横浜市鶴見区で人気の大衆酒場
驚きの安さとボリューム!
絶品豚肉料理に舌つづみ
豚肉100%の「チーズハンバーグ」!
今宵の舞台は、横浜市鶴見区。きたろうさんと武藤さんが訪れたのは、安くて旨い豚肉料理が人気の「壱豚(いっとん)」だ。少々雑然とした店構えが客を選ぶような雰囲気の外観に、「こういうお店、初めて!」とワクワクする武藤さん。きたろうさんも、「いい感じだねぇ」とうれしそうな表情で、「でも、一見さんは入りにくいかも!?」。店を一人で切り盛りするご主人の谷井徹さん(44歳)も、「初めての方は入りづらいですよね。自分でも入れない」と言いながら、気取らない笑顔で出迎えてくれた。そして、ふたりは、さっそく、焼酎ハイボールを注文して、「今宵に乾杯!」。
最初のおすすめは、「お刺身盛り合わせ」。この日は、中トロ、カンパチ、サーモン、真タコの4種で、なんと390円(税込)! 「生魚なので、高い値段をつけて売れ残るより、安く食べてもらって、どんどん新鮮なものを仕入れた方がいい」とご主人。きたろうさんは、「豚肉料理の店で、こんなおいしい刺身が食べられるとは思ってなかった!」とゴキゲンだ。
開業当初はとんかつ店だった「壱豚」。大衆酒場に路線変更したのは、「自分が飲み歩くうちに、もっといろんな料理を出したいと思うようになったから」。オススメのメニューには、「豚肉のガーリックステーキ」、「豚の角煮」、「豚の唐揚げ」など豚肉料理を中心に、お酒にあう様々な料理が並ぶ。
次に登場したのは、「チーズハンバーグ」。豚肉100%の特大ハンバーグにたっぷりのチーズがトローリ! ボリューム満点の一皿に、きたろうさんは、「700円はするね」と予想するが、実際は450円(税込)。表面を大胆に焦がして、香ばしさと食感を出すそうで、「食べ出すと止まらない。安くて旨いって、すごいよ!」と、きたろうさん。武藤さんも、「牛よりさっぱりしてるけど、食べ応えがある。チーズとも相性抜群!」と絶賛だ。
もともと料理好きだったご主人は、東京の調理師専門学校を卒業後、横浜市内の洋食レストランに就職。「いつかは自分の店を出したい」という想いを胸に、その後も各地のレストランで修業を重ねた。「自分の舌を信じて、自分がおいしいと思うものを出せるようになるには、やっぱり時間がかかった」と言うが、「自分の思ったことをすぐ形にできるのが、自分の店。失敗しても自分のせいだし、成功するのも自分の頑張り」と開業を目指した。店名の由来は、「毎日、“1トン”=“壱豚”の豚肉を使うくらいの店にしたかったから。でも、さすがにこのキャパでは無理でしたね(笑)」。
ボリューム満点の「カツサンド」に大興奮!
続いては、名物「豚トロ梅しそ焼き」を。塩胡椒で下味をつけた首回りの肉をじっくり焼き上げ、梅肉と大葉と一緒にいただく。女性に大人気だそうで、武藤さんも、「脂身が甘い〜。しそと梅でさっぱりしたおいしさになる!」と、もう止まらない。
29歳の時、開業資金を貯めるため食肉加工会社に就職したご主人は、そこで肉のさばき方を覚え、仕入れ先との関係性を築いたという。そして、平成26年、36歳で念願の自分の店を開業。「ぎりぎりの資金で始めたので、最初は本当に苦しかった。この周辺は飲食店が少なくて、人があまり集まらない。1日に10人来ない日もありましたね。でも、少しずつ地元の方が来てくれるようになり、口コミでだんだん広まりました」と、自分を信じて耐え抜いた。「これからは、もっともっとサービスの質を上げていかなきゃ生き残れない。そういう緊張感を常に持ってやっています」と前を向き、「お客さんがお会計する時に、代金以上の喜びを感じてもらいたい。それだけがこだわりです!」と信念を貫く。
ここで、小鉢に山盛りの「マカロニサラダ」が登場! その量に圧倒されるきたろうさんだが、一口食べて、「味付けがうまい。ちゃんとお酒に合う」と舌つづみ。武藤さんも「胡椒がたっぷりでいいですね〜」と、チューハイがすすむ!
音楽が趣味でロックが大好きというご主人。店内にはギターを飾り、普段のBGMはロックだとか! 「演歌の雰囲気なのに!?」と意外そうなきたろうさんは、「流してみてよ」とリクエストするが、ハードロックが流れ出した途端、「こりゃ、雰囲気が全然違う。もういいわ(笑)」と、あっさり終了〜!
最後の〆は、「カツサンド」。これまた巨大なカツサンドに、「ええーっ! 思ってた4倍ある!」と大興奮の武藤さん。分厚いロースかつを丸まま1枚使い、からしマヨネーズを塗った厚切りトーストにサンドしてある。ふたりは大きく口を開けてかぶりつき、「やっぱり、とんかつがおいしい!」と感激。550円(税込)という値段は、驚きを越えて呆れるほどで、ご主人は、「ぎりぎりを攻めてます。月に2回来てもらうより、3回、4回来てもらいたい!」。
ご主人にとって酒場とは、「出会いと別れの場所。僕もお酒が好きでたくさん飲みますが、まずは自分が倒れないで、これからもお店を続けて行きたいですね」。お客さんを喜ばせたいというご主人の熱い思いがあふれる、最強の酒場である。