絶品沖縄料理が楽しめる人気酒場!
芸能人のマネージャーから転身し
沖縄料理に魅せられた男の物語
鮮度抜群の「活 海ぶどう」に感激!
東京都杉並区西荻窪にやってきた、きたろうさんと武藤さん。JR中央線西荻窪駅から、居酒屋が立ち並ぶ柳小路を歩いて、今宵の酒場「まあさんどう」へ。朱色に塗られた入口にはシーサーが並び、「沖縄の雰囲気満載!」と、うれしそうなきたろうさん。店内では、かりゆしシャツを着たご主人の野口正人(まさと)さん(41歳)に出迎えられ、ふたりは、さっそく、焼酎ハイボールで、「今宵に乾杯!」。
まずは、お通しの「もずくソーメン」を。素麺のように麺つゆにつけて食すのは、沖縄県うるま市産の太もずく。シャキシャキとしたコシのある歯応えに、「いつものもずくとはちょっと違う!」と、早くも本場の味にびっくりだ。
最初のおすすめは、「活 海ぶどう」。シークワーサーポン酢と青じそタレでいただく。鮮度抜群のプチプチ食感に、「たまらない〜」と武藤さん。きたろうさんも「これは新鮮!」と感心する。ご主人は、沖縄の海水温と塩分濃度に合わせた海ぶどう専用の生け簀を作るほどのこだわりようで、さらに「ライトを当てて光合成を促し、鮮度を保つんです」と胸を張る。
そんなご主人は、てっきり沖縄出身かと思いきや、意外にも千葉県出身。「開業する前は沖縄料理店で雇われ店長をしてました。沖縄が好きで、沖縄料理を勉強しているうちに、どんどん魅せられていって」と、自分の店を開業した。「まあさんどう」は沖縄の方言で「美味しいですよ」の意味だそうで、きたろうさんは、沖縄県出身の従業員・川満基邦さん(39歳)に本場のイントネーションを教えてもらうのだった。
出汁をかけて味変も!「まあさん丼」
高校を卒業後、音楽の専門学校でイベントプロデュースを学んだご主人は、20歳の時、音楽イベントで知り合った芸能事務所の関係者に声をかけられ、25歳まで芸能事務所で裏方の仕事をしていたという。「佐藤浩市さんの付き人でした」と聞いて、びっくりするきたろうさん。しかし、ご主人は、「だんだん飲食店をやりたい気持ちが強くなって」と、25歳で芸能事務所を辞め、洋食店で料理修業を始めた。実は、ご主人の両親は地元・南房総市で民宿を営んでいたそうで、それを見て育ったご主人も、幼少期から飲食業に興味を持っていたのだ。そして、27歳から勤めた沖縄料理店で沖縄料理に魅了され、32歳で「まあさんどう」を開業した。「付き人として、いろんな方たちと接し、気配りや目配りを学んだことは、酒場での接客に大いに役立っている」と言うご主人。従業員の川満さんも、「大将はお客さんにも低姿勢で、みんなから好かれる人」と話し、きたろうさんは、「俺もそんなマネージャー欲しかったな〜!(笑)」。
ここで、沖縄の定番料理「ゴーヤーチャンプルー」が登場! 「店によって全然味が違うよね」と言いながら食べたきたろうさん。「絶妙な苦味が見事! 大人の味だ」と大満足。ミネラル豊富な沖縄県産の塩でシンプルに味付けしてあり、沖縄出身の常連さんからも「おいしい」とお墨付きをもらっているとか!
お次も、沖縄を代表する料理「グルクン(タカサゴ)の唐揚げ」。三枚に下ろして二度揚げし、骨まで丸ごと食べられるようにカリっと仕上げた一品に、「軽くてサクサク! 頭まで全部食べられる〜」と感激する武藤さん。当然、チューハイも進んで、「おかわり!」。
南房総の海辺で育ったご主人は、子供の頃から沖縄の海と風土に憧れていたそうで、今では毎年沖縄を訪れ、食材や食器などを買い付けている。「現地の調味料や食材を使って、自分なりに作った沖縄の味を食べてもらいたい」と、お薦めメニューには、揚げた沖縄チョリソーにチーズを乗せて炙った「ポチギチーズ」や「シークワーサー〆サバ」、「まあさんどうのラフテー」など、垂涎ものの沖縄の味が並ぶ。
最後の〆は「まあさん丼」。ジューシーという沖縄風炊き込みご飯の上にラフテー(豚の角煮)をのせた創作料理だ。「東京でしか食べられない沖縄料理!」と武藤さんは目を輝かせ、炊きたてアツアツをいただいて、「お肉が柔らかくて味もしっかりしみてる〜」と頬が落ちそう。続いて沖縄そばのスープを少し薄めた出汁をかけると、「出汁の風味がぱっと広がって、全然違う味になる!」と、きたろうさん。すっかり虜になった武藤さんは、「沖縄へのリスペクトがありつつも、ご主人なりのアレンジで、東京の人が好きそうな味になってる!」と感動するのだった。
ご主人にとって酒場とは、「心と体が喜ぶ場所。『ちぬぐすい(命薬)』とは、沖縄の方言で“心や体に良い癒しの出来事“という意味。そんな『ちぬぐすい』を提供する場でありたいですね!」