新潟県阿賀町のおいしいものを堪能!
52歳で酒場を引き継いだご主人が
自慢の郷土料理と笑顔でもてなす人気酒場
とにかく旨い! 自慢の「馬刺」
前回に続き、「放送400回記念 新潟スペシャル」の第2弾! きたろうさんと武藤さんがやってきたのは、新潟市内から車で約1時間、弥彦山の麓にある越後一宮彌彦神社だ。およそ2400年もの歴史を誇り、「おやひこさま」と親しまれる神社でお参りを済ませたふたりは、新潟市内へと戻り、今宵の酒場へ。お邪魔したのは、新潟県の郷土料理が味わえる「奥阿賀の郷 山姥(やまんば)」。地下1階にある隠れ家のような雰囲気の店内で、囲炉裏を囲んで座ったふたりは、さっそく、焼酎ハイボールで「今宵に乾杯!」。迎えてくれたのは、二代目主人の江川彰弘(あきひろ)さん(66歳)だ。
まずは、お通しの「山菜3点盛り」から。この日は、わらびのおひたし、なめこおろし、生きくらげ。きたろうさんは、「新潟に来たって感じだね〜」と喜び、武藤さんも、生きくらげのプリプリ食感に驚くばかり! 「私が生まれた新潟県東蒲原郡阿賀町(あがまち)で採れたもので……」と説明を始めるご主人に、「大将も座って飲もうよ!」と誘うきたろうさん。ご主人は待ってましたとばかり、「きたろうさんからいただきました! 濃いめでお願いします!」とチューハイを注文し、3人揃って「今宵に乾杯!」。
最初のおすすめは、「馬刺」。新潟県と福島県の県境に位置する阿賀町は会津文化の影響もあり、馬刺をよく食べるそうで、「これを食べたら、もう山姥を征服したと思って!」とご主人。ふたりは、輝くばかりに色鮮やかな馬刺(赤身とレバー)に歓声を上げ、馬刺大好きなきたろうさんは、「いやぁ、旨い! 参った、参った〜」と止まらない。
店は創業27年。ご主人は、「もともと、本当に山姥がいたんですよ」と笑う。「55歳で店を始めて70歳まで女将をやってた婆ちゃんが、常連客だった私に、『おめぇ、やってくれんか?』と言ってきて」。新潟市内の弁護士事務所で行政書士として勤務していた彰弘さんは、平成21年、52歳で「山姥」の暖簾を引き継ぐこととなった。ご主人は、「私、もともと笑った顔をしているので、子供の頃は、『真面目にしろ』とよく怒られた。でも、歳を取って、それが強みになりました」と、チャーミングな笑顔と楽しいトークでお客さんの心をつかむ。「お客さんと晩酌しながら、自分の笑顔が役立てばいいなと。県外の人にも来てもらって、旅の思い出になればうれしいし、阿賀町をちょっとでも知ってもらえたら」と幸せそうにニコニコ。きたろうさんは、「真面目な顔してみて」とリクエストするも、ご主人の真顔は、そのまんま笑顔!
きのこも、米も、牛肉も! 新潟の自然の恵みを堪能!
続いていただくのは、「阿賀町むろや特大ゼンマイ」の煮つけ。水と緑に囲まれた自然豊かな阿賀町で採れる山菜は絶品! 細かく切らず、長いまま食すのが「山姥」流だ。ごま油の香りが食欲をそそる一品は、ご主人の妻・美枝子さんが3日間かけて作るそうで、きたろうさんも「味付け上手い!」とご満悦。
ここで、次の料理「きのこたっぷり揚げ出し豆腐」を運んできてくれたのは、“若旦那”こと、三代目の石川寛准(ひろのり)さん(40歳)。ご主人の次女・美雪さんの夫だ。口当たりなめらかな豆腐は美雪さんの手作り。数種類のきのこを使ったあんも味わい深く、武藤さんは「ほんとにおいしい!」と感激する。寛准さんは、もともとサラリーマンだったが、4年前に彰弘さんが白血病を患って闘病生活を送った際、美雪さんとともに店に入った。今は社長として店の運営を担い、「大将は、お客さんと飲みながらコミュニケーションをとるのがとても上手い。真似したくてもできません!」と彰弘さんに尊敬の念を抱く。
そして、調理を担当するのは、東京の老舗日本料理店で11年間修業した料理長の樋渡史(たかし)さん(41歳)。その確かな料理の腕前に、ご主人からの信頼も厚く、史さんも、「この店で働くのは、楽しくてやりがいがある。大将には、芸能人以上のオーラを感じますね」と話してくれた。
続いては、阿賀町の希少なブランド牛を使った「幻の八木山牛ステーキ」を! 脂ののったリブロースを塩コショウで味付けした、ボリューム満点の一皿だ。粗塩やわさび、自家製ポン酢などをお好みで付けて食し、頬が落ちそうなふたり。素材を活かしたシンプルな味付けが料理のこだわりだそうで、「新潟阿賀町のごっつぉ(ごちそう)」、「阿賀町の稚鮎」、「紅ズワイ蟹」など、新潟の食材そのものが味わえるオススメメニューが目白押し!
〆は、米どころ阿賀町の新米で作る「かぐら南蛮味噌の焼おにぎり」。甘辛い味噌が、焼おにぎりと相性抜群! お米のおいしさが際立ち、大きなおにぎりもペロリといけそうだ。
ご主人にとって酒場とは、「人が集う夢ある場所。遠くからのお客さんが、何度も店に来てくれてるのを見ると、やっててよかったと思うし、お客さんとの出会いが一番!」。旨い料理と笑顔に満たされる至福のひと時。帰り際には、お土産のおにぎりまでいただいて、最後まで感激しっぱなし! 新潟に来てよかった! また来ます!!