になって、飲んだり、食べたり、しゃべったりできるところ」。これにはサダさんも「いいと思いますね」。ようやくお墨付きをもらえて、めでたしめでたし(笑)

「鳥長」の流儀

その壱

まずは新鮮な刺身の盛り合わせを食らうべし!

ブリ、平目、マグロの赤身が、本日の盛り合わせ。分厚く贅沢な切り方の刺身は、歯応えもよく食べ応えも十分。
お刺身三点盛り1,100円(税別)

その弐

お店の名物焼き鳥の5種盛りを食らうべし!

先代から引き継いだ秘伝のタレで焼く名物焼き鳥。この日は、しいたけはさみ焼、ねぎはさみ焼、上やきとり、とりたたき焼、ししとうはさみ焼を。
おまかせ串盛り(5本)750円(税別)

その参

他では味わえない鳥皮の煮込みを食らうべし!

鳥の首とももの皮を使用。タマネギ、コンニャク、ニンニクを入れ、赤白の合わせ味噌で約4時間煮込む。プルプル、トロトロのコラーゲンたっぷり!
とり皮煮込み400円(税別)

その四

お客さんに大人気じゃがいものチーズ焼を食らうべし!

ご主人が女性客を意識して作ったところ、予想以上に人気が出たというメニュー。メークインを使い、ミートソース、ホワイトソース、チーズ、バターで焼き上げる。
じゃがいもチーズ焼580円(税別)

その伍

〆にはスタミナ抜群! うなぎの3種焼きを食らうべし!

珍しいうなぎのかぶと焼きは、表面はパリパリとした食感で骨まで柔らかく仕上げられていて食べやすい。
うなぎのタンザク焼450円(税別)、肝串300円(税別)、かぶと焼220円(税別)

きたろうさんから、鳥長へ贈る「愛の叫び」

鳥長の良さは人を愛することにある。
それが味に出る

―――きたろう

「鳥長」

住所
営業時間
定休日
東京都江東区高橋9-4
17:00〜23:00
月曜
  • ※ 掲載情報は番組放送時の内容となります。

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