BS-TBS「〜癒・笑・涙・夢〜夕焼け酒場」 毎週土曜よる6:00〜6:30 BS-TBS
#370

駒露地

2022/3/5放送

亡きご主人のレシピを受け継ぎ
暖簾を守り続ける女将
工夫を凝らした創作料理に舌つづみ!

ご主人考案の人気メニュー「チーピー巻」

東京都豊島区駒込にやってきた、きたろうさんと武藤さん。JR山手線駒込駅から北へ延びる「さつき通り商店街」を歩いて、今宵の酒場「駒露地」へ。大きな提灯が揺れる年季の入った外観に、「趣きあるね〜」と期待が高まるふたり。店内は木のぬくもりを感じる落ち着いた雰囲気で、女将の煖エ志乃吹(しのぶ)さん(46歳)が一人で切り盛りしている。きたろうさんは、「店の感じだと、60歳過ぎたオヤジが出てくるかと思ったら、若い女将!」と驚きながら、さっそく、焼酎ハイボールを注文して、「今宵に乾杯!」。

最初のおすすめは、「真鯛のこぶ〆」。酒に浸した利尻産昆布で挟み、一晩寝かせた真鯛は、角が取れたまろやかな味わい! きたろうさんは、わさびと醤油でいただいて、「旨いねぇ」と舌つづみ。わさびが苦手な武藤さんは塩昆布を乗せて食し、「あぁ、おいしい〜」とうっとりだ。

店は創業16年目。「主人と二人で始めました」と女将は言うが、ご主人の姿はなく、聞けば、ご主人の義明さんは3年前、48歳で他界したという。「3年しかたってないんだ。大丈夫?」と気遣うきたろうさんに、女将は「もう、やるしかないので!」と明るく答え、「子供もいるし、悩んでいられない」と前を向く。

義明さんとの出会いは、当時会社員だった志乃吹さんが飲食店開業を目指して通っていた調理師専門学校。「私は接客が好きだけど、料理はちょっと苦手。でも、主人は料理が得意だったので、ちょうどいいパートナーになったんです」。会社勤めをしながら居酒屋で修業をし、串焼き店では店長を務めるなど、経験を積んだ志乃吹さん。「主人と一緒なら」と、15年前に二人で「駒露地」を開業した。

次は、亡きご主人から受け継ぐ「チーピー巻」。チーズをピーマンに詰め、豚肉で巻いて焼き上げた一品に、「チーズの味が後から広がって、お肉の脂とピーマンの苦味もすごくよく合う」と武藤さん。店のメニューは約75種類もあるそうで、「もともと主人が色んな料理を考えてくれていたので」と、女将がご主人の味を継承し、「うなぎ肝焼」、「エビ春巻」、「牡蠣グラタン」など、垂涎もののオススメメニューが並ぶ。

駒込で開業した理由を尋ねると、「本当はもっと繁華街で探したんですが、全然空きがなくて。住んでいた駒込で、たまたま主人がここを見つけて、即決しました」。“露地”には“茶室に付属した庭“という意味もあるそうで、「庭のように自然に入って来られるような店に」との思いを込めて「駒露地」と名付けたという。

斬新なおいしさ! 「チャンチャン風ピザ」

ここで、「ねぎとろアボカド豆腐」が登場! おしゃれに盛り付けられているが、「出汁醤油をかけて全部混ぜて食べるのがおすすめ」とか。スプーンでよく混ぜて一口食べたきたろうさん、「これは料理のアートだね。食感がセクシーだ(笑)」と絶賛。武藤さんも、「こんなの初めて! するする食べられて、お酒とも合いますね」と止まらない。

義明さんは真面目で寡黙な人だったそうだが、「料理に関しては、自己流で何にでも挑戦してました」と女将。「亡くなるまでの2年間、闘病生活中に主人からいろいろな料理を教わりました。店はやめてもいいと言われたんですが、私はこの仕事が好きなので!」。義明さんが遺してくれたレシピのスクラップは、かけがえのない宝物となった。店の壁には、義明さんと志乃吹さん、そして生まれて間もない息子の拓真くんの三人が厨房でにこやかに笑う写真が飾られている。現在6歳になった拓真くんのためにも「頑張らなきゃ」と精を出す志乃吹さん。義明さんはいつも見守ってくれているに違いない。

