熱海で創業26年目
おしどり夫婦が営む人気酒場で
おしどり夫婦が営む人気酒場で
豪華「刺身盛り」と名物「金目鯛の煮付け」
今回は放送300回を記念して、静岡県熱海市へ。題して、「祝300回記念! 呑んで笑って癒されて 熱海の美味しいものを食べつくしちゃうぞSP」。若者にも大人気の温泉街にウキウキしながら、きたろうさんと西島さんが向かったのは、創業26年目を迎えた「花かがり」。ご主人の小松竜也さん(56歳)と女将の照子さん(52歳)夫婦が店を営んでいる。
何はともあれ、まずは焼酎ハイボールで、「今宵に乾杯!」。グビグビっと喉を潤したら、最初のおすすめは「刺身盛り合わせ」。地アジ、キンメダイ、サワラ、マダイ、カンパチなど、その日仕入れた地の物を中心に、9種類の豪華な盛り合わせ。新鮮な地アジを食べて、「うまいねぇ」と唸るきたろうさん。西島さんは、キンメダイの上品な脂の甘さに「おいしい〜。やっぱり熱海のお魚はすごい」と、うっとりだ。「利益は考えてないです。とにかくお客さんに楽しんでもらいたい。感謝の気持ちですね」と太っ腹なご主人!
そんなご主人から“ていちゃん”と呼ばれている女将の照子さん。37年前、竜也さんは、友人の紹介で、15歳の照子さんに出会ったそうで、「それ以来、ずっと恋してるんだ」と、きたろうさんはニヤニヤ。19歳の頃から東京都内の和食店などで修業を重ねていたご主人は、照子さんと8年の交際を経て27歳で結婚。結婚後も厳しい修業の日々を送っていた。「当時は厳しいのが当たり前。何度も辞めようと思いましたよ」。それでも約10年間の修業の末、30歳の時、料理の腕を買われ、平成6年に「花かがり」の開店と同時に料理長に抜擢された。そして7年後、暖簾分けで店を譲り受け、独立を果たす。「独立するか、安定を選ぶか随分迷いました。おかげで、髪の毛が無くなったほど! 頭はもうこんな感じ。夕焼けになっちゃった」と笑いながら、板前帽子を取って、つるりとした頭を披露する。
続いていただくのは、店の名物「金目鯛の煮つけ」。立派な金目鯛を煮崩れしないように弱火で煮込んだ技アリな一皿に、「こんなにおいしい金目の煮付け、なかなか食べられない! 身に弾力があっておいしい」と西島さん大感激。
「3.11の震災の時は、収入も減って、もう辞めようと思った」そうだが、「お客さんがすぐ戻ってくれて、本当に助かりました」。今年も新型コロナで大変だが、密を避け、アルコール消毒を徹底するなど対策した上で、「笑顔でお客さんをお出迎えしています。くよくよしていても始まらない」と前向きだ。
噛むほどに旨味広がる「活あわびのステーキ」
お次は、珍しい「えいひれの唐揚」を。生のえいひれに下味をつけて唐揚げにしたオリジナル料理。「やわらかくて、ホクホク! さっぱりとした白身魚のフライみたい」と、西島さん。「これは、初めて。うまい!」と、きたろうさんも驚くおいしさだ。
独立した当初は、「ただもう、がむしゃらだった。10年くらいたって、やっと余裕がでてきました」と振り返るご主人。子育てが一段落し、店に入った照子さんには、「いつも黙って見守ってくれてる。喧嘩もほとんどしないしね」と感謝しかない様子。あまりの夫婦仲の良さに、きたろうさんは、「喧嘩しないなんてありえない! ていちゃん、我慢してる?」と聞くも、「それはないです」と女将は控えめにほほ笑むのだった。
ここで、次のおすすめ「牛すじ煮込」が登場! アツアツをハフハフしながら、「ちょっとスパイシー! さっぱりしつつ、辛みとコクがあっておいしい」と喉を鳴らす西島さん。隠し味に鷹の爪を入れ、弱火で煮込むこと8時間。1日かけて余熱で味を染み込ませるのだそう。
ご主人のことを、「頼りがいがあって、私にはもったいないくらい」と話す女将に、「ほんとかよ!」と突っ込みながらも満面の笑みのご主人。高校時代は応援団で活躍し、“ケンカ上等”が信条のやんちゃな若者だったというが、自分の店を持ち、様々な経験をすることで、今ではすっかり穏やかに。「ていちゃんあっての大将だね」と納得するきたろうさん。今だからお互いに言いたいことを尋ねると、「ずっと元気で仕事を続けてほしい。それだけです」と女将。ご主人からは「いつまでも可愛くてセクシーでいてほしい(笑)」。きたろうさんは、「ていちゃんって呼んでる間は大丈夫だよ」と太鼓判を押しながら、「ていちゃんは心から大将を尊敬してるのが、伝わってくるね」としみじみ。
最後の〆は、「活あわびのステーキ」を! コリコリした歯応えを残すため半生に仕上げたあわびは、バターが馴染んで、たまらないおいしさに。「なにこれ! 噛むほどにジュワジュワと旨みが出る〜」と西島さん大興奮。きたろうさんも「さすが、料理人だね」と感心しきりだ。
ご主人にとっての酒場とは、なんと、「夕焼け」だとか! 「仕事が終わる頃、ほっと一息、人それぞれの景色を見る。夕焼けみたいなもの」。その言葉に「なんだかうれしいね〜!」と、お腹も心もすっかり満たされたきたろうさんたちだった。