BS-TBS「〜癒・笑・涙・夢〜夕焼け酒場」 毎週土曜よる6:00〜6:30 BS-TBS
#315

もつ焼

大阪屋

2021/1/23放送

さいたま市大宮で創業54年目
愛する家族との別れを乗り越え
老舗酒場を守り続ける母と息子の物語

新鮮&絶品! もつ料理の数々

埼玉県さいたま市大宮を訪れた、きたろうさんと西島さん。お邪魔するのは、大宮一の繁華街・南銀座通りで創業54年目を迎えた「もつ焼 大阪屋」。二代目女将の赤坂治子(はるこ)さん(51歳)と三代目を継いだ息子の架月(かづき)さん(27歳)親子が、店を切り盛りしている。若々しい女将と貫禄ある三代目に、「夫婦じゃないの!?」と驚きながら、きたろうさんと西島さんは、焼酎ハイボールで「今宵に乾杯!」。

最初のおすすめは、看板メニューの「もつ煮込」。信州赤味噌を使った昔ながらのもつ煮に、「トラディショナルスタイル!」と大喜びの西島さん。「とろっとして、こってり。甘みがあっておいしい〜」と、さっそく箸が止まらない。

年季が入った店内の雰囲気に、「相当老舗だね?」ときたろうさん。女将は、「大正13年に祖父がここで『大阪屋煎餅店』というせんべい屋を始めたんです」。その後、昭和42年に「もつ焼 大阪屋」として酒場を開業したそうで、カウンターやテーブルは53年前の開業当時のものだとか。女将の父で初代主人の泰司(やすじ)さん(享年84歳)は2年前に他界し、母の朋子さん(享年84歳)も昨年亡くなったそうだが、「寂しさよりも、この店を続けていかなきゃと、頑張ってます」と笑顔を絶やさない。

次にいただくのは、「もつ焼き(タレ)」の「シロ」と「シビレ」。「シビレは豚のすい臓。“痺れ”るくらいおいしいですよ」と女将もイチオシ。その柔らかく濃厚な味わいに、「ふわふわしてて、臭みも全然ない!」と感激する西島さん。「シロもカリっと焼けておいしい〜」と大満足だ。

中学を卒業後、美容師として働き始めた女将の治子さん。21歳で結婚し、バイクショップに嫁いだものの、8年後に離婚。実家の酒場を手伝い始め、子育てと酒場の仕事に奔走したという。「酒場の経験は全くないし、父も教えてくれない。調理の様子をホームビデオで撮影して、家で繰り返し観て勉強しました」と苦労を振り返る。

続いては、「もつ焼き(塩)」を。脂がのった「あごした(あごからのどにかけての部位)」とシャキシャキの「タン」に、架月さん考案の「自家製ネギ塩たれ」をつけていただけば、「これ最高! ネギ塩たれだけでも飲める!」と、きたろうさんはチューハイをグビグビ!

名物「焼きおにぎり」の秘密!

現在27歳の架月さんは3人の子供のパパだそうで、「私の何倍速で生きてるの!?」と絶句する西島さん。中学3年生の時には、将来、店を継ぐことを決め、「会計の勉強もしておこうと商業高校に進学した」と言う。「卒業後は2年間、調理師専門学校で料理の基礎を身につけ、さらに食肉市場で修業した」そうで、西島さんは、「計画性がすごい! 努力家なのはお母さん譲り」と感心するばかり。きたろうさんも「できた息子だねぇ!」。

ここで、次の料理「レバステーキ」が登場! 大きなレバーを頬張って、幸せそうな西島さん。「新鮮なレバーは甘みがあって、切り口の角がきれいに立つんです」と女将が言うとおり、新鮮さが際立つ一品だ。

「昔は、おじいちゃんが焼き場に立って、僕は板場、母がドリンク担当で、おばあちゃんはお客さんと一緒に座って接客してたんですよ」と当時を懐かしむ架月さん。50年以上、家族で守り続けてきた酒場だが、悲しい別れも……。2015年に次男の聡海(さとみ)さんが、20歳の若さで突然の病に倒れ、亡くなったのだ。聡海さんには、イタリア料理店を開く夢があったそうで、「弟もお兄ちゃんの背中を追いかけて、頑張ってたんですけどね」と気丈に話す女将。きたろうさんは、「辛かったろうね。でも、溜めるより、こうやって話したほうがいいよ」と思いやる。女将も、「みんなに分かってもらう方が励みになるし、頑張ろうと思えます。私たち二人でお店を続けることで、辛さを吹き飛ばしたい」と前を向く。

最後の〆には、「焼きおにぎり」を。「香りがいい〜。おせんべいみたい!」と興奮気味の西島さん。秘伝のたれを染み込ませてから焼いてあり、旨みが中までしっかり。架月さんは、「僕が考案して、おじいちゃんに唯一認めてもらえたメニュー。うちのたれは、せんべい店時代のものを改良していて、甘みが少なく醤油の風味が強い。焼きおにぎりにも合うんです」と胸を張る。

女将と三代目の絆に、「ほんと、いい親子コンビ」と感心しながら、「和やかな空気感は、女将ならではだね」と、きたろうさん。「酒場とは、自宅のようにコミュニケーションがとれる場所」という女将の言葉も納得だ。

架月さんは「今はコロナで相席もダメですが、以前の大阪屋では、老若男女問わず、ひとつのテーブルに集まって一緒に楽しく話ができた。それが酒場のいいところ」と、コロナ終息を願う。きたろうさんは、「すべての年代が一緒に話せるなんて、酒場以外ではなかなかないもんね。俺も、二十歳の女の子としゃべりたいよ!」と笑うのだった。

「もつ焼 大阪屋」の流儀

その壱

まずは看板メニューの“もつ煮込”を食らうべし!

信州味噌(赤味噌)のみを使用して作るもつ煮込みは、昔ながらの “トラディショナルスタイル”。甘みのある、とろりと濃厚な味わいがうれしい。
もつ煮込430円(税別)

その弐

創業時から続く伝統の味“もつ焼のタレ”を食らうべし!

シビレとは、豚のすい臓。ふわっとした食感で、柔らかくこってり濃厚な風味。カリっと焼かれたシロ(豚の小腸)は、歯応えがあり噛むほどに味わいが広がる。
もつ焼(タレ)シロ、シビレ各1本100円(税別)

その参

新鮮じゃなければ出せない“レバステーキ”を食らうべし!

レバーの切り口が角張っているのは、新鮮な証拠。固くならないよう丁寧に火を通し、煮詰めたにんにくベースの醤油だれで味付けする。新鮮なレバーならではの甘みが感じられる。
レバステーキ720円(税別)

その四

〆には必ず名物の“焼きおにぎり”を食らうべし!

秘伝のたれをご飯に染み込ませてから、おにぎりにしてこんがり焼き上げる。たれは、せんべい店時代のものを改良しているため、甘みが抑えられ、醤油の風味が強いのが特徴。
焼きおにぎり300円(税別)

きたろうさんから、大阪屋へ贈る「愛の叫び」



―――きたろう

「もつ焼 大阪屋」

住所
営業時間
定休日
埼玉県さいたま市大宮区仲町1-7-1
11:30〜23:00
日・祝日の月曜 ※営業時間は県の要請に応じて変更あり
  • ※ 掲載情報は番組放送時の内容となります。

ページトップへ