BS-TBS「〜癒・笑・涙・夢〜夕焼け酒場」 毎週土曜よる6:00〜6:30 BS-TBS
#368

酒処

ふくみ

2022/2/19放送

渋谷区恵比寿で創業40年!
地元で愛され続ける人気酒場
暖簾を受け継ぎ守る姉弟の物語

創業当時の味「もつ煮込み」に舌つづみ!

東京都渋谷区恵比寿にやってきた、きたろうさんと武藤さん。「プライドを持った街ってイメージだね」、「敷居が高い感じがする」などと話しながら、今宵の酒場「酒処 ふくみ」へ。こぢんまりとした温かい雰囲気の店内で、女将の別府ひろみさん(58歳)と料理長の平山治さん(54歳)が迎えてくれた。夫婦かと思いきや、ふたりは姉弟。きたろうさんと武藤さんは、「珍しい」と驚きながら、さっそく焼酎ハイボールで「今宵に乾杯!」。

最初のおすすめは「お刺身盛合せ」。この日は、インドマグロ、ヒラメ、カンパチ、タコの4種。脂ののったインドマグロに、「旨いねぇ」と唸るきたろうさん。料理長の治さんは、「儲けはほぼない」と苦笑しつつ、「長年馴染みの魚屋から、一番いいものを融通してもらうんですよ」と胸を張る。

店は創業40年目。もともと仕出し弁当店を営んでいた、ひろみさんと治さんの両親が、昭和58年に開業した。最初はひろみさんが店を手伝っていたが、両親が他界してからは弟とふたりで暖簾を守り、約40年間、地元の人たちに愛され続けている。恵比寿で生まれ育った姉弟によると、「昔の恵比寿は下町で、お財布を忘れても、つけで買い物できるような街だった」そうで、「都会のど真ん中と思えないね」と、きたろうさんも印象が少し変わったようだ。

続いては、先代の父・登さんのレシピを受け継いだ「もつ煮込み」を。牛もつと豚もつの両方を使い、豆腐と一緒に信州味噌でじっくり煮込む。「とろける〜」と目を細める武藤さん。きたろうさんは、「こんなしっぽりしたところで煮込みを食うって、いいなぁ」と感慨深げだ。

19歳の時に店を手伝い始めたひろみさんだが、「当初は、開業のことも知らず、オープン2日前に知り合いから初めて聞いて、びっくり! 半年後に結婚が決まってたので、それまで店を手伝うことになったんです」と話し、「それで、離婚して?」と冗談で聞くきたろうさんに、「はい!」とあっさり肯定。これには、武藤さんも「ええぇーっ!?」。

サクサクほくほく! 絶品「手作りコロッケ」

小さい頃から板前になるのが夢だった治さんは、居酒屋や割烹などで約6年修業。料理長を務め、ニューヨークなど海外に料理を教えに行くこともあったと言う。ひろみさんも、「弟は小学生の頃から、『姉ちゃん、何食べたい?』って、よくご飯を作ってくれた」と話し、「いい弟だねぇ。夢がかなったんだね」ときたろうさんも心が和む。

次の料理は、「ポテトマカロニサラダ」。皮ごと蒸したじゃがいもを丁寧に潰して作るなめらかなポテトサラダに、マカロニと野菜を加える。シンプルながら味わい深く、「これはお酒と合いますね」と武藤さんもチューハイが進む!

約15年間、両親を手伝ってきたひろみさんは、35歳の時、父・登さんを亡くし、2年後に母・敏子さんも他界。店を閉めることを考えたという。しかし、和食料理店で働いていた治さんが、姉と共に「ふくみ」を引き継ぐことを決意。店は存続の危機を免れた。「弟がいなければ、やってなかった。今は毎日が楽しい」とひろみさん。そんな彼女は、「料理は全くしない」そうで、治さんも、「姉の料理は食べたくないですねぇ」と笑う。接客上手な姉と、料理上手な弟は、お互いを「治」、「ねえねえ」と呼び合い、ふたりで一台のバイクに乗って仕入れに行くほどの仲良し姉弟なのだ。

