杉並区西荻窪に3店舗目を開業!
千葉県産ブランド地鶏にこだわった
絶品鶏料理の数々に舌つづみ
総州古白鶏の「焼き鶏」に感激!
今宵の舞台は、東京都杉並区西荻窪。きたろうさんと西島さんが向かったのは、JR西荻窪駅からすぐの「焼き鶏 青天上」だ。ご主人の齋藤正浩さん(42歳)に焼酎ハイボールを注文して、ふたりは、さっそく、「今宵に乾杯!」
最初のおすすめは、「焼き鶏」! ご主人がこだわる千葉県のブランド地鶏・総州古白鶏(そうしゅうこはくどり)は、弾力ある歯応えとまろやかなコクが特長。備長木炭で焼いた、「ねぎま(塩)」、「こころのこり(タレ)」、「つくね(タレ)」をいただく。「こころのこり」は、心臓とレバーをつなぐ部位で、甘さ控えめの自家製タレも相性抜群。「キレのいい脂がとってもおいしい」と西島さん。むね肉を使った「ねぎま」は驚きのボリュームで、口一杯に頬張りながら、「むね肉なのにパサパサせず肉汁が詰まってる!」と大感激だ。
高校を卒業後、プロのミュージシャンを志して福島県から上京したご主人は、バンド活動の傍ら、様々な飲食店でアルバイトを経験した。約10年後、29歳でバンド活動を断念すると、本格的に酒場修業を開始。「34歳で独立し、最初に阿佐ヶ谷の店を開業して……」と話し出すご主人に、きたろうさんは、「何軒もあるの!?」とビックリ。「そうなんです。阿佐ヶ谷の方に、焼き鳥屋さんと魚メインの店があって、全部で3店舗です」。平成26年に南阿佐ヶ谷で最初の酒場を開業したご主人は、その1年後に早くも2号店をオープン。「たまたま1号店の向いの物件が空いたので、少し無理してでも、これは逃しちゃいけないと思って。うまくいくか賭けでしたが、攻めました」。すべての店の社長を務め、「従業員のおかげです」と謙虚な言葉を口にするご主人に、きたろうさんは、「またまた、監督みたいなこと言っちゃって(笑)。一人で3店舗って、すごいよ」と感心しきり。
ここで、次のおすすめ「鶏もつの煮込み」が登場! たっぷりのネギを混ぜて食せば、「あぁ、旨い!」と喉を鳴らすきたろうさん。鶏出汁に、合わせ味噌と酒かすを入れたマイルドなスープは、「ただの味噌ベースじゃない。旨みがすごい!」と西島さんも絶賛だ。
痺れる旨辛! 「石焼鶏麻婆豆腐」
「焼き鶏って、嫌いな人は少いないし、単価も安い。月1回ではなく、週2回通ってもらえる店にしたい」と言うご主人。オススメメニューには、「とろレバ」、「はつ」などの焼き鶏はもちろん、「若鶏のでっかい唐揚げ」や「秋鮭と木の子の南蛮漬け」などもあり、バリエーション豊か。
そんなメニューのひとつ、「ゴロゴロ海老の磯辺揚げ」が次の一品。生海苔を練り込んだ海老すり身を、太い棒にちくわ状に巻き付け、油で揚げる。インパクトのあるビジュアルを楽しみながら、焼き海苔に包んでネギ塩ダレでいただけば、「手作り感満載で食べ応えがあるね!」ときたろうさん。西島さんも、「海老と海苔、タレも合う〜」と大満足だ。
この店は、令和3年7月にオープンしたばかり。コロナ禍で営業自粛期間中の開業に不安や迷いもあったというが、「従業員のモチべーションや生活のためにもオープンさせたかった」という。従業員の一人、根本吉男さん(41歳)は、「大将には面倒ばっかりみてもらってます」と言うが、ご主人は「彼とは20歳頃から同じ飲食店で働いていた旧知の仲。僕の独立に合わせて店に入ってくれて、僕の方が頼りっきり」と信頼を寄せる。それでも根元さんは、「大将には好きにやってもらって、それをうまい具合に支えていきたい」と話し、きたろうさんは、「こういう人がいるから、世の中成り立つんだよ」としみじみ。
続いては、総州古白鶏のむね肉を使った「石焼鶏麻婆豆腐」を。石鍋でぐつぐつ煮える麻婆豆腐をフーフーして、「スープが旨辛! 鶏が頑張ってるな〜」ときたろうさん。「旨みの中に、すんっと抜ける辛さがあって、すごく食べやすい」と西島さんも箸が止まらない。
ご主人は、自分の店を持って、「サラリーマンの方が楽だと思うことも多いです。でも、一日終わると達成感があって、その日を振り返ることで、翌日またゼロからスタートできる。みんなで意見を出し合って、店を作り上げていくのは楽しい」と酒場経営の魅力を語る。従業員からダメ出しされることもあるそうだが、「従業員がしっかりしていれば、お客さんは後からついてきてくれる」と経営者の顔を覗かせ、きたろうさんは、「さすが、社長の器だね!」と納得するのだった。
最後の〆は、「辛味噌鶏白湯ラーメン」を。バジルなどで風味豊かに仕上げた辛味噌白湯スープは、「アジアの味がする〜。辛みの後ろにちゃんと鶏出汁が利いてる!」と西島さん。きたろうさんも、「他では絶対食べられないね」と大満足だ。
ご主人にとって酒場とは「出会いの場所」。コロナ禍で大変さを痛感したが、「めげないで続けていきたい。日本の外食文化がなくならないことを信じてます」と前を向き、きたろうさんは、「絶対なくならないよ!」と力強く頷いた。