BS-TBS「〜癒・笑・涙・夢〜夕焼け酒場」 毎週土曜よる6:00〜6:30 BS-TBS
#296

まかべ

2020/9/5放送

時代とともに食料品店から酒場へ
家族の絆でのれんを守り続ける
昭和51年創業の老舗酒場

脂ののった“シロ”を甘辛タレで!

今宵の舞台は、世田谷区・祖師ヶ谷大蔵。駅前から続くウルトラマン商店街を通り、細い路地を折れると、年季の入ったのれんが揺れる「まかべ」に到着。昭和51年創業の昭和レトロな店内でふたりを迎えてくれたのは、いつも笑顔のご主人・三輪茂吉(しげよし)さん(82歳)と、落ち着いた雰囲気の女将・紀久子さん(79歳)だ。きたろうさんと西島さんは、さっそく焼酎ハイボールで「今宵に乾杯!」。

最初のおすすめは、“シロ”と“タン”の「モツ焼き」。「“シロ”はタレ、“タン”は塩が合いますね」というご主人のおすすめどおり、「脂ののったシロに、甘いタレがたまらない〜」と最初の一口から大感激の西島さん。「コリコリの“タン”は塩加減最高!」と興奮止まず。きたろうさんは、リモート出演の経験から、「このタレの旨さはね、酒場に行かないとなかなか味わえないってことが身に染みたんだよねぇ」と感無量だ。

ともに茨城県出身の三輪さん夫婦は、昭和37年に見合い結婚し、上京。祖師ヶ谷大蔵の食料品店で働き始めた。数年後には店を譲り受け、2人で経営に乗り出すが、14年後、近所にスーパーができたことで転機が訪れる。「お客さんが全然来なくなって。焼鳥屋に転向することにしたんです」と女将。酒場開業を決意したご主人は、神奈川県・川崎市のモツ焼き店で3ヵ月間修業することに。「全くの素人でしたからね。3ヵ月で自分の店ができるかなんて、分からなかったですよ」。それでも、無事修業を終えて、昭和51年に食料品店を改装し酒場を開業。以来、試行錯誤を繰り返しながら、夫婦二人三脚で暖簾を守ってきた。最初は不安もあったという女将だが、「当時は周辺に酒場もなく、近くにあった成城警察署の方がたくさん来てくれて、おかげさまで最初から大繁盛でした」と静かにほほ笑む。

さて、次のおすすめは、「豚ロースの串焼き」。「脂と焦げ目とタレ、最高!」とまたまたメロメロの西島さん。開業時から44年間、継ぎ足しながら使い続けているタレは、修業最後の日に、修業先の女将さんから紀久子さんが教えてもらったレシピをアレンジして作ったものだ。

家族4人で働けることに感謝!

今は、息子たち2人も店で一緒に働いているそうで、次男の明さん(55歳)が店の奥から登場。「頑張っている親を見てたら自然に」と高校卒業後、すぐに店に入った。「両親のどっちが怖い?」ときたろうさんに聞かれて、「やっぱり母親のほうが……(笑)」。

続いていただくのは、「煮込み」。今度は長男の義幸さん(57歳)が厨房から顔を出す。 味噌ベースのモツ煮には、ジャガイモがごろりと入っていて、「おでんみたいでおいしい」と西島さん。義幸さんはサラリーマンを経験した後、25歳から店に入ったそうで、こちらも「店を仕切るのは、母親ですね」と、やっぱり女将さん強し! きたろうさんが「お母さん、息子ふたりが店にいてくれて嬉しいよね。もう、おやじいらないね」と冗談を飛ばし、「ご主人、尻にひかれてるね!」と言うと、ご主人は「はい〜」と頭を掻きながら、人のよさそうな笑顔でみんなを和ますのだった。

現在、新型コロナウイルス感染防止のため、アルコール消毒を徹底するなど対策をとって営業しているが、「これまで店をやめようと思ったことは?」と聞くと、「ないですね!」とふたり声を揃える。44年前に酒場を開業してから、懸命に働く両親の背中を見続けてきた、義幸さんと明さんも、今、家族4人で働けることに感謝と喜びを感じているという。

ここで、長男・義幸さんが考案した「冷奴サラダ」をいただく。たっぷりの香味野菜をのせ、辛みのあるドレッシングで味付けした冷奴サラダは、「涼しげでおいしい」と、きたろうさんも箸が止まらない。

店を長く続ける秘訣は、「お客さんを大事にすること」とご主人。「毎日来て下さる常連さんもいて。仕事終わって、お風呂に行って、うちに来て、一日が終わるそうです。本当にありがたい」と女将もしみじみ。

最後に、〆のメニューをお願いすると、「やきそば……」と言いかけたご主人に、「やきそばじゃないですよ! 焼きビーフンですよ!」と女将からピシっと訂正が(笑)。思わずきたろうさんが「こわいよ、お母さ〜ん」と突っ込んで、さすがの女将も大笑い。明さんが作った「焼きビーフン」は、具だくさんで、お腹もいっぱい大満足。

店は息子ふたりに継いでもらえれば、と言うものの、「引退は全然考えてません。今日も朝の5時から市場に行きましたしね」とご主人。女将も「死ぬまで働きたい」とまだまだ現役続行! 互いを絶妙に支え合う、ご主人と女将の絆が素晴らしい。そんなふたりにとって酒場とは、「お客さんにとって一番楽しい場所」とご主人。女将は、「疲れを癒す場所だと思います」。常に感謝の気持ちを忘れない夫婦と息子たちが営む酒場に、心がほっこり。

「まかべ」の流儀

その壱

まずは常連客に大人気のモツ焼き“シロ”と“タン”を食らうべし!

ご客さんからも大好評というシロ(豚の大腸・小腸)は、脂がのって柔らかく、甘いタレとの相性抜群。コリコリしたタンはぜひ塩で。
(塩)・シロ(タレ)各1本170円(税込)

その弐

お店自慢の串焼き“豚のローズ”を食らうべし!

香ばしく焼いた豚ロースの脂と甘辛いタレがたまらない。修業先の女将さんから紀久子さんがレシピを教えもらい、アレンジして作ったというタレは、創業時から44年間継ぎ足し続けてきた。
ロース串(豚)1本210円(税込)

その参

創業以来変わらぬ味“煮込み”を食らうべし!

豚モツ(小腸)、ジャガイモ、大根、コンニャク、ゴボウなどの具材を味噌ベースの出汁で煮込む。ホクホクしたジャガイモの食べ応えも十分!
煮込み500円(税込)

その四

二代目考案さっぱりとした“冷奴サラダ”を食らうべし!

豆腐とサニーレタスの上に、ワカメやミョウガ、シソやネギなど、たっぷりの香味野菜をのせ、辛みのある自家製ドレッシングで和える。
冷奴サラダ560円(税込)

その伍

〆には女将さんオススメの“焼ビーフン”を食らうべし!

豚こま肉、キャベツ、ピーマン、ニンジン、玉ネギの入った具だくさんな焼きビーフンは、〆にもおつまみにもぴったり。
焼ビーフン540円(税込)

きたろうさんから、まかべへ贈る「愛の叫び」

三人の男の手綱を締める女将
男はヒヒーン!!

―――きたろう

「まかべ」

住所
営業時間

定休日
東京都世田谷区祖師谷3-1-16
16:30〜22:00(通常は24:00)
※現在東京都の要請により22時までの時短営業になります
水曜
  • ※ 掲載情報は番組放送時の内容となります。

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