BS-TBS「〜癒・笑・涙・夢〜夕焼け酒場」 毎週土曜よる6:00〜6:30 BS-TBS
#322

居酒屋

2021/3/13放送

品川区上大崎で創業34年
父親からの思わぬ一言で
23歳で開業し人気酒場に!

絶品「春の天ぷら」に舌つづみ!

今宵の舞台は品川区上大崎。実は、JR目黒駅は、目黒区ではなく、ここ品川区上大崎にある。きたろうさんと西島さんは、目黒駅から徒歩数分の「居酒屋 友(とも)」へ。ご主人の仲村実さん(57歳)と妻のたか江さん(57歳)に迎えられ、さっそく、焼酎ハイボールで「今宵に乾杯!」。

まずは、お通しの小鉢が4品! 豚ガツのスモーク、ニラの白和え、海鮮サラダ、山うどのきんぴらと、どれも手間のかかったものばかり。「スタンダードなようで、全部ひとひねりしてる」と感心する西島さん。「これだけでチューハイ2杯はいけちゃうよ」ときたろうさんもゴキゲンだ。

最初のおすすめ料理は、「春の天ぷら」。タラの芽とふきのとうの天ぷらに、「独特の苦味と香りがたまらない〜」と、西島さん。「タラの芽の天ぷらって、なんでこんな旨いんだろ」と、きたろうさんも春の味覚を噛みしめる。

「23歳で開業して、5月で34年」と言うご主人の実さんは、高校卒業後、母の友子さんが目黒区目黒で営んでいた定食屋「友」を手伝い始めた。長野県出身のたか江さんとは、友人の紹介で出会い、21歳で結婚。翌年には長女が誕生した。そんな時、実さんの父・功(たける)さんから、思いもよらない話が……。「いきなり、酒場をやれ!って言われて。店の場所も勝手に決めてきたんです。びっくりしましたよ。魚もさばけないし、何もできないのに。見よう見まねでやるしかなかった」と実さんは振り返る。

きたろうさんは、「親父、酒場のこと分かってないよ!?」と驚きながら、「店名はお母さんの名前? ご主人、マザコンじゃ……?」。すると、たか江さんが、「最初は自分の名前(実)にしたかったんですが、父に反対されて母の店と同じ名前にしたんです」とフォロー。定食屋「友」は3年前に閉店し、友子さんは80歳で亡くなったそうで、きたろうさんは、「『友』を背負ってるんだね」としみじみ。

次は、「大根とシャケの煮物」を。「脂身や皮から出る旨みが、大根にじんわり。お母さんに教わったんですか?」と西島さん。ご主人は、「その頃は酒場をやるなんて思いもよらなかったから、覚える気もなくて。母がよく作っていたのを見よう見まねで作りましたね」。

店を開業した当初は、「自分も若くて、年配の常連さんには、言いたい放題言われました」と実さん。悔しい思いもしたが、今では、新しい料理も、「ぶっつけでお客さんに出して感想を聞いてます」と余裕の笑顔。おススメメニューも、「目黒ウインナー盛り合わせ」、「とりもも焼」、「厚揚げチーズ焼」など、垂涎ものの料理が並ぶ。

大人気「手造りしゅうまい」は“父の味”

「父は、自分が酒場をやりたかったみたいで。でも自分じゃできないから、お前やれ、ってなったんでしょうね」と話すご主人に、「息子のところで飲みたかったのかもね」と、きたろうさん。功さんはたまに飲みに来るそうで、実さんは、「今でもいろいろうるさくて、ケンカになっちゃいますけど(笑)」。

ここで、蒸したての「手造りしゅうまい」が登場! 精肉店を営んでいた父が3年前まで作っていたしゅうまいを、今は実さんが作る。「皮が薄くて、具がいっぱい。たまらん!」と感激する西島さん。「いったん作るのをやめてたんですが、お客さんが、しゅうまい、しゅうまい、と言うもんだから」と復活させたというのも納得だ。

ご主人は、お客さんとのコミュニケーションも心がけ、たか江さんも、「主人は、返しが早くて、おもしろいことを言うので、お客さんも楽しんでくれる」と一目置く。そんなたか江さんに対して実さんは、「文句も言わず、黙ってついてきてくれる」と感謝し、夫婦支え合ってきた。ところで、ご主人の趣味はマラソン。東京マラソンも完走したそうで、調子がいい時のタイムは3時間54分とか! これにはふたりも感心するばかりだ。

さて、続いての料理は、湯引きした大山鶏のある部位をポン酢とレモン、柚子胡椒でさっぱりいただく「大山鶏の珍味」。コリコリの歯応えに、「骨?」と、とぼけながらも、「とさかでしょ!」ときたろうさん、見事正解!

「明日があるさ! で、あっという間に30年以上」と実さん。長く続ける秘訣は、「夫婦喧嘩しないこと。喧嘩すると、お客さんが妻の味方になって、余計頭にくるからさ。妻も相当我慢してるとは思いますが」と言うと、たか江さんは、迷わず、「はい! 我慢してます」。

最後の〆には、「すいとん」を。鶏つくねや鶏もも肉、長ネギ、ゆずなどを具材に、白だしで味付け。「だしが利いてるねぇ」、「ゆずの風味もいい〜」と、ふたりの箸は止まらない。

33年前、父親の思わぬ一言で酒場を開業することになったご主人。人気酒場となった今、83歳の父親に伝えたいのは、「酒場をやらせてもらって、ありがとう」という感謝の思い。実さんにとって酒場とは、「健康で笑顔の人が毎日飲みに来る場所」。きたろうさんは、「そうだね。大将が笑顔を作ってくれるね!」と、今宵もいい気分!

「居酒屋 友」の流儀

その壱

まずは季節の訪れを感じる“春の天ぷら”を食らうべし!

タラの芽とふきのとうを約170℃のサラダ油で1分ほど揚げて天ぷらに。サクッと噛めば、独特の旨みと香りが広がり、春の訪れを感じさせる一皿。
春の天ぷら盛り合わせ600円(税込)

その弐

母親から受け継いだ定食屋の味“シャケと大根の煮物”を食らうべし!

大根とシャケを白だしと塩で約2時間煮込む。シャケの脂や皮から出る旨味がじんわりと大根にしみ込んだ味わい深さは、“おふくろの味”だ。
大根とシャケの煮物400円(税込)

その参

精肉店を営んでいた父の味“しゅうまい”を食らうべし!

国産豚と国産鶏の挽き肉と玉ねぎを具材に、塩と砂糖で味付けし、約3分蒸しあげる。薄い皮にジューシーな具がぎっしり入ったしゅうまいは常連客からも大人気。
手造りしゅうまい500円(税込)

その四

〆には必ずお店の名物“すいとん”を食らうべし!

すいとんは、小麦粉に水、ごま油、塩を加えて練った団子。具材には、鶏つくね、鶏もも肉、シメジ、長ネギ、ゆずを入れ、味付けはシンプルに白だしのみを使用する。
すいとん1人前600円(税込)

きたろうさんから、友へ贈る「愛の叫び」

見よう見まねは料理の基本
うまい!!

―――きたろう

「居酒屋 友」

住所
営業時間
定休日
東京都品川区上大崎2-18-14生井ビル2F
17:00〜24:00
日曜・祝日 ※営業時間は都の要請に応じて変更あり
  • ※ 掲載情報は番組放送時の内容となります。

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