BS-TBS「〜癒・笑・涙・夢〜夕焼け酒場」 毎週土曜よる6:00〜6:30 BS-TBS
#309

焼鳥

2020/12/5放送

板橋区大山で創業28年
夫婦二人三脚でのれんを守る焼き鳥店
こだわりの絶品料理に舌つづみ!

能登の天然塩で焼く「ささみのさび焼き」

今宵の酒場は、東京都板橋区大山で創業28年目の「焼鳥 彦」。きたろうさんと西島さんは、遊座大山商店街の活気にワクワクしながら、今年9月に移転したばかりの真新しい店へ。焼き台の前で腕をふるうご主人の森田吉彦さん(61歳)と明るくにこやかな女将の静枝さん(60歳)に迎えられ、さっそく焼酎ハイボールで「今宵に乾杯!」。

最初のおすすめは、「刺身盛合せ」。「焼き鳥屋さんなのに!?」と驚くきたろうさんだが、出てきた刺身三点盛りに、「うわぁ、すごいっ。見るからにおいしそうっ」と大興奮。この日は、カンパチ、マグロ(中トロ)、マハタ。どれも脂がのった絶品で、西島さんも「おいしい!」が止まらない。今ではお客さんのほとんどが注文する大人気の一皿だが、「最初はなかったんですよ。常連さんが焼き鳥以外も食べたいと言いだして作り始めました」とご主人。

お次は、こだわりの塩で焼く「焼き鳥」を。ささみの「さび焼き」は、レアに焼いたささみに本わさびをのせた一本で、「焼き加減が絶妙!」と西島さん。定番の「ねぎま」も、「丸みのある、やわらかい塩味。旨味が出てる〜」と感激する。「石川県能登産の天然塩で、甘みのある最高品質の『一番窯』を使っています。普通の塩だと味がとがってしまうんですよね」と、ご主人のこだわりが伺える。「素材の味を大切にしようって心意気が感じられるね」と、きたろうさんも感心しきりだ。

店を始める前はサラリーマンだったご主人の吉彦さん。36年前に、当時OLだった静枝さんと取引先で出会い、4年後に結婚した。その1年後、吉彦さんは知人の勧めでサラリーマンから酒場の世界へ。「サラリーマンの奥さんのつもりが、1年で急転。なんで!? みたいな感じでしたよ」と明るく笑う静枝さん。知人が営む大衆酒場で2年半修業したご主人は、酒場に魅了され、平成4年、大山に夫婦で店を開業した。独立資金は全額借金したそうだが、静枝さんは「借金も財産のうち。反対しませんでした。30代で失敗してもすぐ戻れるだろうって」。金融機関に勤め、融資の経験もあった静枝さんが返済計画を立てて、10年で約2千万円を完済したというから、お見事だ。

悶絶級の旨さ! 〆には贅沢「彦鍋」を

続いて登場したのは、創業当時から継ぎ足す秘伝のたれで焼いた、「つくね」と「レバー」。「ふわっふわのつくね、いい脂が出てる〜」と頬が落ちそうな西島さん。レバーは、均一に焼き上がるよう、大きさを調整して串に刺すそうで、「一口目の大きさがすごい! 臭みも全くない」と、こちらも絶賛だ。鶏肉の仕入れはかなり吟味するというご主人。「素材がだめだと全部台無しになる。最初の頃は、仕入れ先とよく言い合ってましたね。鮮度が高くていいものをお客さんに提供したいから、見合うものがなければ、出しません」と、品質は決して譲らない

開業から28年、多くの常連客に支えられ、順風満帆だったが、昨年6月、突然、夫婦を困惑させる出来事が起きた。当時の店が大山の再開発予定地となり、立ち退きを余儀なくされたのだ。「いきなり出て行かなきゃならなくなって。常連さんのためにも遠くにはいけないし、なかなか見つからない。コロナ禍の中、本当に大変でした」と女将。そして今年7月、ようやく、前の店から徒歩10分の場所への移転が決まった。店の移転とコロナが重なり、閉店を考えたこともあったというが、「いざ開店すると、みなさん来てくれて」と感慨深い表情をうかべるご主人。お店存続の危機を支えてくれた常連客の存在が、店を続ける原動力となっている。

次にいただくのは、仕込みに一手間かけた「皮(たれ)」。26種類ある串の仕込みは、毎日、開店前に約3時間かけて夫婦でするそうで、「どんな会話してるの?」と聞くきたろうさんに、「ありませ〜ん(笑)。会話より手を動かせ、です」と女将。中でも女将が担当する「皮」は、仕込みに最も時間がかるとか。カリカリした食感を出すために、ボイルせず一枚ずつ手作業で余分な脂を落とし、生からじっくり時間をかけて焼き上げるという。そんな、カリっと香ばしく焼けた皮を白髪ネギと一緒にパクリといけば、「辛めのたれがおいしい! ネギともよく合う」と感激するふたり。皮に合う辛みの強い専用たれを使うのもご主人のこだわりである。

最後の〆は、「彦鍋」を! 鶏つくね、はまぐり、野菜や豆腐などが入った具沢山の鍋に、合鴨ロースをしゃぶしゃぶしていただくというから、「なんてこと! なんという贅沢」と大興奮のふたり。「たまらん〜」と最後の最後まで箸が止まるはずもないのだった。

ご主人にとって酒場とは「仲間とのふれあいの場。移転しても変わらず来てくれるお客さんたちの期待は裏切れないですね」。女将は「おいしいものを食べながら、和気あいあいと笑って過ごせる場所になれば」。ご主人のこだわりと、女将の明るい笑顔、そして支えてくれるお客さんの思いが詰まった一軒である。

「焼鳥 彦」の流儀

その壱

まずは新鮮な“刺身盛合せ”を食らうべし!

焼き鳥以外も食べたいという常連客の要望に応えたメニュー。新鮮な刺身は焼き鳥と並ぶ人気メニューで、多くのお客さんが注文する。この日は、脂ののったカンパチ、マグロ(中トロ)、マハタ。
刺身三点盛1,000円(税別)※仕入れにより内容が異なります

その弐

こだわりの塩で焼き上げる看板メニュー・焼き鳥を食らうべし!

鳥ささみを軽く焼いて本わさびをのせた「さび焼き」は、レアな焼き加減が絶妙。約500年前から伝わる製法でつくられた石川県・能登産の天然塩、中でも甘みの強い最高の品質の「一番窯」を使うことで、素材の旨味を活かした、まろやかな風味に。
さび焼き(塩)160円(税別)、ねぎま(塩)180円(税別)

その参

仕込みに一手間あり! 名物“皮”を食らうべし!

ボイルせず手作業で余分な脂を落としているため、仕込みに最も時間がかかるという首皮。生から時間をかけて焼くことで、カリカリの食感に仕上がる。辛みの強い皮専用のたれを使い、白髪ネギを添えて。
皮(たれ)180円(税別)

その四

〆には必ずご主人の創作鍋“彦鍋”を食らうべし!

鶏つくね、はまぐり、野菜、豆腐の入った具沢山な鍋で、合鴨ロースをしゃぶしゃぶにしていただく。贅沢な具材を使った味わい深い鍋。
彦鍋(一人前)1,200円(税別)

きたろうさんから、彦へ贈る「愛の叫び」

こだわりの焼鳥
生きててよかった

―――きたろう

「焼鳥 彦」

住所
営業時間
定休日
東京都港区赤坂3
17:00〜22:00
日・祝
  • ※ 掲載情報は番組放送時の内容となります。

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