BS-TBS「〜癒・笑・涙・夢〜夕焼け酒場」 毎週土曜よる6:00〜6:30 BS-TBS
#359

木村家

2021/12/11放送

江戸川区小岩で創業91年目
地元で愛される老舗人気酒場
暖簾を守り続ける三代目夫婦の物語

代々受け継ぐ自慢の味「もつオイル焼」

今宵の舞台は、東京都江戸川区小岩。JR小岩駅から、きたろうさんと西島さんが向かったのは、創業91年目の「木村家」。現在、小岩駅周辺は再開発の真っ只中で、「木村家」も移転の依頼を受け、仮店舗で営業中だ。店内の厨房で腕を振るうのは、三代目女将の棚池幹枝さん(57歳)。ご主人の尚征(なおゆき)さん(51歳)が主に接客を担当している。きたろうさんと西島さんは、地元で愛される老舗酒場に期待をふくらませながら、さっそく、焼酎ハイボールで「今宵に乾杯!」。

まずは、店自慢の「まぐろ」の刺身をいただく。「完璧な赤身! 歯応えがいい。やっぱり、通は赤身だね(笑)」と、きたろうさん。西島さんも、「分厚く切った、角のあるお刺身。最高じゃないですか!」と大満足だ。

創業は昭和6年。女将・幹枝さんの祖父・棚池勇さん(享年67)が、浅草で開業し、当初は大衆食堂として営業していた。しかし、東京大空襲で店が焼失し、昭和21年に小岩へ移転。再開した店を引き継いだのが、創業者の息子で幹枝さんの父・進さん(享年83)と母・笑子さん(享年79)だった。二代目を継いだ両親から伝授された自慢の一品が、次の料理。「もつオイル焼」だ。はつ、レバ、しろもつと玉ねぎを炒めた一皿に、「匂いだけで飲める!」と大はしゃぎの西島さん。「にんにくと胡椒も利いてる! ごはんも欲しくなる〜」と止まらない。きたろうさんも、「いろんな部位が入ってて、つまみにぴったり!」とチューハイをグビグビ。

18年前、父親の引退を機に三代目を継いだ幹枝さんは、昭和39年、二人姉妹の次女として生まれた。高校卒業後はメーカーに就職し、当初は稼業を継ぐ気は全くなかったという。しかし23歳の時、「父が心臓を悪くして、姉か私のどちらかに店を手伝ってほしいと言ってきたんです。でも、姉も私も働いていたから、どうする?となって。で、じゃんけんで負けました(笑)」と幹枝さん。「えっ、じゃんけんで!?」と驚くきたろうさんたちに、「最初は少し手伝うくらいの気持ちだったんです」と明かすが、徐々に自分が店を継ぐしかないと自覚するようになったのだとか。

ここで、次のおすすめ「ニラ玉」が登場! しっかり焼いたニラ玉に天つゆベースの餡をたっぷりかけた“餡かけスタイル”。きたろうさんは、「最高だな、これ!」と絶賛し、西島さんも、「餡がちょっと中華料理っぽくて、めっちゃおいしい」とたまらない様子。ご主人の尚征さんも、「妻の料理はうまいです」と太鼓判!

たらの旨みに喉が鳴る! 絶品「たらちり鍋」

賑わう店を夫婦2人で切り盛りするため、尚征さんはいつも忙しく店内を走り回っているが、「お客さんが手伝ってくれるんです。終わったお皿を自分で下げてくれたり」と話し、きたろうさんは、「いいね、小岩の雰囲気だ」と納得。それでも間に合わない時には、常備している駄菓子をサービスするそうで、なんともアットホームな光景だ。

もともと尚征さんは、幹枝さんが働く店に毎日のように通う常連客だった。先代女将の「うちの娘どう?」という一言がきっかけで、ふたりは交際を始。1年後の平成15年に結婚した。尚征さんは、「常連客の頃から、あたたかく迎え入れてくれるような店でした。でも自分が店に入って、ちゃんとやっていけるかは不安だった」と言うが、先代女将とも15年間共に働き、店の雰囲気をしっかりと守り続けている。料理については、「見て覚えろ、一回言ったことは覚えておけ」と、厳しく仕込まれたという幹枝さん。「肉豆腐」や「レバニラ炒め」、「なすしぎ」など、店のおススメメニューは常時40種類以上を揃えている。

さて、次は「あつあげ」を。「酒場には、あつあげがなくちゃ!」ときたろうさんは大喜び。半分にスライスしたあつあげの中にねぎとかつお節を挟んであり、西島さんは、「上にのせるより圧倒的に食べやすいし、味もよく滲みる」とパクパク。

「母は、何でもハッキリ言うタイプでした。『材料を無駄にするな』というのが教えで、食材をどう使い切るか常に考えて料理してます」と幹枝さん。母・笑子さんが亡くなったのは、父・進さんが亡くなった翌年だったそうで、「やるべき事に追われて、寂しさに浸る間もなかった」と振り返る三代目夫婦。「これからの夢は、あと10年は店を続けること。創業100年までは頑張りたい」と口を揃える。“四代目”について話を向けると、「先日、学校の先生から、高2のひとり息子が商売の勉強をしたいと言ってると聞きました」と頬を緩ませた。

最後の〆は「たらちり鍋」を。「そういう季節かぁ〜」と、スープを一口飲んだきたろうさん。「出汁が出てる。旨いっ」と喉を鳴らし、「やっぱり鍋は、たらだね!」と味わい尽くす。

酒場とは、「くつろげる場所」とご主人。女将は、「自分にご褒美をあげる場所」だと言う。「そうやってずっと見守ってきたんですね。三代続くってホントすごい!」と、きたろうさんと西島さんは頷きあうのだった。

「木村家」の流儀

その壱

まずはお店自慢の“まぐろ”のお刺身を食らうべし!

先代から付き合いのある魚屋から仕入れるという上質のまぐろ。分厚く切った赤身は納得のおいしさで、食べ応えも十分だ。
まぐろ580円(税込)

その弐

あんがたっぷりかかった“ニラ玉”を食らうべし!

玉子でしっかりとじたニラ玉に、琥珀色のあんをたっぷりかけた“あんかけタイプ”。天つゆをベースに醤油で味を調え片栗粉でとろみをつけた自家製餡の上には白髪ネギを散らす。
ニラ玉550円(税込)

その参

女将の創作料理“あつあげ”を食らうべし!

焼いたあつあげを2枚にスライスし、おろし生姜、ねぎ、かつお節に醤油を垂らしてサンド。さらに一口大にカットする。女将が自分で食べるために考案したスタイルで、味滲みもよく、食べやすい。
あつあげ430円(税込)

その四

先代からの教え“食材を無駄にするな!”

何事にもハッキリとものを言う性格だったという、女将の母・笑子さん。これだけは大切にするように言われたのが、「材料を捨てない」ということ。食材を無駄にしないよう、常に考えながら料理をしている。

その伍

〆には必ず“たらちり鍋”を食らうべし!

小さめの鍋で一人前ずつ提供するたらちり鍋。たらの味がしっかり利いた出汁に、白菜、人参、玉ねぎ、豆腐、しめじ、わかめなど具材もたっぷり。身の締まったたらの旨さがたまらない。
たらちり鍋550円(税込)※冬季限定メニュー

きたろうさんから、木村家へ贈る「愛の叫び」

アットホームな老舗の味に
ほっこり

―――きたろう

「木村家」

住所
営業時間
定休日
東京都江戸川区南小岩6-17-3
16:00〜24:00
日曜 ※営業時間は都の要請に応じて変更あり
  • ※ 掲載情報は番組放送時の内容となります。

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