BS-TBS「〜癒・笑・涙・夢〜夕焼け酒場」 毎週土曜よる6:00〜6:30 BS-TBS
#382

魚貞

2022/5/28放送

東京都渋谷区幡ヶ谷で昭和56年創業!
新鮮な海の幸と鯨料理が自慢の酒場
この道48年の主人が作る絶品料理に舌つづみ!

鮪の希少部位「脳天とかまとろ」の刺身!

東京都渋谷区幡ヶ谷へやってきた、きたろうさんと武藤さん。今宵の酒場は、京王新線幡ヶ谷駅から徒歩約1分、新鮮な海の幸と鯨料理が楽しめる「魚貞」だ。清潔感のある落ち着いた店内で、二代目主人の石川宏之さん(67歳)と妻の智子さん(62歳)に迎えられ、ふたりは、さっそく、焼酎ハイボールで、「今宵に乾杯!」。

最初のおすすめは、「鮪の脳天とかまとろ」。たっぷりとサシの入った希少部位の盛り合わせに、「鮮やかできれい!」と声が弾む武藤さん。かまとろを一口食べて、「おいしい〜。脂が甘くて口の中で溶けますね!」と目を細める。「これはなかなか手に入らないだろうね」と、きたろうさんも感心すると、「約30年の長い付き合いで、豊洲市場の卸店から分けてもらうんです」と、胸を張るご主人だ。

店は創業40年。女将・智子さんの父・貞夫さんが昭和56年に開業した。宏之さんは開業と同時に店で働き始め、智子さんと出会って恋に落ちた。「それで先代に気に入られて」と推測するきたろうさんに、「違います。全く逆。自分は遅刻も多いしすぐ休むから、気に入られてなかった」とご主人。貞夫さんを始め、周囲は交際に大反対。それでも、「彼女が辛抱強く待ってくれた」と、愛を育み続け、5年後、ようやく結婚が許された。しかし、結婚から7年後、先代の父・貞夫さんが病に倒れ、61歳で帰らぬ人に。「『娘を頼む』って言われた?」ときたろうさんが聞くと、ご主人は、「いいえ、泥棒って言われました」と苦笑いしつつ、「でも、築地の関係者や一部のお客さんには、『宏之のことをよろしく』と言ってくれていたみたいです」と振り返る。

次のおすすめは、「銀むつ正油漬焼」。高級魚の銀むつを薄口醤油を使って漬け込み、じっくりと焼き上げたお酒にぴったりな一品だ。表面はこんがり、身はふっくら。「おいしい〜」と、武藤さんは箸が止まらす、きたろうさんも「あ〜、旨いっ」と唸るばかり!

「鯨刺し」は新鮮で濃厚な旨さ!

高校卒業後、調理師専門学校に入学し、19歳から新宿の割烹料理店で修業を始めた宏之さんは、そこで貞夫さんと出会った。最初は職場の上司と部下の関係だったが、6年後、貞夫さんが独立し、「魚貞」を開業。宏之さんも店を手伝うことになったのだ。先代が病に倒れ、代替わりした頃からは、宏之さんが魚料理以外のレパートリーを増やしていったそうで、中でもこだわったのが「鯨料理」。その新鮮で濃厚な旨さは評判となり、たちまち店の看板メニューに! そんな「鯨刺し 赤身(背中の肉)」を食したきたろうさん、「旨いなぁ。レバーみたいな食感だ」と舌つづみ。武藤さんは「すごく柔らかい〜。新鮮で臭みも全然ない」と感激し、さらに半年ぶりに入荷したという貴重な「鹿の子(あご周辺の肉)」もいただいて、「脂がのってておいしい!」と味わい尽くす。

店を継いで大変なことも多かったというご主人。最初はお客さんに怒られることもあったとか。「料理の説明も自分がしなきゃいけないし、味に対する反応もすぐに返ってくる。直接お客さんと向き合うことで、料理に対する姿勢もかわりましたね。自分で勉強して応えていかなければ、という思いが強くなったんです」。

さて、ここで、ご主人の故郷・山形の豚を使った「角煮大根」が登場! 3時間煮込んだ飴色の大根と山形豚の角煮に、「出汁が滲みてる〜。お肉も崩れるほどやわらかい」と頬が落ちそうな武藤さん。こちらも代替わりしてからのメニューだそうで、「自分が食べたいものを追加していくうちに、どんどん増えちゃって」と、今では、「アジフライ」、「卵焼き」、「自家製ポテトサラダ」など、50〜60種類ものオススメメニューが並び、目移りするほどだ。

ご主人は、これまで店を続ける中で、「結婚までの5年間だけは、もう逃げ出したいと思った」と言う。「でも、彼女がずっと待ってくれていたから、裏切るわけにいかなかった」と耐え抜いた。そんなご主人について、智子さんは、「優しい人です」と、おっとりと微笑み、ご主人は、「ここまで長くやってこれたのは、彼女のおかげ。4人の子育てを終え、店を手伝って、大変だったと思う」と感謝するのだった。きたろうさんが、「店を継ぐ人はいないの?」と聞くと、「ないですね……。一番下の子も、もう30歳。それぞれ好きな道を選んでます。自分は75歳でリタイヤするつもりですが、閉めるとなるとやっぱり残念」と、少々寂しげだ。

さて、〆は、「鮪ほほ肉のたたき丼」(※ランチのみ提供)。鮪のほほ肉を贅沢に盛ったボリューム満点の丼に、ふたりは大興奮! 武藤さんは、「言われなかったら、お肉だと思いそう!」とパクパク。「これは旨い。すごいな!」ときたろうさんも大満足だ。

「酒場とは、出会いと落ち着きの空間。そういう時間を提供できるのは嬉しいし、やりがいがある。お客さんの幸せそうな顔を見ると、良かったなとしみじみ思いますね」と話すご主人の横顔に、智子さんも穏やかな笑顔で頷くのだった。

「魚貞」の流儀

その壱

まずは鮪の希少部位“脳天とかまとろ”を食らうべし!

鮪の希少部位“脳天”と“かまとろ”の盛り合わせは、目にも鮮やかな一皿。“かま”の中でも特に脂ののった“かまとろ”は、とろけるような食感と脂の甘さがたまらない! ご主人自ら豊洲市場に足を運び、約30年の付き合いのある卸店から希少部位を分けてもらうという。
鮪の脳天とかまとろ1,500円(税込)

その弐

高級魚をじっくり焼き上げる“銀むつ正油漬焼”を食らうべし!

銀むつを薄口醤油を使って漬け込み、じっくりと焼き上げる。美しい焼き色のついた身はふっくらとやわらかく、絶品! 西京漬けや煮付けとは一味違った上品な味わいで、お酒のおつまみにもぴったりだ。
銀むつ正油漬焼900円(税込)

その参

ご主人自慢の故郷の味“角煮大根”を食らうべし!

石川さんの故郷・山形の豚を使った角煮は、お箸で崩れるほどの柔らかさで、出汁がしっかり滲みた大根との相性も抜群。大根と豚肉を柔らかくなるまで2〜3時間下茹でし、醤油・カツオ出汁・三温糖などでさらに3時間ほど煮込むという。
角煮大根750円(税込)

きたろうさんから、魚貞へ贈る「愛の叫び」

先代貞夫〜!
ムコどのは娘を守ってるぞ!!

―――きたろう

「魚貞」

住所
営業時間

定休日
東京都渋谷区幡ヶ谷2-8-13
火〜金11:30〜13:30
月〜土17:00〜23:00
日・祝 ※営業時間は都の要請により変更あり
  • ※ 掲載情報は番組放送時の内容となります。

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