BS-TBS「〜癒・笑・涙・夢〜夕焼け酒場」 毎週土曜よる6:00〜6:30 BS-TBS
#298

件(くだん)

2020/9/19放送

放浪の旅を経て辿り着いた
父と同じ料理人の道
妥協を許さない料理への熱い想い

宮城県産「日本一の生キクラゲ」に舌つづみ!

東京都目黒区・学芸大学駅から西口商店街を歩く、きたろうさんと西島さん。「いい雰囲気」、「ワクワクしちゃう〜」と到着した今宵の酒場は、創業16年目の「件(くだん)」。暖簾をくぐるなり、ご主人・川辺輝明さん(45歳)のイケメンっぷりに、「かっこいい!」と西島さんのテンション急上昇!

さっそく、焼酎ハイボールで「今宵に乾杯!」して、まずは最初のおすすめ「お刺身盛り合わせ」をいただく。マグロにカマス、アジ、コチ、天然鯛の昆布締め、白イカと、豪華6点盛り。美しいまでに新鮮な刺身はどれもこれも、「素晴らしいおいしさ!」。かつお醤油とポン酢も自家製で、酒とみりんを煮切り、かつお出汁と昆布、醤油を混ぜて熟成させるこだわりよう。「素材はもちろん、手間をかけることでさらにおいしくなる」とご主人の信念が感じられる。

「件(くだん)」という店名には、「ブレないように、いつもどおりに」という思いを込めたそうだが、「若い頃は、料理人の父とは同じ道を歩みたくなかった」と明かす。高校卒業後はシステムエンジニアを目指し、専門学校に進学したが、2か月後、バイクで大事故に遭い、7度の手術を受けた。治療やリハビリに2年を費やし、ようやく歩けるようになると、自分のやりたいことを見つけるため、世界11か国を放浪。3年間の旅を通して見つけた目標は、意外にも、父と同じ料理人になることだった。「海外に出て、日本独自の居酒屋文化の良さに気づいたんです。それを大事にしたい、世界に発信したい」。力強い眼差しで語るご主人に、「なんか、生意気だなぁ(笑)」と突っ込みつつも感心するきたろうさん。

ここで、次のおすすめ「生キクラゲの辛子醤油」が登場。宮城県直送の生キクラゲをさっと茹で、出汁のジュレと大根おろしとともにいただく。「プルプル、シャキシャキ! 乾燥したものとは全然違う」と目を丸くする西島さん。「この歯応えは他にはないね。食感が楽しくて止まんない」ときたろうさんも夢中だ。

放浪の旅から帰国後、ご主人は都内の飲食店で休みなく修業に打ち込み、30歳で店を開業した。「父親が店を始めたのと同じ30歳で僕も開業したくて、がむしゃらでした。結婚して子供が生まれてすぐに、見切り発車。妻には子供をおんぶしながら店を手伝ってもらいましたね」と振り返る。

「鰯の味噌漬け」の隠し味はヨーグルト

続いては、店自慢の「おでん5種盛り」(こんにゃく、かぶ、煮卵、はんぺん、つみれ)。試行錯誤を重ね、出汁や具材を完成させたおでんに自家製辛子みそをつけて食せば、感動もの! 中でも、手ごねの自家製つみれは、「ふわっとやわらかくて、軟骨の歯応えもあって、大葉の風味もいい!」と西島さんもイチオシだ。

コロナ禍で、換気や消毒を徹底するなど対策を行っているが、「やっぱり大変。お客さんから電話で『こんな時期ですが頑張って』と言われたときは、ひとりで号泣してしまいました」。それでも、「これまでやめようと思ったことはない」と断言する。「父親がレストランを30年間やり切って、兄に店を継いだんです。だから僕も30年やりたい。まだまだ16年目ですが」と、父に対するライバル心も垣間見える。そんな父・清さんは、母・久子さんと一緒に、昨年初めて店を訪れ、繁盛ぶりに喜んでいたそうで、「この番組も楽しみにしてると思います!」。

お次は、定番の「ポテトサラダ」を「件」スタイルで。一口食べて、なめらかさに驚く西島さん。コクを出すため、隠し味にコンビーフを入れるとか。明太子とごま油を混ぜた特製ソースをつければ、おつまみにもぴったり。お客さんを飽きさせない遊び心あるメニューは、「夢の中で思いつくことも多い」そうで、「夢が教えてくれるの!?」ときたろうさんもビックリだ。

店に入って3年目の従業員・庄司稜佑さんは、「大将を信じてます」とてきぱき働く。ご主人は、「“辞める”と“卒業する”は違う。ウチの“卒業生”は独立する人も多くて、その店が満席で入れなかったりすると、僕もうれしくなりますね」と誇らしげ。きたろうさんに「人を育てることは本当に大事。大将はそれをちゃんとやってるね」と言われて、頷きつつ、「でも、そうばかり言ってると、お弟子さんがみんなすぐ独立しちゃう(笑)。彼にはもうちょっといてもらわないと!」と庄司さんにクギをさすのだった。

最後の〆には、「真鰯の味噌かす漬け焼き」を。照りよく焼けた、大好物のいわしを前に、「うっまそう〜!」と、声をあげるたろうさん。漬けて5日目のいわしに、「美味しさが引き立つね」と舌つづみ。味噌のまろやかな旨味と風味の秘訣は、「ヨーグルトを混ぜて熟成し、優しい味わいに仕上げている」とか。そんな、料理への想いあふれるご主人にとって、酒場とは「大人の遊園地」。こだわりのオリジナル料理で、大人を存分に楽しませてくれる名店である。

「件」の流儀

その壱

まずは豊洲市場から仕入れる新鮮な刺身盛り合わせを食らうべし!

この日は、マグロ、白イカ(長崎県産)、カマス、コチ(千葉県産)、アジ(静岡県産)、天然鯛の昆布締め(鹿児島県産)の豪華な盛合わせ。こだわりの自家製調味料(かつお醤油とポン酢)でいただく。
お刺身盛り合わせ2,500円(税別)※仕入れによって内容と値段は変わります

その弐

宮城県から直送される山の幸 一番人気のキクラゲを食らうべし!

湯通しした生キクラゲに自家製の辛子醤油をかける。ツルツルした食感のキクラゲに絡まりやすいよう、ジュレ状にした出汁を添え、大根おろしとともにいただく。
日本一の生キクラゲ辛子醤油680円(税別)

その参

隠し味を加えた創作メニュー ポテトサラダを食らうべし!

コクを出す為に隠し味にコンビーフを使用し、なめらかな食感に仕上げる。明太子にごま油を加えた自家製ソースを添えてアクセントにするなど、定番メニューに独創性を加えた自信作。
ポテトサラダ750円(税別)

その四

〆には必ずご主人自慢のいわしの味噌焼きを食らうべし!

味噌、酒粕、生姜などの調味料にヨーグルトを混ぜ合わせ、鰯を熟成させる。ヨーグルトを加える事で優しくまろやかな味わいに仕上がる。
鰯の味噌かす漬け焼き700円(税別)

きたろうさんから、件へ贈る「愛の叫び」

中身も外見も味も格好いい。

―――きたろう

「件(くだん)」

住所
営業時間

定休日
東京都目黒区鷹番3-7-4関口ビル1F
17:00〜24:00
月曜
  • ※ 掲載情報は番組放送時の内容となります。

ページトップへ