「昔からのお客さんも多いので、先代のメニューは変えません」と治さん。オススメには、「ハムカツ」、「納豆オムレツ」、「銀だら西京焼き」など、心惹かれるメニューが並ぶ。日によって違う料理を作ることも多いそうで、ひろみさんが毎日メニューを手書きしている。実は、ひろみさんは、習字の展覧会で入選するほどの達筆! その美しさに、きたろうさんも、「これはすごい! 素晴らしいよ〜」とベタ褒めだ。

ここで、治さん考案の「手作りコロッケ」が登場! 「外はサクサク、中はホクホク」と舌つづみをうつ武藤さん。きたろうさんも、「何もつけなくてもおいしい!」と感心しきりで、治さんは、「臭みのない鶏ひき肉を使って、コショウを利かせてます」とこだわりを教えてくれた。

「若い人向けのお店は多いけど、中年のおじさんたちが静かに飲める店は少ない。のんびりお酒を楽しんでもらえれば」とひろみさん。きたろうさんは、「アットホームで、のほほんとした感じがいい。安心してゆっくりできるね」と、すっかりくつろぎながら、「リッチなお客さんが来る?」とニヤニヤ。ひろみさんは、「みなさん心が豊かです!」。

〆は、「若鳥の和風おつまみカレー」。ご飯にかけず、カレーだけをいただく。きたろうさんは、一口食べて、「あぁ、蕎麦屋のカレーだ! 旨い」と喉を鳴らし、武藤さんも、「鶏肉がゴロゴロ! 出汁が利いて、おいしい」と大喜びだ。

酒場とは、「心がゆっくりできる場所」と治さん。ひろみさんは「疲れを癒して笑える場所ですね」。都会の真ん中で、ほんわか姉弟の温かい笑顔に癒される一軒だ。

「酒処 ふくみ」の流儀

その壱

まずは鮮度抜群な“お刺身盛合せ”を食らうべし!

この日は、脂ののったインドマグロに、さっぱりとした白身のヒラメ、旨みたっぷりのカンパチ、コリコリとした歯応えのタコの4種類。どれも鮮度抜群の絶品。仕入れは、長年付き合いのある魚屋から、一番おいしい部分を融通してもらっているという。
お刺身盛合せ(ミニ)1,430円(税込)

その弐

創業当時からの人気メニュー“ポテトマカロニサラダ”を食らうべし!

先代がお客さんのリクエストに応えて作ったというメニュー。皮ごと蒸したじゃがいもを丁寧に潰して作る口当たりのよいポテトサラダに、マカロニとにんじん、玉ねぎ、きゅうりを加える。シンプルながら味わい深い逸品だ。
ポテトマカロニサラダ610円(税込)

その参

治さん考案の人気ナンバー1メニュー“手作りコロッケ”を食らうべし!

外はサクサク、中はホクホクのコロッケは、ソースをつけずにそのまま食べても感動の旨さ! 豚ではなくクセのない鶏ひき肉を使い、コショウをたっぷり利かせるのが、おいしさの秘密だとか。
手作りコロッケ610円(税込)

その四

〆には必ず名物“若鳥のおつまみカレー”を食らうべし!

カレー好きな治さんが考案した和風カレーは、かつお出汁にカレー粉を加え、鶏肉・玉ねぎを煮込む。ゴロゴロ入った鶏肉と出汁の利いたマイルドなカレーは、お酒のおつまみにぴったり!
若鳥の和風おつまみカレー610円(税込)

きたろうさんから、ふくみへ贈る「愛の叫び」

筆上手な姉と料理上手な弟
兄弟愛はのほほ〜ん

―――きたろう

「酒処 ふくみ」

住所
営業時間
定休日
東京都渋谷区東3-25-3 B1
17:30〜23:00(要予約)
土・日・祝 ※営業時間は都の要請に応じて変更あり
  • ※ 掲載情報は番組放送時の内容となります。

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