BS-TBS「〜癒・笑・涙・夢〜夕焼け酒場」 毎週土曜よる6:00〜6:30 BS-TBS
#319

食彩酒房

2021/2/20放送

人形町の路地裏で13年目
ソースメーカーの三代目だった男が
幻のソースを復活させて開業した酒場

「串揚げ」や「アジフライ」に舌つづみ!

今宵の舞台は東京都中央区人形町。下町情緒が残る街で、きたろうさんと西島さんが訪れたのは、「食彩酒房 蕾」。細い路地裏にある隠れ家のような店にワクワクしながら、ふたりは、さっそく、焼酎ハイボールで「今宵に乾杯!」。ダンディな雰囲気のご主人・青木明夫さん(56歳)に最初のおすすめをお願いする。

串揚げがメインの店ということで、まずは「串揚げ3品盛り」。豚バラ、ペコロス(ミニ玉ねぎ)、明太レンコンをいただく。揚げたての明太レンコンをハフハフ頬張って、「れんこんサクサク、明太ピリ辛。これは女性に人気ですね!」と舌つづみをうつ西島さん。「サラっと軽く食べられるように、パン粉を細かく砕いてます。チューハイに合うでしょ」と胸を張るご主人に、「最高の相性! ベストカップル」と、早くもグラスが空になりそうな勢いだ。

串揚げの店にした理由を尋ねると、「ソース工場の三代目だったもので」とご主人。実家は、祖父の青木源介さんが東京下北沢で昭和5年に創業した「青木商店」というソースメーカーだった。製造していた「下北沢ビレッヂソース」は、“地元の味”として地域の人たちに愛されたそうで、「子供の頃は、天ぷらも玉子焼きも、なんでもソース。刺身はさすがに醤油でしたけど(笑)」。ご主人は、28歳の時に、先代の父・弘さんから三代目を継いだが、8年後、工場の近代化などに対応できず、廃業を余儀なくされた。「時代の流れに乗れなかったんです。世に言う『三代目は潰す』ってやつですね」と苦笑い。現在、店で使っているソースは、祖父が残したレシピを元に、当時の味を再現したもの。12年前に酒場を開業するにあたり、先代と親交の深かったソースメーカーの協力を得て復刻させたという。

続いていただくのは、そんなソースによく合う「ふわふわアジフライ」。大ぶりのアジフライに、ソースをつけてザクっとかぶりつけば、西島さんも、思わず、「ソースに合わせて作ってる!?」と聞くほどの美味さ。「いえ、チューハイに合うように」と微笑むご主人に、きたろうさんは、「ごはんじゃなくて、つまみにぴったりなんだよな」と感心しきり。食品添加物や砂糖不使用のフルーティーなソースを舐めて、「ソースだけでつまみになるね」とご機嫌だ。

絶品おつまみ「のりチーズ」でもう一杯!

ご主人は、ソースメーカーを廃業後、家族とともに栃木県に移住し、ゴルフ場で働き始めるも、慣れない土地での生活になじめず、2年で退職。そんな時、思い出したのが、慣れ親しんだソースの味だった。心のどこかで、70年続いた家業を潰した後ろめたさを感じていたご主人は、廃業から8年後、「少しでもソースを活かしたい」と、44歳で串揚げ屋「蕾」を開業した。「すごい勇気だよね」と言うきたろうさんに、「当初は大変でしたが、ランチを始めて、夜のお客さんも増えていきましたね。ここはサラリーマンの街だし、駅から徒歩20秒という立地も気に入ってます」。

さて、ここで、「アボカド漬け」が登場! アボカドを出汁醤油で漬け込んだ、お口直しにぴったりな一皿だ。店を開業して12年。今では揚げ物以外の様々な料理も増え、「ソース焼きそば」や「塩麹のチキンステーキ」、「明太チーズのオムレツ」など、バラエティーに富んだメニューが揃う。

続いては、スライスチーズをのりではさんだ「のりチーズ」を。シンプルな一品ながら、おつまみにぴったり。スナック感覚でついつい手が伸び、またまた、チューハイが進む、進む!

現在は、新型コロナ感染防止対策を徹底して営業中。「続けなきゃという思いが強かったですね。カウンター越しにお客さんが楽しんでる姿を見ると、つらさも消えていきます。そこが酒場のいいところかな」と話すご主人。きたろうさんは、「ご主人は、バーのマスターみたい。余計なことはしゃべらないで、こちらの会話がうまくいくように運んでくれる。どこかの会社の部長さんみたいな落ち着いた雰囲気なんだよ」と惚れ惚れだ。

最後の〆は、「ソースカツ丼」を! ごはんの上にキャベツとカツをのせて、自慢のソースをたっぷりと。「ごはんにもソースが絡んでる〜。これで、チューハイ飲めちゃう!」と大満足の西島さんだ。一度は姿を消した幻のソースの復刻に協力してくれたのは、昭和25年創業の老舗「山屋食品」。社長の菅澤運一さんは、「先代の弘さんは研究熱心でまじめな方。すごくおいしいソースでしたよ。工夫の仕方が一味違ったんだと思いますね」と話す。ご主人は、そんなソースを、ごはんにも合うように独自にアレンジして、カツ丼に使用しているそうで、「やっぱりソースが好きなんですよ。どこかで親父の存在を感じながら、こうやって店を続けてます」と語り、「酒場は1日の疲れを取り、明日の糧になる場所。早く元に戻って、みんなで楽しく飲めるようになってほしいですね!」と朗らかに笑った。

「食彩酒房 蕾」の流儀

その壱

まずは看板メニューの“串揚げ3品盛り”を食らうべし!

油が乗り過ぎないように細かくしたパン粉を使用することで、サクッと軽い食感に。シャキシャキれんこんとピリ辛明太の組み合わせは女性に大人気で、チューハイとの相性も抜群!
串揚げ3点盛り 豚バラ160円、ペコロス150円、明太レンコン180円(各税別)

その弐

特製ソースによく合う“ふわふわアジフライ”を食らうべし!

串揚げとは異なり、ザクザクした食感も楽しめるように粗く大き目のパン粉で衣を作る。食品添加物や砂糖を使わないフルーティーな味わいの特製ソースが、アジフライの旨みをさらに引き立てる。
ふわふわアジフライ580円(税別)

その参

出汁醤油に漬け込んだ“アボカド漬け”を食らうべし!

みりんと白出汁を加えた独自の出汁醤油に、夏は半日、冬は1日、アボカドを漬け、和風に仕上げた創作料理。かつお節をかけていただけば、お口直しにもぴったり。
アボカド漬け380円(税別)

その四

シンプルだけど大人気“のりチーズ”を食らうべし!

スライスチーズをのりではさんだ、シンプルで飽きのこない一品は、お酒のアテに最高! のりのパリパリ感を楽しみながら、スナック感覚でついつい手が伸びる。
のりチーズ380円(税別)

その伍

〆には必ず名物の“ソースカツ丼”を食らうべし!

小さめの器に盛ったごはんに千切りキャベツとカツをのせ、上からソースをたっぷりかける。復刻させたソースに、トマト、人参、玉ねぎを加え、ごはんに合うよう独自にアレンジしている。
ソースカツ丼(ミニ)400円(税別)

きたろうさんから、蕾へ贈る「愛の叫び」

部長みたいな大将!
いつまでも蕾でいてください

―――きたろう

「食彩酒房 蕾」

住所
営業時間
定休日
東京都中央区日本橋人形町3-13-1
11:30〜14:00
17:00〜23:00
土・日・祝日 ※営業時間は都の要請に応じて変更あり
  • ※ 掲載情報は番組放送時の内容となります。

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