放送400回記念の新潟スペシャル!
創業55年目を迎えた老舗の人気酒場で
佐渡島の新鮮魚介を食べ尽くす!
鮮度抜群の「刺身盛合わせ」は感動の旨さ!
今回は、放送400回を記念した新潟スペシャル! 新潟市にやってきたきたろうさんと武藤さんは、日本海に面した関屋浜海水浴場から佐渡島を眺めて大興奮! さっそく今宵の酒場へと向かう。新潟駅から車で約10分の沼垂(ぬったり)テラス商店街にある「大佐渡 たむら」は、佐渡島で水揚げされた新鮮な海の幸が味わえる店だ。ふたりは、期待を高まらせながら、二代目主人の田村寛(ひろし)さん(51歳)に焼酎ハイボールを注文して、「今宵に乾杯!」。
最初のおすすめは、地元の魚を使った鮮度抜群の「刺身盛合わせ」。この日は、アラ、真ダイ、アジ、甘エビの4種盛りだ。真ダイを食べたきたろうさん、「旨いね〜。新鮮でシコシコして、甘みがある。マグロ食べてる場合じゃないね(笑)」と絶賛! 武藤さんも、「全然違う。すごい……」とうっとりする。日本海側でよく食べられているアラは、コリコリした食感と濃厚な味が特長で、武藤さんは、「上品な甘みでおいしい!」と舌つづみを打ち、「アジも身が締まって、脂がのってる」と感動の連続だ。「日本海は海水温が低いので、魚に脂がのるし、海流も激しいので身が締まる」というご主人の言葉に納得するばかりのふたり。きたろうさんは、最後に甘エビを味わって、ネットリした身の甘さに「これぞ甘エビ!」と歓声を上げた。
昭和42年に店を開業したのは、寛さんの父・田村信郎(のぶお)さん(87歳)と母・幹子さん(78歳)。10年前、長男の寛さんに二代目を譲ったものの、ふたりは今も店に立ち、家族3人で店を切り盛りしている。信郎さんは、中学卒業後、銀行員として働いていたが、「銀行では行き着くところまで行った。頭取にはなれん! じゃあ自分ひとりでやろう」と、酒場の開業を決めたという。「大変なことはありましたか?」と聞くと、「なかったですかねぇ……」と記憶をたどる信郎さん。きたろうさんは、「もう全部忘れちゃってんだね!?」と突っ込んでから、「それがいいんだよ!」と頷くのだった。
続いては、旬を迎えた「赤ガレイの唐揚げ」を自家製ポン酢で。カラッと揚がった皮目と肉厚でホクホクの身に、「サクサクでフワフワ! さっぱりと食べられて、おいしい」と感激する武藤さん。ご主人は、「カレイは卵も非常においしくて、これからの時期、大きくなるんですよ」と教えてくれた。
新潟産の食材を「寄せ鍋」で堪能!
東京の大学に通っていた寛さんが、新潟に戻ったのは、23歳の時。そこから料理の勉強を始めた。信郎さんは、「勝手に生きてきて適当にやってる息子が、ある時、急に『お父さん、俺も新潟でうちの仕事手伝うわ』なんて言ってきて、びっくりした」と話し、「私も困りましたよ。生活する人数が違ってくるのでね」と笑う。きたろうさんは、「食いぶちが増えて邪魔だと思ったんだ!? でも、今になってみれば、よかったでしょ? 優しそうな息子じゃん!」。
41歳で二代目を継いだ寛さんは、「両親はすごい気力がある」と言う。信郎さんは、お酒好きで、今でもよく飲むそうで、「それが元気の秘訣だね!」ときたろうさん。一方、幹子さんは、「私は、お客さんの顔を見ると元気が出ます」と、にこやかに話してくれた。
続いては、新潟県の郷土料理「菊のおひたし」を。“かきのもと”と呼ばれる食用菊の花びらを酢水でさっと湯がき、自家製だし汁をかけて、まぐろ節を乗せる。独特の苦みと歯応えがあり、新潟の人は好んで食べるそうで、「菊のいい香りがして、おいしい〜」と武藤さん。きたろうさんも、「イケるねぇ!」と、気に入った様子だ。
新鮮な魚介にこだわり、なるべく地の食材を使うことを心がけているご主人は、毎朝、新潟市中央卸売市場へ足を運ぶ。先代から40年来の付き合いの仲買人・金子道明さん(67歳)も、「彼は魚を見て一発で鮮度など全部把握している」と、寛さんの確かな目利きに一目おくのだった。
ここで、佐渡島で獲れたベニズワイガニの「カニクリームコロッケ」が登場! 揚げたてをサクッと食べて、「カニの甘みが強い〜」と頬が落ちそうな武藤さん。きたろうさんも「贅沢なコロッケだなぁ」と感心しきりだ。先代の頃にはなかった洋食系のメニューなど、寛さんが始めた料理も多く、オススメメニューには、「ギスの塩焼き」、「甘エビの唐揚げ」、「白子天ぷら」など、垂涎ものの料理が目白押し!
最後の〆は、「寄せ鍋」を。タラやサケなど4種類の魚介と新潟県産の野菜や豆腐を使った塩仕立ての鍋に、きたろうさんは、「サケも旨い! さっぱりしてて、おいしいなぁ」と、しみじみ。武藤さんも、「芯から温まる〜。これ一つで新潟を堪能できる!」と大満足だ。
店を続ける秘訣は、「当たり前のことを、きちっとできるかどうか。きれいに掃除されているか、きちんとした料理を提供できているか、そういうことが大事」とご主人。「酒場とは、憩いの場。私の使命は、そんな場所を作っていくことですね」と穏やかな笑顔を浮かべた。