BS-TBS「〜癒・笑・涙・夢〜夕焼け酒場」 毎週土曜よる6:00〜6:30 BS-TBS
#395

東西南北

2022/9/17放送

自家製珍味と絶品魚料理が自慢!
東京都墨田区曳舟で創業35年
たった一人で人気酒場を作り上げた男の物語

8種類の「自家製珍味」を一皿で堪能!

東京都墨田区曳舟にやってきたきたろうさんと武藤さん。今宵の酒場はスカイツリーも近い、東武伊勢崎線曳舟(ひきふね)駅から徒歩数分の「地酒と珍味処 東西南北」だ。年季の入ったシブい雰囲気に、「かっこいい!」と期待が高まるふたり。店内には木工細工が所狭しと飾られ、ご主人の伊藤健治さん(74歳)が、「私が趣味で作りました」と、にこやかに迎えてくれた。ふたりは、さっそく焼酎ハイボールを注文して、「今宵に乾杯!」。

最初のおすすめは、「お店名物 付き出し」。自家製珍味を贅沢に盛り合わせた一皿は、店の一番人気! この日は、からすみ、ゆべし、子持ちやりいか煮、かにの酢漬け、明太じゃこ、ほたて煮、あわびの味噌漬け、数の子わさびの8種類だ。まずは、自家製からすみを食したきたろうさん、「ねっとりしてて旨い!」と感心し、武藤さんも、「おいしい〜。角が立ってなくて、優しい味」と舌つづみを打つ。ご主人は、「普通は塩漬けしますが、私のはちょっと違って、塩分控えめ。でも作り方は企業秘密」と笑う。自家製ゆべしは、柚子の皮に味噌を詰めて蒸し、干した保存食。完成まで約3ヵ月かかるそうで、「柚子の季節にしか作れないし、作っている人はあまりいないね」と胸を張る。武藤さんは、「柚子のいい香りに上品な味」と目を細め、きたろうさんも「他ではなかなか食べられない。どれもこれも、とにかく旨い!」と大満足だ。

店は創業35年。ご主人がずっとひとりで切り盛りしてきた。「ここは私の実家で、父と祖父は電気工事店を営んでました。でも、私はそれが嫌だった」と、家業を拒んで19歳で陸上自衛隊に入隊。北海道で2年間の任期を終えて退職すると、都内の喫茶店でアルバイトを始めた。昭和49年には自分の喫茶店を開業。結婚して2人の子宝にも恵まれ、順風満帆な日々を送っていたという。そんなご主人が酒場「東西南北」を開業したのは、昭和62年、49歳の時だった。「父が引退し、ここを建て直したんです。それで、長男の私が何かやることになって。それなら和食が面白そうだと、図書館で勉強しました」。「修業もなしで、図書館で!?」と驚くきたろうさんに、ご主人は「はい、図書館が師匠です!」。

「本日のあれ?」に悶絶!

次のおすすめは、珍味と並ぶ看板メニュー「刺身盛り合わせ」。この日は、平目、中トロ、真イカ、カンパチ。きたろうさんは、平目の昆布〆に「旨い……」とため息を漏らし、「中トロもイカも全部おいしい。珍味の後に正統派の刺身っていうのもいい」と絶賛。「魚の目利きはどうやって鍛えたの?」と聞くと、ご主人は、「最初は、随分いい加減なものをつかまされましたよ。それで、いろいろ勉強して、分からないことはちゃんと聞くようにしたら、だんだんといいもの出してくれるようになりました」。

仕込みから調理、接客、掃除まで、すべて一人でこなすご主人。74歳の今も、自ら足立市場に足を運んでいるそうで、15年の付き合いの仲買人・大内克則さん(58歳)も、「ご主人は、若いよね。一生懸命、魚を見て、良し悪しを見極め、真剣に魚と向き合っている」と話す。ご主人は、「東西南北」という店名に、「四方八方からお客さんに来てもらい、日本各地の魚を仕入れる」という2つの意味を込めたと言い、「釣り物きんき煮」など、オススメメニューには絶品魚料理が並ぶ。

ここで、「海老と帆立のかき揚げ」が登場! サクサクのかき揚げを粗塩でいただいて、「おいしい〜」とチューハイが進む武藤さん。「酒のつまみだから、出汁より塩がいいでしょ」と、酒好きの心をしっかり掴むご主人は、当然、いけるクチかと思いきや、「実は、飲めない(笑)」と言うから、ビックリだ!

さて、お次は、「本日のあれ?」を。「そのメニュー、気になってた!」と喜ぶふたりの前に出てきたのは、「国産焼きはまぐり」。常連さんを飽きさせないための日替わり料理なのだ。武藤さんは、大粒のはまぐりを口に運び、「身が大きくて噛むとじゅわっと味が広がる〜」と大興奮。一緒に出された「はまぐりスープ」も染み渡るおいしさで、もう感動が止まらない。

店を続ける秘訣は、「お客さんに喜んでもらえる商売をすること」とご主人。きたろうさんは、「俺は大将を見てて分かったね。大将が楽しく生きてるってのを見せることが、お客さんを喜ばせるんだよ」。その言葉に、ご主人はうれしそうに頷き、「跡継ぎはいないから、私の代で店は終わり!」と、迷いなく潔し!

最後の〆は、「うなぎ寿司」。自家製ダレで焼き上げた国産の鰻を押し寿司にした贅沢な一品に、「鰻がふわふわ! いくらでも食べられる」と大喜びのふたりだった。

「酒場とは憩いの場所。健康で、できるだけ長く続けたい」と言うご主人に、「80歳まで大丈夫!」ときたろうさん。ご主人が「それじゃ、後5年しかない」と反論すると、きたろうさんは、「贅沢言ってんじゃないよ!」と言いながら、「じゃあ90歳にしてあげる(笑)」。

「東西南北」の流儀

その壱

まずはお客さんに大人気“付き出し”を食らうべし!

お店名物の「付き出し」は、自家製珍味がずらりと並ぶ贅沢な一皿。この日は、からすみ、ゆべし、子持ちやりいか煮、かにの酢漬け、明太じゃこ、ほたて煮、あわびの味噌漬け、数の子わさびの8種類。ご主人が手間暇かけて手作りする珍味はどれも優しい味だ。
「お店名物 付き出し」1,100円(税込)※内容は毎日変わります

その弐

気になる謎メニュー“本日のあれ?”を食らうべし!

「本日のあれ?」と名付けられた料理は、常連さんを飽きさせないための日替わりメニューで、この日は、国産焼きはまぐり。大粒のはまぐりは、噛めば味が口の中にじゅわりと広がり、一緒に提供されるスープも凝縮された旨みが染みわたる。
「国産焼きはまぐり(スープ付き)」880円(税込)

その参

〆には必ずご主人考案の絶品料理を食らうべし!

国産の鰻を使用し、自家製ダレで焼き上げる。ふわふわのうなぎを贅沢にのせた押し寿司はたまらない美味しさで、お客さんからも大人気!
うなぎ寿司1,800円〜(税込)※要予約

きたろうさんから、東西南北へ贈る「愛の叫び」

曳舟の仙人見つけた
珍味に旨いものあり

―――きたろう

「東西南北」

住所
営業時間
定休日
東京都墨田区東向島2-29-1
17:30〜23:00
日曜 ※営業時間は都の要請に応じて変更あり
  • ※ 掲載情報は番組放送時の内容となります。

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