続いては、生前のご主人と試行錯誤して完成させた「きつねコロッケ」を! 裏返した油揚げにポテトサラダ、コーン、チーズを詰めて、油で2度揚げする。サクサクした食感は、「衣のコロッケより軽い感じ」と武藤さん。お好みでスイートチリソースをつけると、「新しいおいしさ! 一気におしゃれな味になる」と大喜び。

「家庭で作る料理にひと手間加えたり、お客さんがちょっと笑えたりする料理を出したい」と女将。「それは会話も弾むよね!」と、きたろうさん。武藤さんも、「美味しい料理は、コミュニケーションにもなるんですね!」と感心しきりだ。

最後の〆は、女将考案の「チャンチャン風ピザ」。「チャンチャン焼きをのっけちゃいました(笑)。普通の板前さんは絶対作らないと思うので、インパクトあるでしょ!?」。甘味噌を塗ったピザ生地に鮭やキャベツを乗せ、チーズとマヨネーズで焼き上げる。武藤さんは、「いい香り〜」と待ちきれない様子で、「この味、大好き! チューハイがめちゃめちゃ進む〜」と大はしゃぎ!

お客さんから「元気もらったよ」と言われるのが一番うれしいという女将。「酒場とは、一期一会の出会いの場所。おいしい料理があって、いつも誰かがそこにいる。コロナ禍を乗り越えて、いつまでも楽しく続けていきたいですね」と穏やかな笑顔が輝いた。

「駒露地」の流儀

その壱

まずはお店自慢の自家製“真鯛のこぶ〆”を食らうべし!

酒に浸した利尻産昆布で真鯛を挟み、一晩寝かせる。昆布〆にすることで角が取れたまろやかな旨みとやわらかな食感が楽しめる。醤油とわさびでいただくのもよし、添えられた塩昆布と一緒にいただくのもよし。
真鯛こぶ〆640円(税込)

その弐

亡きご主人から受け継ぐ人気メニュー“チーピー巻”を食らうべし!

女将の亡きご主人が考案し、その味を継承した人気メニュー。チーズをピーマンの中に詰め、豚肉を巻いて焼き上げる。豚肉の脂とピーマンの苦みが相性抜群。最後にチーズが合わさって、三位一体のおいしさに!
チーピー巻200円(税込)

その参

女性人気No.1“ねぎとろアボカド豆腐”を食らうべし!

別々の器におしゃれに盛り付けられた豆腐、アボカド、ねぎとろをお好みで混ぜていただく。女将のおすすめは、豆腐の上にアボカドとねぎとろをのせ、出汁醤油をかけてしっかりと混ぜ合わせる食べ方。さっぱりとしたおいしさで、いくらでも食べられそうだ。
ねぎとろアボカド豆腐530円(税込)

その四

〆には必ず女将の創作料理“チャンチャン風ピザ”を食らうべし!

甘味噌を塗ったピザ生地にキャベツ、長ねぎ、しめじ、鮭、チーズをトッピング。マヨネーズをかけて220℃のオーブンで約5分焼き上げる。チャンチャン焼き×ピザの斬新な組み合わせは、お酒との相性もバッチリ!
チャンチャン風ピザ(ハーフ)530円(税込)

きたろうさんから、駒露地へ贈る「愛の叫び」

女将は料理のアーティスト
(天に)しのぶは大丈夫だぞ!!

―――きたろう

「駒露地」

住所
営業時間

定休日
東京都豊島区駒込2-14-8
火〜金15:00〜23:00
土日祝13:00〜23:00
月曜 ※営業時間は都の要請に応じて変更あり
  • ※ 掲載情報は番組放送時の内容となります。

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