BS-TBS「〜癒・笑・涙・夢〜夕焼け酒場」 毎週土曜よる6:00〜6:30 BS-TBS
#377

酒亭

二ぶん半

2022/4/23放送

手間と工夫を凝らした絶品料理の数々!
酒場激戦区の門前仲町で
人気酒場を作り上げた男たちの物語

沖縄風の出汁が自慢! 「島おでん」

今宵の舞台は、東京都江東区門前仲町(もんぜんなかちょう)。“深川の八幡様”として親しまれる富岡八幡宮を後に、きたろうさんと武藤さんが向かったのは、「酒亭 二ぶん半」。清潔で明るい雰囲気の店内で、ご主人の込山(こみやま)博之さん(42歳)と料理長の武井敏郎さん(50歳)に迎えられ、ふたりは、さっそく、焼酎ハイボールで「今宵に乾杯!」。

最初のおすすめは「島おでん」。玉こんにゃくや大根、テビチ(豚足)、ソーキ(豚あばら肉)などの沖縄風おでんを、ピリ辛の沖縄伝統調味料「コーレーグス」でいただく。「味が染みてるねぇ」と喉を鳴らすきたろうさん。武藤さんは、コラーゲンたっぷりのテビチに「やわらかくてトロトロ〜」と感激。白身魚と豆腐を練り合わせて作る自家製の門仲揚げも絶品で、もう箸が止まらない!

店名の由来をご主人に伺うと、「7年前、東銀座で高級立ち呑み店『三ぶん』を開業しました。江戸時代にあった『三分亭』という、肴がすべて銀三分(現在の約500円)で食べられる店に倣って、いいものを安く提供するというコンセプトの店です。その『三ぶん』より、もっとリーズナブルな店という意味で、『二ぶん半』と名付けました」。

ご主人は、長野県の高校を卒業後、調理師専門学校進学のため上京。「当時は人と接することが苦手だった」そうで、専門学校卒業後は、ベーカリーや洋菓子店の工房で黙々と作業をこなしていた。転機が訪れたのは、31歳の時。銀座の日本料理店に再就職して、初めてお客さんと向き合い、「接客の楽しさに気づいた」と言い、「人と話せない性格だからこそ、人のことをよく見て、その人に合わせた接客ができるのかも」と自己分析する。

そんなご主人は、34歳の時、接客の良さを見込まれて、「立ち呑み 三ぶん」の創業メンバーに誘われる。平成27年に東銀座で開業すると、高級食材を使った料理が大評判に! そして、5年後、さらにリーズナブルなお店を目指して門前仲町に「酒亭 二ぶん半」を立ち上げたというわけだ。

ここで、次のおすすめ「カニクリームコロッケ」が登場! カニ身たっぷりの生地にレンコンを加えることで、シャキシャキとした食感が楽しめる。「発想がすごい」と感心するきたろうさん。「満腹にならないように」と、細かく砕いたパン粉を使うのも、ご主人のこだわりだ。

トロける旨さの「自家製生からすみ」

ところで、料理長の武井さんとご主人は、「三ぶん」の頃からの付き合い。ちょっと意外な出会いを、武井さんが教えてくれた。「僕が包丁を買う馴染みの包丁屋さんがいるんですが、あちこちの店をまわっているので、開店・閉店情報なども詳しい。料理人に働き口を仲介したり、口利きしたりしてくれるんです」。きたろうさんは、「へぇ、包丁屋さんが! なんか江戸時代みたい」と感心しきり。武井さんは、ご主人のことを「こだわりを持って仕事する人」とリスペクト。ご主人は、「武井さんは、料理はもちろん、お客さんともフレンドリーに接して、店の空気感を大事にしてくれる」と、互いに信頼を寄せあう。

開業当初はお客さんが来てくれるか不安だったと言うふたりだが、「ありがたいことに、『三ぶん』のお客さんがたくさん来てくれた」とか。そんな常連客の舌をうならせる珍味「自家製生からすみ」が、次のおすすめ! 黄金色に輝く生からすみに、「美味だねぇ。味に奥行がある」と感動するきたろうさん。武藤さんも、「口の中でだんだん味が濃くなっていく〜!」と、味わいつくす。

食材の仕入れは主に豊洲市場。「基本的に、魚屋さんの方で売れ残ったものや、使ってほしいという魚を仕入れ、そこからメニューを考える」とご主人。仕入れやメニューを工夫し、安くて美味しいものを提供するには苦労も多く、料理人歴32年の大ベテランの武井さんでも「眠れないときがある」と苦笑い。「ここでしか食べられないものを出すため、ひと手間もふた手間も加えます。それを考えるのが難しい」と言うが、「ウフマヨ(半熟卵&味噌ソース)」、「マグロの山わさび醤油和え」、「マグロだしたっぷりの江戸前玉子ふわふわ」など、工夫をこらしたオススメメニューは、どれも絶品!

続いては、武井さんの技が冴える「フグの白子の西京焼き」を。西京味噌に漬け込むことで旨味が増した白子の濃厚な味わいに、きたろうさんは、「旨いね〜」と唸り、武藤さんは目を輝かせてチューハイをグビグビ!

最後の〆は、「ねぎま鍋」。独りサイズの土鍋には、長崎産の天然マグロとネギがぐつぐつ。ホロリとしたマグロの食感とマグロ出汁を使ったやさしい味のスープに大満足のふたりだ。

今では地域のお客さんも増え、週に6回来てくれるお客さんも! 「僕らが仕事を楽しんでこそ、お客さんを楽しませることができる。 酒場とは、楽しい時間を過ごす場所ですね」とご主人。武井さんは、「いろいろな出会いがある場所かな」と答え、きたろうさんは、「いいね〜。お酒は飲んでるだけで楽しいし、酒場は初めて会った人が話せる場所だよね」と、今宵もほろ酔い、上機嫌!

「酒亭 二ぶん半」の流儀

その壱

まずはお店自慢の“島おでん”を食らうべし!

玉こんにゃく、人参、大根、油麩、門仲揚げ、テビチ(豚足)、ソーキ(豚あばら肉)の盛り合わせ。カツオと昆布出汁に豚の旨みが加わった、沖縄風おでんに、泡盛に島とうがらしを漬け込んだ沖縄の伝統調味料「コーレーグス」をつけていただく。
島おでん2,200円(税込)

その弐

開業当時からの人気メニュー“カニクリームコロッケ”を食らうべし!

塩、砂糖、ブラックペッパーで味付けした生地にカニとレンコンを加え、細かいパン粉を使用して180℃の油で揚げる。シャキシャキした食感も楽しめる、ほんのり和風テイストのコロッケだ。
カニクリームコロッケ1,100円(税込)

その参

〆には必ず天然マグロを使った“ねぎま鍋”を食らうべし!

長崎産の天然メジマグロとネギを煮込んだ、ねぎま鍋。口の中でホロホロとほどけるようなマグロの旨みと、やさしい味わいのマグロ出汁が絶品! 一人前サイズのミニ土鍋で提供されるのも〆にぴったり!
ねぎま鍋1,650円(税込)

きたろうさんから、二ぶん半へ贈る「愛の叫び」

江戸時代からの心意気を感じた
料理は十二ぶん

―――きたろう

「酒亭 二ぶん半」

住所
営業時間
定休日
東京都江東区富岡1-22-26
16:00〜翌2:00
無休 ※営業時間は都の要請により変更あり
  • ※ 掲載情報は番組放送時の内容となります。

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