ご主人の人柄に癒される人気酒場
目利きが光る絶品魚料理と
こだわりの手打ちそばに舌つづみ!
トロトロ濃厚! 「ふぐ白子の天ぷら」
今宵の舞台は、閑静な住宅地が広がる、東京都杉並区浜田山。きたろうさんと武藤さんが訪れたのは、魚介料理と手打ちそばが自慢の「酒とさかな こよし」だ。創業3年目を迎えたばかりの新しく清潔な店内で、ご主人の塚原裕樹(ひろき)さん(40歳)に焼酎ハイボールを注文して、さっそく、ふたりは、「今宵に乾杯!」。
今宵の舞台は、閑静な住宅地が広がる、東京都杉並区浜田山。きたろうさんと武藤さんが訪れたのは、魚介料理と手打ちそばが自慢の「酒とさかな こよし」だ。創業3年目を迎えたばかりの新しく清潔な店内で、ご主人の塚原裕樹(ひろき)さん(40歳)に焼酎ハイボールを注文して、さっそく、ふたりは、「今宵に乾杯!」。
最初のおすすめは、「お刺身つまみ盛り」。この日は、本まぐろの中とろ・赤身、真鯛、かつお、みる貝、石鯛の豪華な盛り合わせ。豊洲市場から仕入れる魚介はどれも鮮度抜群で、「旨いなぁ」と舌つづみをうつきたろうさん。武藤さんも、「真鯛はコリコリで、石鯛は脂がのってて甘い。おいしい〜」と絶賛だ。
30歳から日本橋の手打ちそば店で2年間修業したご主人だが、「そば打ちは教えてもらえず、独学で習得した」とか。「『見て覚えろ!』と言われて。こだわりの強い親方でした」と苦笑いしつつも、「高い水準の料理を見て覚えられたし、そういう親方のもとで修業できたのはありがたい」とフォローも忘れない。そして、そば店を辞めた後、32歳からは新橋の日本料理店で、さらに5年間修業を重ねたという。
そば店の前には、お好み焼き店でも働いていたそうで、「20歳から30歳まで10年間です」とご主人。武藤さんは、「長い!」と驚きながら、「でも、私も、AKBでもう10年……」とつぶやき、きたろうさんに「そろそろ卒業だろ(笑)」とツッコまれて、全力否定!
続いては、「ふぐ白子の天ぷら」を。衣に空気を含ませるため、天ぷら粉をふるいにかけ、ふっくらと仕上げる。サクッと軽い衣の中からは濃厚な白子があふれ出し、「噛んだ瞬間にトロトロ〜。あぁ幸せ」と、武藤さんは頬が落ちそうだ。
「料理そのものが大好き!」と断言するご主人だが、意外にも、最初から料理好きだったわけではないらしい。「とにかく勉強が嫌いで、逃れたくて」と、高校卒業後、18歳で都内の調理師専門学校に進学。その後、19年間、様々な店で修業を経験するなかで、料理が楽しくなったのは、「魚料理を作るようになってから。カウンター越しにお客さんの顔が見えて、直に反応が分かるのが刺激になった」と言う。そして、「僕の料理を食べに来てくれるお客さんが増えて、勝負するなら今だ!」と、令和2年、38歳で「こよし」を開業した。そんなご主人が作るオススメメニューは、「山菜の天ぷら盛り合わせ」、「牡蠣オイル漬けと新玉ねぎのサラダ」、「だし巻き玉子」など、食べれば笑顔になれる絶品料理ばかり!
香りと甘さが際立つ「手打ちそば」
ご主人が新鮮な魚にこだわるのは、「茨城県鹿嶋市出身で、ずっと海の幸を食べて育ったから」。豊洲市場には自ら足を運び、修業で鍛えた目利き力で魚を仕入れている。この日は、江戸前の新鮮な穴子を選んで煮付けに。短冊切りの長芋と一緒にたっぷりのタレを絡めた「穴子の煮付け」は、「柔らかくて、ふわふわっ!」と、とろけそうな武藤さん。きたろうさんも、「甘辛いタレにわさびが利いて、なんとも旨い」と、たまらない様子だ。
店名の由来を伺うと、「お客さん同士が、仲良く和気あいあいと飲める、“なかよしこよし”な雰囲気にしたくて」。さらに、おみくじの「小吉」の意味も込めたと教えてくれた。
ところで、2年前、独立する際に紹介されたこの物件。実は、偶然にも、以前働いていたお好み焼き店だったそうで、お好み焼き店を閉めた元オーナーから引き渡しを受けたという。「でも、開業直後からコロナ禍で細々としたスタートになり、借金も増えて、心が折れそうだった」と言う。それでも、「だんだんとお客さんに支持していただけるようになって、本当にありがたい」と前を向くのだった。
さて、ここで、「真ダコと花山葵の酢の物」(※5月中旬までの期間限定)が登場! ボイルした真蛸と旬の花山葵の醤油漬けを土佐酢で和えた一品に、「思ったほど辛くなくて、おいしい!」と気に入った様子の武藤さん。きたろうさんは、「季節を感じる高級料理店の味。山葵の香りがしっかりして、旨いよ」と感心しきりだ。
ご主人が店を持って実感するのは、「人に支えられている、ということ。それまで気づかなかったことがよく見えるようになりました」と、感謝の想いを滲ませる。きたろうさんは「大将は、なんか可愛くて、人に愛されそうだよね」と言いながら、「腰が低いような……、フリをしてね(笑)」と付け足して、みんなで大笑い!
最後の〆は、「手打ちそば」を! 北海道産のそばの実を一度焙煎してから挽くことで、そばの香りと甘さがより引き立つという。きたろうさんは、定番の「もりそば」をズズっとすすり、「そばって本当は甘いものなんだよね」と堪能。武藤さんが注文した「すだちそば」は、輪切りのすだちが敷き詰められた涼しげな一杯で、「爽やかな風味で、夏にぴったり」と、こちらも大満足だ。
「酒場とは、人の心を癒す場所。とても素敵な場所です」と穏やかに語るご主人。きたろうさんは、「大将と一緒にいるだけで、十分癒されるんだよね!」。